多摩が気になりすぎて歩いた
仕事がフルリモートになり4ヶ月。自宅作業による運動不足や仕事部屋ほしさから今よりも環境の良い物件を探していたところ、どうにも多摩が面白そうだなと思うようになりました。
水曜日:始まり
思ったのはほんの数日前。水曜の朝からです。
なんとなく多摩あたりの物件を見てみたらけっこう相場が安いし、さらにレビュー記事を見つけて読んでみたらこれはリモートに適してそうだなーと。
気になるので早速その日のうちに多摩(正確には隣の稲城市)に行ってみました。(ちょうど休みを取っていた)
GoogleMapsで下調べはしていたけれど、やはり実際歩いてみないと町並みを実感できないので、気になるところを10km弱歩いてみました。
緑が多く、道が広く、そして…人が居ない。だけれども寂れてる感じはしません。手入れされている町並みです。これは求めているものだという気がしました。
そしてその足で不動産屋に行き、条件に合う物件をいくつか内見しに行きました。
木曜日:契約
帰宅して写真を見返していたら、翌日朝にはもう契約したくなってしまったので、しました。
昨日まで多摩について全く知らなかったのにさすがに性急すぎるのでは?とも思いましたが、フルリモート体制になってから引っ越しを検討していて他の土地にも内見に行ったりしていたので、そこと比較しても今回のはさまざまな条件が納得行くものだったので、決めてしまって良さそうという判断です。(そのへんの話はまた改めて書きたい)
金曜日:学習
すっかり多摩に取り憑かれてしまい、多摩ニュータウンについて調べてました。ニュータウンというのは大規模に計画して作られた都市なので、自発的な町並みとは違って地区にコンセプトがあるわけです。(と、知った)
情報としてはここのwikiがよくまとまっていました。「なるほど、この地区はこの施主が計画してこの時代だからこういう特徴が…」という町並みの成り立ちについてGoogleMapsを見ながら延々と眺めてました。
土曜日:実践
そして気づいたら中二日でまた多摩に来ていました。いや、気づいてはいましたが。
多摩ニュータウンでも稲城は端の地区なので、やはり多摩オブザ多摩、多摩センターに行くべきだろう…という使命感があったのです。
特に冒頭のココロ社さんのコラムで紹介されていた車道と交わらない遊歩道は稲城までは繋がっていないということが分かったので、一度歩いてみようと思いました。
ウォーキングマップは多摩センター駅にある市役所の出張所で言えばもらえます。(調べた)
さて、GoogleMapsを3D表示にして見ると、さまざまに特徴のある団地が並んでいるのが分かります。
多摩センター周り全体でこんな感じです。区分けされたエリアごとに特色があり、なんとなくディズニーランドのようじゃないでしょうか?
(ほんとに?)
多摩センター駅から南方面にはパルテノン多摩に向けて大きな通りが広がります。まるでエントランスからシンデレラ城を望むディズニーランドと似たような体験性です
稲城に行ったときに比べると、休日ということもありますが駅前の賑わいはすごい人出に感じられました(写真ではそうでもない気がしますが…)。奥に見えるピューロランドは閉園中なので、営業してたらもっと多いのかもしれません。
しかしパルテノン多摩の大階段のあたりでは急速に人が減ります。さすが階段の威圧感。
階段の先は公園になっていて、そんなに人も多くなくのんびりしてました。
公園の一角に古民家があったのでちょっと覗いてみたら、わりとしげしげと感じ入ってしまいました。
このところ物件を探していて、和室なんて全部フローリングにしてしまえばいいのにという想いがあったので和室本来の機能性を知りたかったわけです。
そうして実際古民家に入って佇んでみると、襖や障子、床の間で空間レイアウトをコントロールできるのが日本家屋なんだなーという印象を受けました(でも現代ハウスにはそんな機能無い)。
最初の公園を抜けるといよいよ住宅街です。
どこも緑が多く、見える景色がさまざまなのでいい感じです。
都心でも暗渠の部分はこういった緑道になってたりしますが、やはりすぐ車道と交わってしまうので、こういう歩行者専用道がずっと続く体験は実に良いものだなと感じました。
車道と交わらない仕組みが陸橋です。
