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FANFUN VRを創る#6

前回は開発環境や進め方を記載しましたが、今回は開発方針などについて記載していきます。

■開発方針

今回のFANFUN VRでは「レトロだけどあたらしく」をコンセプトにしていました。
どこか懐かしく、昔ゲームセンターで新しいゲームを見た時のワクワク感をVRの世界で表現出来たら面白いのでは?という感覚です。
ドンキーコングしかり、ゼビウスしかり、昔のゲームはクリアしたら次にどんなステージが待ち構えているのか、この先にどんな敵やしかけが待ち受けるのか?のワクワク感があったように思います。今はネットで簡単に情報や攻略方法がわかってしまいますが、当時は遊んでみて新たな発見があり、それを見つけた感動というものもあったように思います。
今回はそんな発見の感動が少しでも再現できたらと考えていました。

開発方針①:シーンとしての拡張性をもたせる
今回のFANFUN VRでは全50ステージ(5ステージ×10エリア)を用意。クリアしたらどんどん新しいステージに挑戦し、遊べる範囲が広がるようにしています。
そのため開発での考慮面としては、以下を念頭に開発を進めていました。
・ステージ・エリアの追加が楽にできること
・小さな改善がどんどん反映できること

様々なステージ・エリアで遊ぶことができます

開発方針②:VRならではの自由度を持たせる
今回はVRという表現を選んでみたので、ユーザの視点移動はともかく歩く場所・移動も必要になります。
FPSほどでないけどある程度自由に動け、かつVRゴーグルで周りを見渡し・時には障害物の裏側をみて探すなど、行動や視点に自由度があるように開発を進めることにしました。
今回5つのステージを用意し、それぞれのステージの特徴に合わせた移動・視点のバリエーションも持たせることで、時には激しく動きまわり、周りを見ながら謎を解き、またある時には岩盤浴に横たわってのんびり遊ぶという柔軟性をもたせる形としています。

■基盤整備と部品化

今回全50のステージを用意していくにあたっては、各ステージ毎のアイデアの実現に集中できるよう、基盤の整備と部品化を同時に進めています。
ある程度の基盤を整備し、その基盤上で各ステージ独特のロジック・ボールの動きなどを表現することで、実現のスピードと不具合の低減化を図っています。
また各ステージの開発が進むにつれ、さまざまな部品化・再利用も進んでいったかと感じています。
今回利用したUnityのアセットの活用も多くありますが、障害物などの多くは開発当初から用意した部品の組み合わせ・基盤ロジックの呼び出しなどで構成しており、開発の当初にこのような基盤整備を進め、開発を進める中で部品化を進めるアプローチは有用かと思います。

■シンプルに!

FANFUN VRでは綺麗なキャラクタやボスキャラなどは登場しません。登場するのはスフィア(球)で構成されたボールに顔の表情のテクスチャを張り付けただけ。Unityの基本機能だけで作れるものとしています。
基本的な構造だけで作れるがゆえに、ごまかしがきかないというのもありますが、その分他の環境やVRでない環境でも作ることは容易かと思います(やろうと思えば、ボールに他のテクスチャを貼り付けたキャラボールを作ったり、広告ボールなんてもの簡単に作れます)
ルールもキャラクタ自体のシンプルに、いわばレトロゲームの基本に立ち返ったものとしています。

8ビットパソコン時代のボールと、VR版のボール。どっちもシンプルな構成です

今回はVRという環境で開発を進めてみましたが、やはり手探りでゲームを
創っていくのはとても面白い。様々な部屋やしかけを用意し、部品やロジックを組み合わせたり試行錯誤しながら形になっていくのは何ともいえない感覚です。
開発当初は試行錯誤の連続ですが、ある程度基盤が出来、部品も出来てくると、次第にゲーム自体を創る事に集中出来、アイデアを試行錯誤できる段階になっていくので、創る・形にしていく楽しみが広がっていくように思いますので、ゲームを創る楽しみ・遊びを生み出す面白さというがもっと広まればと思います。

次回は実際VRゲームとして形にしていく流れを記載していきたいと思います。

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