山手線を歩いて一周しました
以前からやろうと思っていた山手線徒歩一周をやってみました。
結論から言うと、朝4時から歩き始め、夜21時に完了しました。歩いていたのが13時間、休憩が4時間くらいです。
線路自体は約35kmですが、徒歩ルートだと40km以上、今回は外周ルートで、なおかつ道を誤ったり寄り道したりで50kmになりました。
動機
最近街歩きにハマってるのと、丸一日歩くというのをやってみたかったのと、あとは山手線沿線に住んでるのが今週で最後なので締めくくりにやってみようと思いました。
準備
GoogleMapsのMyMaps機能で、あらかじめ徒歩ルートを作ってスマホで見れるようにしておきました。
装備はTシャツ、ハーフパンツ、スニーカー、スマホ、モバイルバッテリー、財布くらいです。日中は日差しもあったので帽子もあったほうが良かったかもしれません。
目黒駅 4:01
それでは各駅間を振り返ってみます。
アスリートが最高の状態でパフォーマンスを発揮できる理想的な気候であるところの猛暑のオリンピックマラソンを午前3時にやるという案もあったので、3時から歩くというのをやってみようと思っていたんですが、この時間だと店が開くまでしばらくかかりそうなので1時間遅らせて4時スタートにしました。
目黒駅は丘の上にあるので、五反田に向かって線路沿いの坂を下っていきます。首都高を渡った先のビルが夜中でもゴウゴウと音を立てていたのが不気味だったのと、線路沿いが軒並みホテル街で夜の街なんだなという印象がありました。
五反田駅 4:14
五反田駅から目黒川を渡り大崎へ。一転して広々とした通りと大きなオフィスビルやタワマンが立ち並ぶビジネス街になります。
大崎駅 4:25
ここまで一駅10分ちょいだったのが、大回りなルートで40分以上かかりました。湘南新宿ラインや新幹線を超え、再び目黒川を渡り、第一京浜から品川駅前へ。
夜が明けてくるとだいぶ汗をかくようになってきて、この時期に運動するならやっぱり夜中がいいなあと感じました。
あとやっぱりマスクしながらだと蒸れるのでつらいですね…。
途中通った住宅街がずいぶんな傾斜の上に建ってるなと思って後で調べたら丘の上に品川神社があり、周りが住宅で覆われてました。
品川駅 5:08
すっかり明けてきました。ゴールドなロゴの品川駅です。
品川駅の次は新設された高輪ゲートウェイ駅へ。駅間が近いので10分くらいでいけそうなものですが、失敗して50分かかりました。なんでかというと東口があるだろうと思って行ったら西口しか無かったからです。
事前に地図見たときに無さそうというのは分かってはいたんですが、外周ルートで進むためには東側を通る必要があり、行けばなにかしら通用口的なものがあるだろうという期待をしていました。
でも行ってみたらそこは水処理センターがあるだけで何もありませんでした。かつてあったアンダーパスも封鎖されていたので、結局品川駅まで戻って西口に行きました。
高輪ゲートウェイ駅 5:56
徒労の果てに辿り着いた高輪ゲートウェイ駅です。
駅前はまだいろいろ工事中って感じでした。
東側に戻るのはさすがに無駄に感じたので、そのまま北上して田町駅手前で外周に出ました。
田町駅 06:29
田町駅の東側一帯は臨海区域の芝浦になってます。
このへんは新幹線やモノレールがよく行き交ってました。
日が昇ってきて東から照りつける太陽が夏の装いです。ただ、ひんやりした海風も感じたのでちょっと海の方に寄り道してみます。
日の出埠頭。
戻って東京ガスのところから浜松町駅へ。
浜松町駅 07:11
浜松町駅の南口通路から庭園が見えました。
南口からは改札を通らないと北側に出られないので、いったん出てぐるっと外周を遠回りしました。っていうかそもそも南口に行かずに北口だけ行けば良かったですね…。
東側を歩くとそこは汐留、シオサイト。ハイソな街並みが広がってました。
新橋駅 07:44
新橋駅といえばSL広場がありますが、あれは西口でした。
東口にも一応小さい模型がありました。
新橋駅といえば立ち食いそば屋のポンヌッフ(フランス語で新しい橋)もあったんですが、どうやら去年末で閉店してたようです。
