ウクライナ情勢で考える今後の世界情勢

日本時間で12日午前中にはバイデン大統領がウクライナに滞在する米国人に対して退避を促した。

12日22時半には日本の外務省もウクライナに滞在する日本人に対して退避を促した。

なぜこんなことになったかを述べていくとなかなかに根深い。
簡単に言うとロシアが欧米側にすり寄ってるウクライナが気に食わず、ウクライナと欧米側を威嚇した結果ということらしい。

ウクライナがロシアと揉めることになった詳しい経緯は下に書いておく。
細かい話はどうでもいい人は読み飛ばしても良い。

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◎ロシアとウクライナの対立の経緯

歴史を振り変えるとウクライナは旧ソ連の構成国だった。
旧ソ連解体後は経済難でEUに入れてもらって助けてもらおうと協議を行なっていた。
だけども、経済がうまくいってない故に統合してもらう難しさもあり、当時の大統領がひとまずの経済難をなんとかするため、元々親分だったソ連を前身とするロシアに頼ろうとした。
EUに加盟せずにロシアに頼ったことにブチギレの国民は暴動・デモを起こした。
これにより2014年2月にロシアに頼ろうとした大統領の政権が崩壊、新たに親欧派政権ができた。この新欧派の動きはアメリカも支援したらしい。

事態はまた一転する。

2014年2月下旬に欧米派にウクライナが傾いたことをよく思わないウクライナ内のクリミア半島の方々がブチギレ。
なぜウクライナ内のクリミア半島の人々がブチギレたかといえばどちらかというとロシア側の人たちだからだ。歴史上、旧ソ連内のロシア共和国領とされたクリミア半島は友好関係のためにウクライナに渡された経緯のある半島でもあり、今のロシア側の土地から入ってきた人が多い。歴史的にクリミアとロシアの親交も厚い。

クリミア半島の人々がブチギレたのと同じく欧米派についたウクライナをよく思わないロシアも介入。
突然の介入でアメリカ手を出せず、これによりクリミア半島内のウクライナ陣営を制圧。
ウクライナの領土になっていたクリミア半島はクリミア共和国として独立、その後クリミア共和国の住民投票の結果、クリミア半島はロシアに併合された。

その後、ウクライナはどうなったかというと東と西で割れ泥沼化する。ウクライナの東はロシア側、西は欧米側と言う位置的関係からそれぞれに擦り寄っていったっぽい。

時をさらに戻すと1992年代の冷戦終結後のソ連解体時にソ連の西側に位置してた国は「EUに入りたい!NATOに着きたい!加盟申請します!」という一大ムーブメントが起きたらしい。

但し、EUやNATOの欧米側は冷戦終結前にソ連に対して「冷戦終わろうよ、ソ連の西側の国を欧米側取り込まんからさ」と説得してたらしい。このこともありロシアを刺激してまた対立の火種を作ることを避けるために旧ソ連の西寄りの国達の受け入れには消極的だった。

1990年代末期に入ると欧米側はその姿勢を崩して、徐々にポーランドやらチェコやらスロバキア、ルーマニアとかブルガリアとかの旧ソ連西寄りの国をNATOに受け入れる動きを見せた。

徐々に旧ソ連西寄りの国々が欧米の傘に入っていく。ロシアとしては言ってたことと違うだろと怒る。

そしてついに、ロシアの隣西に位置するウクライナも「NATOに入りたい」と言い出す。

ロシアとしてはウクライナはすぐ隣にある最後の砦なわけで、そこまで譲るわけにもいかない。

アメリカもさすがにそこまで手を出すのはやばいと思ってNATOには入れずに軍事演習する程度にしてた。

それでもやはりクリミア半島を取られてるウクライナからしたらロシア側に尽きたくもなくお互いどんどん対立。西寄りなウクライナに対してロシアは納得できず天然ガスをやらんとか、ウクライナはロシアとの友好条約を破棄するとか仲の悪さが極まった。

2021年ごろにはウクライナは欧米側に更に傾いて、バイデンから武器もらったり、EU入りの準備を始めた。

これにロシアのプーチンがブチギレ。
NATOに対して「一線を越えるな」と警告した後、ウクライナとの国境沿いに10万ぐらいの露兵を置いた。

プーチンとしては「ウクライナだけは欧米側に渡せない」の考えの元、威嚇として緊張状態を作りたかっただけかもしれないけど、欧米側が引かない限りはそこに兵置き続けるスタイルの模様。

