見出し画像

第68回有馬記念 追い切り評価

お久しぶりです、宮下綾斗です!
今週は中央競馬1年の総決算、各路線を彩ったヒーローヒロイン達が一同に会する夢の舞台、有馬記念の追い切り評価を自分なりに付けてみました!
ジャパンC組の上位2頭(イクイノックス、リバティアイランド)は回避となったものの、今年も国内最高峰の舞台に恥じない超豪華メンバーが集結
調教から強く狙えるのはどの馬か、キッチリ見抜いていきたいところ…!


追い切り評価は上から順にA+、A、B+、B、Cの5段階で振り分けています(ただしA+は追い切りを見て「これは!」と思った馬にしか打たないつもりなので、基本的にはA〜Cの4段階になると思います)

馬名 鞍上
日時 コースと馬場状態
全体時計 評価
短評(的なもの)


アイアンバローズ 助手
12/20 栗東坂路 良
53.2-38.7-25.4-12.7 C

〜大舞台でも堂々の逃げ宣言〜
最終追いは坂路で単走追い
前走のステイヤーズSでは後続を嘲笑うかのような逃走劇を披露したこの馬
前走から中2週と間隔が短いこともあり、この中間はソフト調整が中心
最終追いの坂路追いでも目立つ時計は出しておらず、映像を見る限り特に強調すべき点は無し
前走から大きな上積みも感じられず、評価としてはCが妥当という結論に
前走はあまりにも綺麗に逃げがハマった感が否めず、一気のメンバー強化&距離短縮となる今回は楽な競馬をさせてもらえる可能性も低いことを考えると、馬券的には静観が妥当でしょう

ウインマリリン 嶋田
12/20 美浦W 良
68.9-52.9-37.5-11.4 B

〜前走掲示板は復調の兆し?〜
最終追いはWコースで単走追い
牝馬なら昨年は牡馬相手の香港ヴァーズを制した女傑
前走から帰国後は12月上旬から時計を出し始め、1週前のWコース追いでは皐月賞馬ソールオリエンスとの併せ馬を行い、動きの比較ではさすがに向こうに軍配が上がるものの、こちらも6F81.4で纏めてラスト3F推移も13.6-12.3-11.5と綺麗な加速ラップと及第点の内容
最終追いは5F追いで終いに重点を置いた形で、首と脚の連動性もまずまずといった具合
他馬との兼ね合いでB評価としたものの、B評価組の中では比較的上位の動きに映りました
馬場状態の違いはあれど、一昨年の日経賞を勝っていることを考えればある程度の舞台適性は担保されており、人気薄であればヒモ穴として押さえておくのも…?

ジャスティンパレス 高倉
12/20 栗東坂路 良
53.3-38.7-25.1-12.4 A+

〜現役屈指の長距離砲、昨年のリベンジへ〜
最終追いは坂路で単走追い
今年の阪神大賞典と天皇賞(春)を連勝したディープインパクト産駒の4歳牡馬
この中間は普段通り坂路追いを中心に消化して2週前、1週前はCW追いで負荷をかける格好
1週前追いでは2頭併せの外を追走し、直線ゴーサインを出されると僚馬をグイッと引き離して先着
ラスト1Fで若干の失速こそあれど6F80.3、4F51.8を計測しており1週前追いの段階では高く評価した1頭
最終追いの坂路でも馬なりながら十分な前進気勢が感じ取らる走りで、同じく坂路追いだった前走時よりタイムも良化
理想的な加速ラップを踏めていることからも最終追いの内容としては文句なし
最終ジャッジからは堂々のA+評価とさせていただきました
春には阪神大賞典と天皇賞(春)を連勝している実績からもこの距離延長はプラスに働く可能性が高く、昨年は秋3戦目だったのに対し今年は秋2戦目とよりフレッシュな状態で臨めるのも好材料
昨年の雪辱を果たすシーンがあっても驚けません

