妄想日本語人工言語論

韓国語を勉強していた時に強い疑問を持ったことがある。しばらく放置していたが最近ひどく妄想的且つ誘惑の強い仮説が浮かんで来た。

1.日本語と韓国語の類似性に関する疑問

韓国語を少しかじったことのある人にはわかるが、その主語と述語の並びや動詞や形容詞の活用、敬語表現、てにをはの存在・用法を含め文法が日本語と恐ろしいほど酷似している。

単語を並び変えればほぼ完璧に近い翻訳が成り立つ。Google翻訳でも充分に使える。

ところが、言語の骨格の類似性から、個別の単語に視点を移すと動詞や助詞、形容詞、名詞を含め、漢字語以外にはほとんど共通点を見出せない。

ふたつは言語学上同じウラルアルタイ系に分類され且つ文法が酷似しながら共通の祖語から分かれたものとはされない所以だ。欧州の複数の言語のいずれの2ヶ国語を取ってもこのような関係の2言語は見当たらない。

2.インドネシア語は人工統一言語

話を転じるが国家言語としてのインドネシア語は人工言語である。

同国は約300の民族からなる多民族国家であり現在も583もの言語が使われている。

1945年インドネシア独立の際、スマトラ島北部の一小民族のムラユ語を改良して国家統一言語としたのがインドネシア語だ。

同国最多かつ最大の勢力を持つ民族ジャワ人のジャワ語を採用せずムラユ語を採用した理由は、

・ジャワ語自体が階級制度とも絡み極めて難解であること
・ムラユ語自体の用法が簡便であること
と共に
・多民族国家の平等性の象徴としての統一言語が求められたこと
が挙げられる。

3.日本語の成立に関する妄想的仮説

未だ仮説の体をなさないが以外のように考えられないだろうか?

・5世紀から8世紀に於いては日本も百済も未だ強固な中央集権体制が成立していなかった。
・国家、民族の境界も現代では想像出来ないほど緩やかで人々は朝鮮半島と日本の間を自由に往来していた。
・特に半島南部は日本の影響が深く事実近年半島南部で大和朝廷のシンボルである前方後円墳が12基も発見されている。
・一方日本列島は海洋国家として様々な異なる民族を多数受け入れており、一部は先進技術をもたらした技術者集団であり、一部は日本の政治勢力の一角を担う集団も存在した。
・列島の中では言語環境もすべてが一様に日本化されることはなく渡来人との共存で多言語が混在する状態が続いていた。
・最大の転換点となったのは7世紀後半の白村江の戦いである。
・当時としては天文学的な大敗を喫し半島での勢力と権益を完全に失った日本は海外勢力の占領下に入る危惧を著しく強めた。
・その結果危機感に押され急速に律令国家としての国家体制を整えた。
・日本という国号の採用と共に日本書紀、古事記の編纂がなされた。
・この際、多民族国家としての側面は国家の大陸諸国からの独立性を保持、担保する為に封印・隠蔽せざるを得なかった。
・一方で多民族・多言語の現実も直視しながらインドネシアのように平等性を考慮する必要があった。
・百済の滅亡と共にさらに多数の百済人が日本に移住した。
・その際に考案されたのが韓国語もしくは百済語の文法の骨格に和語、大和言葉を組み合わせた用法ではなかったか?
・当時の異言語の人たちの間のコミュニケーションは勿論多言語を操る人間を媒介する方法が主流であったが、より高度ですコミュニケーションには漢字、漢文をお互いに訓み下す方法が用いられていただろう。
・勿論人工言語と言うレベルをいきなり目指すことは不可能で、中国語即ち漢文の訓み下し用法として本来の日本語が百済語の強い影響を受ける形で統一言語の今の日本語の原型が生まれたのではないか?
・すぐにそれが現在の日本語に直結した訳ではないだろう。初めは支配者階級だけの、儀式だけの、或いはあくまでも漢文訓み下しの際にしか限定的に使われることがなかったかもしれない。
・時間をかけ、取り分け渡来人たちに新しい日本語が中心的に使われる形で次第に広がり用法が深まり多様化していったのではないか?

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