普通の歩道橋だと階段の上り下りが大変ですが、元から歩道と車道が高低のレイヤーが分かれているため、平坦なまま進めます。
歩道が下側になるところもあります。
そして所々に公園があります。ありますというかもはや公園の中に街があるようなもんです。人が居ても数人だったり全然居ないこともありました。スペースが広いしいろんなところにあるから密になりにくいのかなと。
現在住んでいる目黒にも少し歩けば大きな森林公園がありますが、やはりこぞって人が訪れますし、公園に行くまでの道のりは散歩ではなく退屈な移動に感じられます。そういったオンオフの切り替えではなく、バキで言うところの常在戦場のような、どこにいても散歩に臨んでいる感覚を提供してくれるのが多摩なんだなという感じがします。
まとまって人が居るのは部活の少年たちくらいです。
団地の南端から幹線道路を渡ると森になっていて、その中を歩く道があります。
狭い区間ですが、両側に柵があってわりと山道っぽい感じ。
ふと脇を見ると猫が居て、こんなところに猫?と思ったら、のそのそと降りてきました。
ずいぶん人馴れしているようですが、この先の丘はけっこう人気で人が行き交うので、餌付けされてるのかもしれません。どうでもいいですが猫を撫でる男性という姿はゆうちゃん事件を思い出して犯罪感があるのでよくないなと思いました。
丘の上。ちょっとどんより。
団地の方に戻っていきます。
このあたりは1971年に多摩ニュータウンで最初の入居が始まったところのようで、それからほぼ50年、実に半世紀も経っています。以前、東新宿の戸山ハイツという団地に行ったこともあるんですが、あそこも同時代のようで高齢者向けな店が並んでいました。
このへんは歩道を挟んで昔の中層建築と、取り壊して数年前に建て替えたものが並んでます。
正面に広場のある団地。
ここは地域のスーパーもあって、遊ぶ子供や買い物客で賑わってました。焼き鳥屋台の車が尋常じゃない感じで良かったです。
立体的な交差点。
各所にある陸橋は、いろいろ特色づけているような感じなので見て回るのも面白いかもしれません。
多摩NTの橋ぜんぶ撮影プロジェクト
https://ricebowl2.exblog.jp/i13/
人気がなく、銘板もついてない学校。でもグラウンドで遊んでる声がします。後で調べたら廃校になったそうで、ピーク時に比べたらそりゃ減るだろうなあと。ここは取り壊さずに交流スペースにする方針らしいです。
歩いていたら森にさしかかり、森の中に建物が。これも団地らしい。
なんとなく温泉地のような丘の上の佇まい。あそこも団地。
ここの緑地、小さくて特に何もないんだけど、まああらゆるところに緑地を用意してるぞという感じがあります。
線路沿いのこの森も、ただの森に見えるんですが、行ってみたら公園でした。
公園から線路上の橋を渡ると北側には愛宕地区の団地が広がります。
日が暮れてきたので駅に戻りました。
日曜日:振り返り
写真を振り返ってこの記事をまとめました。
そんなわけで多摩センターから永山のあたりを巡ってみたわけですが、しかしまだまだ多摩ニュータウンの一角を歩いただけなので、いろいろ足を伸ばしてみたいところです。
そういえば普通の住宅地との町並みの違いってなんだろなと思ったんですが、緑が多いのはもちろんですが、電柱が少ないことと、あと歩道に自販機が無いというのが大きいような気がします。
歩いてると暑くて喉乾くので水分ほしいわけですが、自販機…なかなか見当たらなかったです。単純に業者の車が乗り入れにくいからかもしれません。コンビニも新しく建て替えられた団地にしかありませんでした。
でも逆に言うと、いかに巷が自販機やコンビニで無秩序に埋め尽くされているか、ということではないかと思いました。もはやそれこそが日本らしい情緒ある風景という印象もあります(あつ森に電柱や自販機があるのもそれが日本らしさだからだと思います)。
景観のために電柱を無くすという話は良く聞きますが、コンビニや自販機もわりとノイズなのかもしれません。いやもちろん便利なんですが、わりとそういうのに疲弊してしまったから多摩が気になったのかなあと…。
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