シャフリヤール 松山
12/21 中山芝 良
50.9-35.9-11.2 B

〜未知の中山、適性やいかに〜
最終追いは中山芝で単走追い
今年3頭参戦するダービー馬ではこの馬が最年長
当初は香港ヴァーズに出走するためシャティンへ遠征し現地で追い切りを消化していたものの、不整脈の疑いによりあえなく出走取り消しの憂き目に遭った格好
帰国後は検疫の都合上他馬よりひと足早く中山入りする形となり、最終追いも中山競馬場の芝コースを使っての4F追い
終始馬の行く気に任せるような形で、とり立てて強調したい部分は見当たらず評価としてはBまで
海外への余分な輸送を挟んでいる分、順調度としては他馬より劣るうえ、今回の舞台は実績のない中山芝2500m
これまで国内では東京や阪神外回りといった比較的大箱のコースで結果を残してきただけに、今回このトリッキーなコースでどこまで戦えるかが焦点となるでしょう

スターズオンアース ルメール
12/20 美浦W 良
83.1-66.2-51.5-38.1-11.7 B+

〜古馬牝馬屈指の安定感〜
最終追いはWコースで3頭併せ
デビューから未だ馬券圏内を外していない安定感が光る昨年の二冠牝馬
前走から中3週と間隔は短くなるものの、3頭併せの1週前追いでは最内を追走する形で直線並びかけ、鞍上が指示を出すと鋭く伸びて最先着
前走時の1週前追いと比較しても、一度使われただけあって着実に良化してきた感アリ
最終追いのWコース3頭併せでも、直線並びかけると持ったままで半馬身ほど抜け出して先着
間隔が短い中でも好調をキープしていると見て、今回はB+評価の1頭としました
あとは牝馬にとってタフな中山芝2500mというこの馬にとって未知の条件にどこまで対応できるかが好走のカギとなりそうです

スルーセブンシーズ 助手
12/20 美浦W 良
65.9-50.6-36.3-11.2 A

〜世界最強馬に食い下がった実績アリ〜
最終追いはWコースで単走追い
今年の宝塚記念ではイクイノックスとクビ差2着
続く凱旋門賞でもぶっつけ本番のローテながら4着と健闘したこの馬
6月下旬以来の国内線となる今回、1週前追いのWコースでは単走で前走同様序盤は頭を高く上げて行きたがるような素振りを見せるも、四肢の動きが非常に力強く全体としては合格点の水準
最終追いでも牝馬らしからぬ非常にパワフルな動きを見せており、海外遠征明けでも状態面に不安は無いと見てのA評価とさせていただきました
外目の枠に入ってしまった不利は無視できないものの、宝塚記念ではイクイノックスとタイム差無しの2着
前走の凱旋門賞でも前哨戦無しのぶっつけで4着とこの1年で大きく力を付けた馬だけにその実力は侮れないものがあります
鞍上も有馬記念通算4勝のグランプリ男こと池添騎手がどんな戦法を展開してくるか注目です

ソールオリエンス 川田
12/20 美浦W 良
69.2-53.4-38.0-11.2 B+

〜世代最速の称号とともに古馬へ挑む〜
最終追いはWコースで単走追い
言わずと知れた今年の皐月賞馬
前走後は舞台実績のある中山内回りのこちらへ照準を合わせ、この中間はWコースでラスト1F11秒台を3回計測
1週前追いの2頭併せではGⅠ馬ウインマリリンと併せ馬を行い、直線軽く促されると素早くギアを上げて半馬身ほどリードを取りそのまま先着
最終追いでは単走で馬なり調整も、ラスト1Fは11.2と切れる脚を見せてこちらも仕上がり良好といった印象
A評価以上の組からは一枚劣るとはいえ、こちらもB+評価を打てる水準には乗ったと判断しました
今回は川田騎手との新コンビで挑む一戦、最内枠から人馬がどう攻めるか鞍上の手綱捌きにも注目です

タイトルホルダー 横山和
12/20 美浦W 良
64.6-50.6-37.3-11.6 B

〜怪物の孝行息子、最後の檜舞台〜
最終追いはWコースで2頭併せ
阪神三冠の異名を持つこの馬もついに現役ラストラン
中間は前走と同じく坂路追い中心
1週前追いの単走追いでは久々にこの馬らしいパワフルな動きが戻ってきた感があり、脚さばきや首の使い方も前走時から良化の兆し
最終追いでも2頭併せで持ったまま先着と良好な動きを見せています
ただし本当にいい動きを見せていた昨年春頃と比較すると動きの迫力という面では到底及ばず、調教からはB評価までというジャッジに
内目の好枠を引けたことは追い風も、能力的には下降線に入りつつある現状でどこまで重い印を打てるかは慎重に吟味したいところ…

