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舛添要一 ヒトラーの正体 感想

先日発売された舛添要一氏のヒトラーの正体を読んだ。彼は都知事や厚生労働大臣など政界で活躍したことで有名だが、東京大学やパリ大学で政治学を専攻し、東京大学でも教授をしていた。

また、その中で長年ヒトラーについて調べているヒトラー研究の第一人者でもあるのだ。

この本は新書なので分量からすれば読みやすいのだが、書かれている内容はある程度ヨーロッパの歴史や地理や政治背景が必要だ。私は元々あまり詳しいほうでは無かった為、少々読了時間がかかってしまった。

特筆すべきはこの本は舛添氏が留学していたフランス、パリの視点からもヒトラーについて書かれている点である。ヒトラーは当時、他国からどう思われていたかを知れる本をわかりやすく書いたものは意外と少ない。

また、ヒトラーと現代のpopulismとの関連を描いている点は恐らくこの本から学ぶべき点だろう。

ヒトラーは当時世界一民主的と言われたワイマール憲法から誕生した。第一次世界対戦で敗戦したことで背負わされた多額の賠償金による経済不況とヒトラーのカリスマ性。また、国民への公共政策、福祉政策による効果的な経済政策による、失業率の低下。当時ドイツの要職に就き、多くの富裕層だったユダヤ人に対するヘイトと大ドイツ主義による単一のゲルマン民族による優生思想とポーランドなどの併合、また、ドイツ人の戦争に向いている国民性。

 とにかく一読すると、これからの国際政治を見る目が変わることは間違いないだろう。

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