ガード下の通りを北上して有楽町駅に向かいます。
銀座コリドー通り。
夜は賑やかそうな飲み屋街。
有楽町駅 08:00
有楽町駅。東側は銀座です。
有楽町駅から東京駅へ。
せっかくなので高架下を通ってみます。
東京駅 08:15
到着しました東京駅。目黒駅から東京駅までで全体の1/3くらいかなと思っていたんで、4時間はだいたい予定通りでしょう(高輪ゲートウェイで無駄に時間かかりましたが…)
東京駅と言えば赤レンガ、と思いましたが新橋駅のときと同様に西口でした。東口は全然雰囲気が違います。
東京にお出迎え感のある力士たち。でもよく見ると肌が荒れててゾンビっぽい。
東京駅で休憩しようと思ってたんですが、広すぎて店を探すのも面倒なので先に進みます。とりあえずトイレで顔を洗ったらだいぶリフレッシュしました。
なか卯があったので朝食休憩。
神田駅 09:02
高架下に郵便局があり、その脇に有楽町のときと同じように細い道があります。せっかくだからここを通ります。
神田川を渡り秋葉原へ。
秋葉原駅 09:18
やってきました秋葉原。電気街である西口がメインな感じですが、東口にはアキヨドがあります。
まあなんていうか、分かりやすく秋葉原というのを示すためにキズナアイちゃんを撮る自分に雑さを感じてしまうんですが、そういう雑なところを引き受けてくれるのが数あるVTuberの中でも卓越したシンボル性を確立しているのではないかなと思います。
そのまま北上して御徒町駅へ。
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御徒町駅 09:38
御徒町駅です。9時過ぎてだいぶ人出が多くなってきました。
さらに北上して上野駅へ。
上野駅 09:46
上野駅。せっかくなので西郷隆盛像を撮ります。
歩いてきたので、このくらいの階段でもちょっとしんどい…。
山手線一周はほぼ平坦なので、山登りに比べたらだいぶ楽だと思います。
まあなんていうか、分かりやすく上野というのを示すために西郷隆盛ちゃんを撮る自分に雑さを感じてしまうんですが(略)
上野駅構内。なんか鉄骨造とパンダがユニークだったので撮りました。
山手線東エリアが終わり、カーブを進んで鶯谷駅へ向かいます。
一気にテイストが変わりホテル街に。五反田もホテル街でしたがこっちはさらにディープな感じがしますね。
鶯谷駅 10:17
漢字が難しい鶯谷駅。
駅前の看板なのにものすごいさびれ方をしてます。
西へ進んで日暮里駅へ。
日暮里駅 11:00
さらに進んで西日暮里駅へ。
カオス。
西日暮里駅 11:09
陸橋を渡って田端駅へ。
このあたりは見晴らしが良くて今までの喧騒が急に無くなり、電車が通ってないときにはしんとした静寂さえ感じました。ちょっとした癒やしスポットです。
田端駅 11:27
田端駅北口です。開放的でくつろいでる人もちらほらいます。
後で知ったんですが、田端駅南口のほうは山手線一地味と言える佇まいらしいですが、天気の子に出てくるようです。
次は駒込駅ですが、外周ルートだとここは車両基地があってかなり大回りになりました。正直これはつらかったのでやるべきじゃなかったです。
このへんは整備士の人たちが住んでるんですかね。
歩いているとふわっと草の匂いが漂ってくる広場がありました。後で調べたら中里貝塚という史跡らしく、このあたりまで海だったんだなーと。
中里貝塚は、保存のために埋め戻されています。現地を訪れることは可能ですが、説明板以外に見学可能な資料等はありません。
というわけでまあなんにも無いんですね。
跨線橋を渡って対岸へ。
線路沿いにミヤリサンという会社があり、白い車がずらっと並んでました。こんな細い道を出入りするの大変そう。
民家の脇の階段上に祀られてた不動明王。
新幹線と同じ高さの道です。距離も遠回りですが、ここまで登ってくるのでだいぶ疲れました。
緑に侵食されすぎハウス。
やっと山手線沿いに復帰。
公園から山手線のカーブを見下ろせます。なかなか面白いロケーションだなと思ったら天気の子の設定がこのへんだと教えてもらいました。