タスティエーラ 助手
12/20 美浦W 良
82.3-65.4-50.6-35.9-11.3 A

〜三冠オール連対の3歳牡馬総大将〜
最終追いはWコースで2頭併せ
今年の日本ダービーでは1954年ゴールデンウエーブ以来69年間閉ざされていたテン乗り制覇の扉をこじ開け、皐月賞・菊花賞でも2着に好走
この中間は前走時同様坂路追いを主体にしつつ要所でウッドで負荷をかけており、2週前のWコース2頭併せでは先行させた僚馬を気にする素振りを見せながらも楽な手応えで先着
3頭併せの1週前追いでも追われてから終いよく伸びて最先着
時計面でも80.9-65.5-50.4-35.7-22.7-11.1をマークしており中間調整は極めて順調に進んでいる印象
最終追いの2頭併せではさすがに1週前ほどの時計は出なかったものの、こちらも力感十分のフットワークで終いの伸びも良好
最終ジャッジとしてはA評価の1頭に抜擢させていただきました
クラシックでしのぎを削った仲であるソールオリエンスとの比較ではあちらがセントライト記念→菊花賞からの秋3戦目であるのに対し、こちらはダービー以来のぶっつけで菊花賞を使い今回が秋2戦目とより余力のあるローテ
あとは初顔合わせとなる古馬との力関係がどうかでしょう

ディープボンド 荻野琢
12/20 栗東CW 良
82.2-66.0-51.3-37.0-11.9 B

〜新コンビ結成で三度目の正直なるか〜
最終追いはCWで単走追い
GⅡ4勝、GⅠ2着4回の実績を持ってはいるものの、未だGⅠタイトルには手が届いていないシルバーコレクター
前走時までは坂路とCWをバランスよく併用していたのに対し、今回の中間はほぼ坂路追いが中心
そんな中CWで追い切られた1週前追いでは併せ馬の内を追走するも、鞍上が追ってもジリジリとした脚しか使えず重苦しい動きに映り高い評価はできず
最終追いのCW単走ではこの馬らしい跳びの大きなストライドで走れており、現状のこの馬なりには動けているとは思いますが、本当にいい動きをしていた昨年の天皇賞(春)時(この時はA+評価)などと比較するとどうしても衰えを隠せなくなってきた感もあり、評価としてはB評価止まり
3年連続出走となるタフネスぶりには敬意を表しつつも、初ブリンカー&新コンビとなるマーカンド騎手への手替わりが吉と出るかどうか

ドウデュース 助手
12/20 栗東P 良
80.6-63.8-49.0-35.8-11.0 B+

〜逆襲の末脚をもう一度〜
最終追いはポリトラックで2頭併せ
昨年の日本ダービーではイクイノックスを退けてダービー馬の称号を射止めた優駿
この中間はCW追いを中心にメニューを消化し、1週前追いの3頭併せでは3歳世代の実力馬ハーパーを相手に併入ながらも終始楽な手応えで格の違いを見せ、ラスト3F推移も13.7-11.0-11.0と相変わらずの切れ味の鋭さを見せており、1週前としては上出来の動き
2頭併せでの最終追いでも軽快な脚さばきを見せており時計面では申し分なし
ただし、併せ馬で遅れを取る形となった事は減点材料であり評価としてはB+までとしました
乗り難しい部分のある馬だけに、今回京都記念以来3走ぶりに武豊騎手とのコンビが復活となるのは間違いなくプラス材料
あとはトリッキーな中山芝2500mにどこまで対応できるかでしょう

