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木梨憲武さん

ノリさんに初めて会ったのは
中目黒の山手通り路上だった。
大学1年生だったと思う。

そこは高校の先輩がやっている
「101」と言うバーの前。
今はそのお店は無いが、「中目黒の101」と言えば、サッカー好き芸能人とサッカー選手が集まる有名なお店で週末の路上には高級車が沢山並んでいた。

お客さんには俳優の寺田農さん、椎名桔平さん、サッカー選手の都並敏史さん(高校の先輩)など読売クラブ(現東京ヴェルディ)の有名選手たちがいた。
大学生の僕は、その日も渋谷で遊んだあとに先輩のお店へ向かった。
お店に入る時にちょうど帰る木梨憲武さんが出てきた。見送る先輩が僕を紹介してくれた、高校のサッカー部の後輩の宮澤っていうだよ!変わった奴だけどよろしくね。」
僕を見たノリさんの第一声は
「金髪いいじゃん!もう少し色を抜くともっとカッコよくなるぞ」
当時僕は金髪にしていてどこへ行っても、誰とあっても、「その変な髪の色なんとかなんないの」「黒の方がいいよ」なんて言われていた。
初めて会った大人に髪の色を褒められて、もっとやった方がカッコよくなるぞなんて言われたもんだからその日から憧れの人になった。
子供の頃から雑誌のモデルをやっていた僕は、どこへいても、髪型や服装のことを注意されて、
大人になった大学生になっても同じことを言われ、金髪であえて社会に反発していたんだと思う。
ノリさんの言葉にはとても救われた。
それから僕は意識して、会った人の目に見えるところは褒めるようにしている、
でもこれは意識をしていると、自然にみんなその人らしいすてきな外見をしているので、
褒めることはそんなむずかしいことでは無くて、むしろいいところしか見えなくなって褒めることしかできなくなった。
さてノリさんとはこの山手通りの路上で会っておしまい。
ノリさんもテレビで毎日見る人になり、
僕もブラジルに行ってしまい
いつかどこかで会いたい人
となってしまった。

上京すると会いたい人は沢山いるのだが、いつ行っても、急にお邪魔しても、笑顔で暖かく迎えてくれて、仕事の手をとめてコーヒーを入れてくれる友人がいる。
これはお互いの気持ちがいい感じに繋がってないと難しいと思う。
いつでもおいでと言ってくれる人は大勢いるが、本当に急に行ったら迷惑だろうなとか、そうは言っても1本連絡いれたほうがいいかなーと思うと、次にしようとなってしまう。
この友人は、友人というより僕が慕っている人。
ガラスの彫刻家で、日本の美術館はもとより先日はイギリスの大英博物館にも所蔵されたくらいの素敵な人なのだ。
先日もいつも通り、島に帰る前に会いたいなーと立ち寄ると、いつもの笑顔で迎えてくれて
「時間ある?ちょっと大切な打ち合わせで、今出るとこなんだ!待ってる?そうだ近所だから一緒にいこう」と言ってくれた。
大切な打ち合わせに同席させてくれるなんて本当に嬉しい。
打ち合わせの場所はその人の自宅、門のベルを押し庭を通り玄関の扉を開くのをまった。
玄関のドアが開くとそこにいたのは
ノリさんだった。!!

一瞬の間の後、ノリさんが「101のオーナーの後輩だよな?」35年以上も経つのに覚えていてくれた。
こんなことがあるから人生って最高!
友人は「2人は知り合いか〜サッカー繋がりだね!連れてきてよかった〜」なんて言ってくれた!
打ち合わせも終わり最後に記念写真。
撮り終わったら
「ちょっと待って!写真チェックしよう!
オッケー!俺たちいい笑顔だな!^_^」
どうってことない記念写真の表情をチェックしてくれた。

記念写真撮っただけなのにこんなに幸せにしてくれるのか!

やはり僕に撮っての憧れの人!間違いない。
僕の周りには憧れの人だらけで、なかなか追いつかないが
僕にできることは何だろうと考えて
「出会った人には100%心を込めていこう」
と決めた。
どんな状況で会っても時間がなくてもその時の僕にできる限りの力と心で付き合おうと決めた。
それが世界を幸せにすると信じて。
今回も最後まで読んでくれてありがとう。
kan