欧米側とウクライナにしてみれば、「ロシアはクリミアと同じようにウクライナに攻め込める盤面でもあるじゃん、あぶねぇじゃん」ということで危機感を高める。

その後アメリカは危機感を募らせるだけでなく「ウクライナ取ろうとするロシアは許せん。プーチン下がれ。下がらんなら俺たちもウクライナ支援するぞ」となった。

ウクライナとしては「クリミアの二の舞になりたくない。自分の国を守るために俺たちは戦う」と市民兵を作り上げて、欧米側から支援してもらう。

そうして今に至った。


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俺個人としては今までの欧米側とロシアのウクライナに関する流れを見る分に、プーチンはおそらくウクライナをロシアにしたかったわけでなく、ウクライナをNATOには加入させたくなかっただけだったと思う。
つまりはロシア寄り陣営としてそのままにしておきたかっただけのようにも思う。

実際のところはわからない。

実際はロシアが考え方を変えて欧米側が引かないならウクライナを取りに動くという意向になったのかもしれない。

実際はロシアが兵を固めているのは威嚇のためのみで、アメリカがウクライナに対してロシアが攻めてくるから軍備固めろと戦火を煽ってただけかもしれない。

実際はウクライナのNATOに入りたいという思いがある上、アメリカの軍事のすごい人たちが分析してきた結果、ロシアがウクライナを攻める可能性が高いから、アメリカとウクライナが手を組んでロシアと戦うために動いてたという話かもしれない。

歴史を見るにロシアはウクライナを欧米側には行かせないという動きから、いつのまにかメディアではウクライナがクリミア半島のようにロシアに取られるかもという報道にすり替わってたように見えた。


滞在国民の退避勧告を最初見た時はアメリカが本気でロシアとやる気になった故かと思った。

でも、よく見るとそれは違った。
「ウクライナに滞在するすべての米国民は退避するべき。相手はテロ組織ではなく、世界最大級の軍隊だ。事態がいきなり制御不能な状況に陥ってしまう可能性がある。」
「ロシアがウクライナに侵攻した場合にウクライナに滞在する米国民を退避させるために米軍を派遣する考えはない。派遣すれば米国とロシアが撃ち合う世界戦争になる」。

何かのきっかけで戦争となるような状況を避けるためという理由が全てだった。そのための退避勧告の上で、米兵をウクライナには派遣しないという発言もした。

最初はビビったがよく記事を読んで安心した。


今後アメリカがウクライナから手を引いたということはどういうことになるのか。

ロシアが本気でウクライナを取ろうとしてたならそのままウクライナはロシアになる可能性がある。

ロシアが威嚇しか意図しておらず、欧米側がウクライナのNATO取り込みを諦めたのならば、ウクライナはウクライナのままでいられる。

2021年、アメリカがアフガニスタンから撤退してタリバン政権になったけれども、どうしてもその流れと重ねて見てしまう部分がある。

アメリカがウクライナ情勢から手を引いたとも言えるし、ウクライナがロシアになるというケースも充分あるんだなと思える。

バイデンはロシアを刺激しない方向を選んだものの事態としては今も終わりきったとは言えず緊迫してるだろうし、今後1ヶ月がどうなるのか。バイデンが考えを変えてウクライナに米軍派遣をし始めたら戦争になるだろうし、ロシアが瞬時にウクライナを取り込むかもしれない。予断は許さない展開にあると感じる。

中国との新冷戦に本格対処したい米国としてはロシアと揉めれば台湾がその隙に取られかねないというのもあるのかなとは思った。

中国と台湾問題で同じようなことになった時にバイデンはウクライナと同じやり方になるのかも気になってる。

アメリカとしては中国をこのまま放置してれば経済的に中国に覇権を渡してしまう。
とはいえ、中国が台湾を統一するために支配に動かない限りはアメリカも軍事的な介入は何もできない。そもそも戦争讃歌の無い今の世の中でどう軍事的にふっかけるのかという問題もある。

だから、中国と米国が軍事的にやりあうのは難しい。実際かなり緊張状況にあるけど、どうする予定なのか全く予想できない。そのまま何もなければ米国は中国に一時的にGDP抜かされると思う。

どっちにしても、結局中国は人口問題でいずれまた経済的に衰退していくという見方もある。
中国はアメリカを滅ぼさない限り、元をドルに代わる基軸通貨にはできないから、本当の意味での経済の覇権は取れないという見方もできる。

そういう超長期的目線に立って何もしないアメリカというのもあり得るのかもしれない。

あとは金融危機起こして道連れにしてボコすぐらいしか検討がつかない。

中国が台湾支配を目的に動き出したらその時はアメリカはまた大きく動くと思う。

今回米国は国際の長期金利を数十年ぶりに大幅に引き上げる決定をしたが、ドル高になることでアメリカとしてはモノが買いやすい状況になった。

物価高に対応することが目的らしいけど、それが実は戦争のために軍拡するための材料だったなんてことにならなければ良いなと思う。

どこかで昔戦争前は軍備を整えるために経済環境を整えるというのを見た覚えがある。

いずれにせよ、今後も物価安定しなさそうだし、経済も金利上昇やら米中摩擦で荒れるだろうとなと思う。

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