坂を下って駒込駅へ。
下ったところにある大きなゴルフボールに目をとられてしまったんですが、ここの前の踏切が山手線で唯一の踏切らしいです(撮りそびれた)。
駒込駅 12:38
というわけで1時間かけてやっと駒込駅に到着。
駅前の公園でしばし休憩。
水分補給は途中自販機で5回位買ったんですが、最初はポカリがいいだろうと思ってたらだいぶ喉が渇くのでお茶と水になっていきました。
これ撮ったときには読んでなかったんですが、駒込というのはソメイヨシノの発祥の地で、このへん緑が豊かに感じるのは昔から植栽が盛んだったからみたいです。
そういえば以前駒込駅に来たときにホームにツツジが咲いてるなと思ったのもそういう土地柄だからなんですね。
とはいえ航空写真で見るとやっぱり都心の密集地域なのでそんなに自然を感じないけど、でも歩いてみると緑のある雰囲気だなあと思います。
線路沿いを西へ進み巣鴨駅に向かいます。
サッカー場が人工芝なのも緑豊かな街だからなんでしょうか。
巣鴨駅 13:06
到着しました巣鴨。おばあちゃんの原宿です。
駅前通りの両岸がアーケードになっていて、屋根にはソーラー発電、屋根からはミストが噴霧されています。
巣鴨の高齢者に向けて、振り込め詐欺防止のメッセージが信金の建物全体を使って描かれています。
せっかくなんでとげぬき地蔵も行きました。わりと駅から近かったです。
駅前に戻って大塚駅へ。
駒込と並んで巣鴨も緑に覆われててなかなか良かったです。
大塚駅 13:48
大塚駅。通り抜け可能な構内にベンチがあり、けっこう人の滞留がありました。
北口は工事中。
南口は広場に沿って都電荒川線が行き交ってました。
西へ向かい、池袋駅を目指します。
ここも外回りルートだとだいぶ迂回した道になるんですが田端のところで懲りたので、なるべく山手線沿いの内側を通るようにします。
線路の先に豊島清掃工場の煙突が見えます。
線路沿いの道が細い。
民家の中に突如現れた煙突。千代田湯という銭湯ですが去年の6月に廃業してしまったようです。
なんだか趣のあるゲート、ツクバネ科学工業。
陸橋の上からもくもくとした雲をバックに、ちょうどスカイツリーが見えました。
池袋~大塚駅間のこの線路の直線上がちょうどスカイツリーになるみたいです。
線路を渡って池袋駅西口へ。
池袋駅 15:12
池袋駅。ようやく残すところは山手線の西側だけです。
いったん休憩。
この時点で36km。もう一息というところですが、30kmを超えてくるとペースも落ちてだいぶしんどくなってきました。
最初は足裏が痛くなり、続いて太ももが痛くなり、30km過ぎると腰が痛くなってきました。これまでは20kmくらいまでしか歩いたことがなかったので、腰が痛くなるというのは初めての体験です。
後で調べたら江戸時代の人は街道を一日3,40km歩いていたわけですが、やはり歩き方が違うみたいです。足裏は踵から接地するし、腕も振らないことで腰を回さないとか。
疲れてきてからは、大きく腕を振って正しい歩き方をしようと意識があったので、それで余計に腰が回転して負荷がかかってしまったのかもしれません。
南下して目白駅へ。
目白駅 16:13
開けた駅前の目白駅。
液晶テレビみたいに薄い!と思わされた自販機。
再び神田川を渡って高田馬場へ。
高田馬場駅 16:31
高田馬場駅。学生街でウェイウェイしてますが、早稲田松竹という映画館が好きでよく通ってます。
西戸山公園。このへんでかなりグロッキーになってベンチに座り、ぼんやりと何語か分からない言葉を話す若者たちを見てました。
だんだん歩くペースが落ちてくると、頭の中はすっかり高齢者の気持ちになってきます。
普段から、歩くのがものすごく遅い高齢者を見かけるたびに、この人はどのくらいの時間をかけてどこまで行くのだろうとか、それでもどんなに遅くても自分の足で歩けるのは幸せなんだろうとか様々な思いを抱いてしまうのですが、今回は逆に軽やかに走る若者たちを見て、遠い感覚になりました。
新大久保駅 16:57
