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2024年2月5日と言う日


若い頃ブラジルでサッカー選手になるって夢があった
その夢を叶えるために

大好きだった彼女を
帰ったら一緒になろうねと約束をして
日本に置いて一人でブラジルに行った

ブラジルでは
もちろん辛いことはあったけど

毎晩ベッドサイドの彼女の写真を見ながら
帰ったら一緒になろうねと…

写真のおかげでがんばれた

その頃は携帯も無く、連絡手段は手紙だけだった

でもボクは移動ばかりしていたから
手紙を受け取れたのはたった1回だけ

その1通の手紙と彼女の写真がボクの支えだった

年月が流れ

帰国の数週間前くらいに
お世話になっていたクラブに
彼女から手紙が来た

封筒を開けると
便箋には可愛い字で

「新しいパートナーができた」
「さようなら」

と書いてあった

あまりにもショックで
その日からのことはよく覚えていないが
日本行きの飛行機をハワイに変えて

めちゃくちゃ遊びまくった

ハワイから
帰国して

ボクにはまだ未練があったのだろう
諦めきれずに

彼女を呼び出して
もう一度付き会いたいとお願いしたら
彼女は素敵な笑顔で

「来世で絶対一緒になれるよ!!」

ブラボー
うまい断り方だなと逆に感動して
彼女を諦めることができた

それから
まためちゃくちゃ遊びまくり

遊びにも飽きて

結婚して
ラッキーなことに
3人の子どもを授かった

子どもたちには

人を好きになること
人を愛することの
素晴らしさを伝えたくて

その彼女の話は数回した記憶がある

昨日から東京は雪が降る予想が出ていたので

昨晩は娘のかれん、息子の波生とラジオの収録や
パソコンに入っている沢山の画像の整理をしていた

※昨年実家から写真ネガの束が送られてきて
今流行りのデジタル化したデータが多すぎて
チェックできてなかった

画像データを見ていたら

彼女との写真が沢山出てきた
2人でアジア、アメリカと
いろんな国を旅していた

そんなことも忘れていたぐらい
彼女を封印していたんだと思う

それにしても彼女の笑顔は素敵だ
でもその時はそんな笑顔には
気づかなかった気がする

なんて思いながら

日の出に近い時間になったので
深い眠りについた

午前11時前に携帯が鳴り
急に目を開けたから

ちょっと頭痛を感じながら
発信先を見ると

あの彼女のお兄さんからだった

お兄さんの

その第一声は

「妹が今朝亡くなった」

………..

お兄さんと何か話をしたと思うが
頭の中は真っ白で断片的にしか
覚えていないけど

彼女は闘病していたと言うこと
涙が止まらなかった

パートナーはいたそうだ
寂しくなかったね

ブラジルに行く時に
どうして「一緒に行こう」
って言えなかったのか

多分それがその時の流れや
常識だったんだと思う

夢を追いかける時は
一人で孤独で成し遂げることが

かっこいいと

若いって素晴らしいけど
若いって無知なんだ

もしかしたら

昨日の深夜

彼女の写真を見ている時
彼女もあの時のことを思い出して
くれてたのかな

そうだといいなあ

もう彼女は現世にはいないが

来世で一緒になれる確率は
少し高くなった気がする

今まで彼女のことは考えず
忘れてしまったことにしたけど

これからは思い出す時間が
多くなる気がする

どこにいても
彼女の笑顔は忘れない

彼女の笑顔を
隣で感じることができた

ボクは幸せだ。

来世で待っていてね
今度は一緒になれるかな

最初の画像は
彼女が好きだった風景

いつかこんなとこに住みたいね
と言っていってくれた

インドネシア
バリ島の田舎の田園

今年はまたここに
戻ってみようと思う