ハーパー 助手
12/20 栗東CW 良
81.8-67.1-52.2-37.1-11.9 B

〜斤量面の優遇を活かせるか〜
最終追いはCWで単走追い
桜花賞4着、オークス2着、秋華賞3着と牝馬三冠路線では常に上位の走りを見せていたこの馬
1週前追いのCW追いでは同厩のダービー馬ドウデュースを含めた3頭併せを敢行
ほぼ持ったままだったドウデュースに対しこちらは終始促し気味だった事を考えると手応え的に劣勢だった感は否めないものの、ハーパー単体で見れば決して悪い動きではなく、秋3戦目でもよく動けていた印象
最終追いのCWでも終い若干の失速こそあれど、概ね良好な状態をキープしているといった印象
他馬との兼ね合いでB評価までとしたものの、前走時から目立つほどのデキ落ちは感じられません
斤量面では大きなアドバンテージを貰える3歳牝馬だけに、それを活かす立ち回りをできるかどうか

ヒートオンビート 助手
12/20 栗東坂路 良
53.1-38.1-24.7-12.3 B

〜芝2500巧者が久々の大舞台へ〜
最終追いは坂路で2頭併せ
今年の目黒記念で待望の重賞初制覇を決めた6歳牡馬
この中間は前走同様CWを中心にしつつ坂路を織り交ぜる形で、3頭併せを行った1週前追いでは前走時と比較しても一定の良化が感じ取れる内容
最終追いの坂路ではこのメンバーでは相対的に見栄えのしない動きでしたが、1週前の内容も加味し今回はB評価に
あとはGⅠでも通用する地力があるかどうかでしょう
不良馬場だった今年の日経賞を除けば2500m戦では1-1-3-0と安定感はあるものの、ここ一番での爆発力が求められる大舞台で通用するだけの下地は…?

プラダリア ムルザバエフ
12/20 栗東CW 良
80.3-65.3-51.2-36.7-11.9 C

〜善戦マンを返上し、狙うは頂点〜
最終追いはCWで単走追い
前走の京都大賞典では約1年半ぶりの勝ち星を挙げ復活をアピール
1週前追いのCW2頭併せでは終い重点の調整でも併せ馬にしっかり先着しておりまずまずの気配
ただし最終追いのCW単走では6F80.3でまとめているものの、映像からは数字ほどの迫力は感じられず後半3F推移も13.4-11.4-11.9とラスト1Fで失速する格好に
少し辛口な評価にはなりますが、追い切りからはC評価とさせていただきました
実績的にもこのメンバー相手では力不足感が否めず、初コンビとなるムルザバエフ騎手との組み合わせでどこまで戦えるか

ホウオウエミーズ 助手
12/20 美浦W 良
86.8-67.6-52.2-37.4-11.4 B

〜重賞初制覇の勢い駆って〜
最終追いはWコースで単走追い
今年の夏頃からあと一歩の惜しい競馬が続いていたものの、前走の福島記念で待望の重賞初制覇
1週前、最終追いともに単走追いながら軽快な動きを見せており、この馬なりに充実した状態にはあると思います
あとは一気の相手強化と未知の距離にどこまで対応できるかでしょう

ライラック 石川裕
12/20 美浦坂路 良
50.4-37.5-25.1-12.8 B+

〜再びの大駆けなるか〜
最終追いは坂路で単走追い
昨年のエリザベス女王杯では12人気なら2着同着
今年の府中牝馬Sでも10人気で3着と、人気薄での好走が目立つこの馬
1週前追いのWコース2頭併せでは内を追走し、6F80.7、4F51.3、後半3F推移が13.3-12.3-11.4の加速ラップをマーク
映像でも終盤軽く仕掛けただけで僚馬を突き放して楽に先着しており、弾むようなフットワークが印象的でした
最終追いの坂路では4F50.4という好時計をマーク
ラスト1Fで少し大きく失速していた点は割引も、1週前追いの動きも加味し今回はB+評価の1頭にチョイス
相手は一気に手強くなりますが、牡馬の一線級を含めた強豪相手にどこまで食い下がれるか注目です


評価の高かった馬をまとめるとこんな感じです!

おまけ:B評価以下で気になる馬

最後までご覧いただきありがとうございました!もしよければフォロー、スキの方を押していただけると励みになります!


(今年の有馬記念、その結末は世代交代か?有終の美か?はたまた新星誕生か?)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?