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レッジョエミリア公式展覧会「もざいく」レポート2023/5@金沢21世紀美術

レッジョエミリア市は幼児教育の展覧会を、10年に一度くらいやっているようです。このたび、渉外を担当する公式団体である「レッジョチルドレン」が2015年に製作した最新作「もざいく」が、日本上陸。開催は5か国目、日本全国巡回は11年ぶりとの事です。

ミヤオも新潟→金沢 弾丸ツアーで行ってきました。バス乗車10時間、滞在5時間だけどイタリアより近いからよし!

会場は演劇用の小ぶりな劇場。
パネル展示/映像上映/おえかきコーナー/地元こども園による展示
で構成されていました。親子がひしめいていました。

白い画用紙の代わりに様々な質感の素材。子どもに人気が高いのは透明フィルムだそう。絵を重ねて遊べるから。
自由おえかきコーナー

どんな素材にも描けるように、水性油性問わず、多様な画材が取り揃えられています。

太くて短いのはベビーにも扱いやすそう。
折れにくそうなデカい色鉛筆
ねりけし、デッサン用の木炭、でっかいのもパステル?

0歳くらいの子どもが、いろんな画材を試す様に熱心に描き込んでいて、大したもんだなぁ、と。子どもはためらいやおそれがない。

しかし「さぁどうぞ、自由に描いて!」では固まってしまう人もいるかと思います。

レッジョの教師は
「暗闇に灯りをつけよう」
「黒と白のお話を作ろう」
と声掛けするそう。

おぉ、たしかにそう言われると
真っ黒な紙になにを描けばいいのか、色があり過ぎてどの色を使えばいいのか、困りません。

そういう気の利いたフレーズは、子どもたちの会話のテープ起こし(ドキュメンテーション)から引用していると、20年前の本に書いてありました。(ミヤオはねちっこく読んでます!)

瓦や石に、筆と水で描いてみるコーナー。どんな素材がよく絵が出るかな?
箱状のライトテーブル。自作の参考になりそう。

展覧会で毎回定番のOHPも出てましたよ。葉っぱのついた枝をかざすと複雑な模様が壁一面に拡がり、それだけでなんだかサマになります。


造形作品の画像はすべて、金沢市内の園によるものです。
(レッジョ市内の活動の様子は撮影禁止でした)

異素材の組み合わせで作った、バッグやアクセサリー、お弁当など
畑の野菜(にんじん)とねずみ。池も見えます
伝統工芸、土人形(焼かないタイプもある)星陵幼。
全てカエル。滲み出る人間味。あおむけのヤツもいる。

多様な素材を組み合わせて。地域の伝統工芸も取り入れて。

リースにフクロウが。クロスステッチも園児作品。まことこども園
黒背景に白い毛糸を掛けて図案にする。段ボールを黒く塗り、切込みをいれたもの。
野外で草木の実を潰して作るデカルコマニー。
その後お部屋で物語に仕立てる。
押し花と落ち葉・小枝のスタンプ
桐箱にたけのこの皮。墨汁。
(これ園に何台あるんだろう・・・クラス人数分、あるのかもしれない)
折り紙のガーランド。0歳児の油絵もあった。
本物をかたどりしたのであろう、実物大自画像!

光と影と色彩、色の重なりや並びを意識した展示法は、やはり目を惹きます。場の空気まで変えてしまうような演出力があります。

ひととき日常から離れてハッとしました。すごいね、こどもの作品だよ?



新潟でもやりたい!って関係者っぽい人に聞いてみたんだけど・・・

金沢会場は地元の幼保こども園が開催費用&講師料を自分達で負担して、自分達の研修目的で呼んだそう。(ネットワーク力高い!)
でその請求額がすごい額。JIREAがとる講師料が”世田谷物価”でしたわ・・・。

あと会場全体、アバンギャルド要素は皆無でしたね。←北イタリアにアバンギャルドを期待するミヤオ

ご当地北イタリアはハイブランドのメーカーが集中する高所得街ですが、それでいて社会運動の機運も高いらしく。これはもう、日本じゃ想像がつかない。是非イタリア・レッジョエミリア市へ現地視察に行きたいものです。
その時はマネスキンのライブもあったらいいなぁ

きっと私の知らないアバンギャルドがそこにあるはず!

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