コリアンタウンで有名な新大久保駅。コリアンに限らず国際色豊かです。写真を撮りそびれたんですが、マスクのタイムセールみたいなのをやりはじめて盛り上がってました。
新宿駅 17:25
西口から回って南口へ。
南口のテラスで休憩。夕方の風が心地良かったです。
代々木駅 17:47
なんか空き地を撮ってるカップルが居るなと思ったら、天気の子の舞台の代々木会館跡みたいです。
原宿へは明治神宮を通って行きます。
ここは閉門が18時なのでだいぶギリギリでした。
原宿駅 18:11
新しくなった原宿駅。
渋谷へ向かう通りを歩いていたら、電話しながら歩いている女性が同僚のホステスの悪口を言いまくってて(並走してるのでずっと聞こえてしまう)、ほんとしんどい街だなと思いました。
渋谷駅 18:35
高輪ゲートウェイ駅が明朝体で違和感あると叩かれてたけど、渋谷駅も明朝体だったんだなと改めて思いました。
朝食べてから不思議とずっとお腹すいてなかったんですが、代々木あたりで急に空腹になってきたのでご飯休憩。
運動をし続けていると体のエネルギーを消費し尽くして急にガス欠になるハンガーノックという症状があるため、山登りのときは携行食で補給するんですが、これもハンガーノックの出始めだったのかもしれません。
食べ終えてから銭湯に入りました。
渋谷という土地柄、かなりスラム感ある外観のさかえ湯ですが、中は普通の銭湯です。手ぶらだとタオルは有料で借りるのが普通ですが、ここではタオルも無料で貸してくれるので気に入ってます。
スタートしてから既に半日以上歩き続けてようやく辿り着いた銭湯。これはとても良い体験でした。体中が喜びを上げるようなエンターテインメント性があります。
当初から銭湯でリフレッシュしようとは思ってたんですが、思い浮かんだのがここだったのでかなりゴール直前のタイミングでした。池袋あたりからが特にきつかったので、あのへんで入っておいたほうが良かったかもしれません。
渋谷駅から恵比寿駅へ。
渋谷駅の南西側、桜丘町は現在大規模に再開発していて、道ができたりなくなったりしてます。
昔のオフィスがあったところに寄っていきます。
恵比寿駅 20:38
恵比寿駅です。銭湯入ったりしたのでもうとっぷりと暮れました。
ラスト目黒へ。
せっかくなのでガーデンプレイスに寄って、ここも元オフィス跡を見てきました。
目黒へ向かう三田通り沿いにある日の丸自動車教習所。山手線から見える大きな赤い日の丸オブジェが特徴でしたが、オリンピック仕様で白くなってます。
目黒駅 21:08
そんなこんなでようやく目黒駅に戻ってきました。ゴールです!
写真は全部で1000枚以上撮っていて、モバイルバッテリーのほうもだいぶ消費してました。
足腰がくたくたで翌日には筋肉痛やばいのかなと思ったんですが、これが全くそんなことはなく、あっさり回復してました。激しい運動ではないのでただただ疲れただけというものかもしれません。
新宿手前あたりがほんとにつらくてつらくて終わる見通しが見えないなと思ったり、こんなこと二度とするものかと思ったんですが、今となってみると今度は内周ルートでまたやってみたいなとさえ思います。
昔はてなダイアリーで山籠り生活を目指したものの失敗し、目標を変更して青森から東京まで歩くというのをやっていた方が居たんですが、実際歩いてみると昔の宿場町の間隔が一日歩く人にとってちょうどいいところに存在する、といったことを書いていたのがけっこう印象に残っています。
モータリゼーション以前の土地感覚というのが興味深くて、昔の史料を見ると歩いてみたくなるところがあります。
あとはやっぱりGoogleMapsの3D表示は本当にすごくてしょっちゅう見てます。引越し先を探すときもいろんなところを3D表示とストリートビューを交えて眺めたり、さらに現地に行って歩いてみることで土地のイメージを捉えていきました。
今回は一日で歩ける距離感覚というのが分かったので、地図を見るたびにここからここまではこのぐらいのつらさで歩けそう、という感じになるんだなと思います。
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