足跡を残すために足跡を作る
初めまして、つづみです。
これを読んでいる方は「足跡を残す」という言葉をご存知ですか?
生まれたからには後世に何か残すことがしてみたいのは人の性。
しかし、私には両手で柿ピーを振り分けるくらいしか特技がありません。
こんな私でも何か偉業を達成して後世に残るようなことができないでしょうか。
ヒントを求め、実際の足跡を見にいきます。
子供の頃は地面との目線から近いからか自然と見ていた気がしますが、大人になってから足元をこんなにしっかりみるのは物を落とした時か転んだ時くらいかも知れません。
しばらくの間じーっと地面に付いた足跡を見ていていると、こんなことを思い始めました。
なんか足跡の模様って地図に似ているなぁ
例えばこの足跡のかかと部分
湖の周りに家があるように見えませんか?
他にも、この足跡は
碁盤の目のように張り巡らされた道路に四角い住宅が立ち並んでいるように見えたり。
このように地面に出来た足跡を1つ1つ見ていくと、それぞれ違う土地の地図を見ているようです。
自分が歩いたところに地図ができる。そう考えるとただ歩くだけでも偉大なことをしているような気がしてきます。
・・・足跡で地図を作れば文字通り足跡を残せるのでは?
才能がない私でも何か足跡を残せるとしたらこれくらいでしょう。
というわけで靴底を作っていきます。
地図を作る
まずは土台となる靴を決めます。
靴棚の中を漁り、普段使っていなかったこちらのサンダルにしました。
ちなみに靴底の模様を見てみると
ワニの王様がいました。
このサンダルを紙に乗せ油性ペンを使って型を取ったら。
スキャンしてパソコンに読み込み、ソフトで線を清書して綺麗にします。
この輪郭に合わせて地図を書いていきます。
ということで、足跡にする地図を探したのですが。
実際の地図で作っても、それはすでにあるものを足跡にしただけ。
本当に「足跡を残す」のであれば、まだ誰も見たことない地図を作るべきではないか。
ということで、今回は自分で町を考え、それを元に地図を作ります。
とは言ったものの、何も考えずに書き始めると、そもそも地図に見えないという本末転倒になる可能性もあるので最初に大まかな設定を決めます。
何となく自分だったらどんな町に住みたいかを考えて出たのがこちら。
そして、これを元に作った地図がこちらです。
つま先には山が、踵には海がある自然豊かな町です。
靴と靴の間は本来何もないのですが、地図的には川が流れており2つの地区を結ぶ橋がかかっています。
今回は実際に足跡にするため、形が潰れないよう路地は書かず、建物も大きめに書きました。
所々ツッコミどころはありますが、とにかく地図ができたのでこれを元に実際の靴底を作っていきます。
靴底を作っていく
調べると、一般的に靴底はの部分はラバーやPVC(ポリ塩化ビニル)、EVA(エチレン酢酸ビニル)などの材料を金型に入れてプレスし整形したものを接着剤で付けていくそうです。
ですが、私にはそんな技術はないので今回は発泡スチロールで作ります。
初めに先ほどの地図をパーツごとに分けたら、
これを印刷して一つずつ切り出します。
両足とも切り終えたら一旦手を止めて、ホームセンターに必要な材料と道具を買いに行きます。
関係ないですが店内をウロウロしながら必要なものを探していると「しんべー」と「しんちゃーん」が売られていました。
そんなことがありつつ、買ってきたのはこちら
デカい発泡スチロール
発泡スチロールを削るやつ
両面テープ
接着剤
しっかり足跡をつけるため、発泡スチロールは少し厚みのあるものを選びました。
必要なものが揃ったのでまずは先ほど印刷した紙に合わせて発泡スチロールを切ります。
しかし、ここで気がついたんですが買った道具だと高さが足りず全然切れませんでした。
実際に使ってみるまで、そんな事を1ミリも考えなかった自分になんかウケました。
結局、家にあったダンボールカッターを使って線に沿って切りました。
切り出した発泡スチロールに紙を乗せてパーツの型を取ります。
形に合わせて切り出して
紙やすりを使って形を整えるのですが、
喉がイガイガして咳が止まりません。
写真でもわかるように削るときに端切れ部分や粉塵があちこちに飛散しています。
これを吸い込んだせいで咳が出たようです。
なので、再びホームセンターに駆け込み新たにスチロールカッターを買ってきました。
これは刃先に熱を通して発泡スチロールを溶かしながら切っていくので
このように粉も出ないし、力を入れなくてもスーッと切れます。
気を取り直して、型に沿ってパーツを切り出していったら1つずつ大きさや隙間が狭くないかを台紙に乗せて確認しながら調整します。
全てのパーツを切り終えたら接着剤で台紙に貼り付け
1日乾燥させたら台紙の裏側に両面テープを貼って、
慎重に靴底に合わせれば
靴底が完成しました。
照明の色をビビッドにして撮影するとオシャレな厚底靴のようにも見えます。
ちなみに、家に照明がなかったので『アイカツ』のライブで買ったペンライトで照らしたのですが
靴を応援してるみたいになりました。
ここまで、なんだかんだ丸2日かかりました。
すでに満足感はありますが、今回はここからが本題です。
靴を履いて地図を作れるか確かめてみましょう。
実際に試す
実際に試すため外に出たところ、青空にホチキスを止めている雲がありました。
何か不吉なことが起こる前触れのようにも思えますが、見ての通り天気は良いので実験場所へと向かいます。
というわけで公園にやってきました。
ここなら虫は多いですが人は少ないので撮影するには最適です。
それでは早速、足跡ができるか試したいのですが、今回は足跡が綺麗に見えるようにこんな物を用意しました。
珪藻土バスマットです。
実際に使っている方も多いと思いますが、このバスマットに濡れた足を置くと、瞬時に水分を吸収し跡が残ります。
これを地面の代わりにして足跡をつけます。
他にはバーベキューなどで使うデカいトレーを用意しました。
これに水を入れて擬似的な水たまりを作ります。
これで準備ができました。
試しに手に水をつけて珪藻土を触ると。
こんな感じで濡れた箇所に跡が残ります。
靴底を濡らして珪藻土の上を踏めばしっかりと跡がつくはずです。
最初は右足からやりましょう。
靴を履いたら、
靴底を水につけ
少し足首を振り、つき過ぎた水滴を振り落とします。
片足で横移動してポジションを定めたら、珪藻土の上にゆっくりと足をおきます。
跡が均一になるよう足に体重をかけて調整
足を離していきます。
跡ができている!
潰れている箇所もありますが、きちんと足跡で地図ができています。
続いて左足も試しましょう。
つま先の方は消えてますが一つ一つの形は結構はっきり分かります。
最後に両足で挑戦します。
濡らした靴底で珪藻土を踏み前後に傾きながら足裏に体重をかけます。
しかし、これが思ったより難しく片足では珪藻土に付けない方に体重をかけて調整できていたのが両足だと力加減が上手くいかず形が綺麗に残りません。
何度か挑戦し、最終的にできたのがこちら。
足跡がはっきりと見えます。
上から見ると
左足の細かい部分は少し潰れてしまっていますが、右足はほとんど形が潰れる事なく綺麗に足跡ができています。
最初に作った地図と比べるとこんな感じです。
右足の踵部分にある港がカーリングストーンのような形になっていますが、それはそれで可愛いので良いでしょう。
最初は思いつきで始め、靴底を作るのに1つ1つのパーツの形を整えたり、綺麗な足跡をつけるのに苦労しましたがなんとか形にできて良かったです。
これで私も文字通り「足跡を残す」ことができました。
しかし、季節は真夏。
足跡が残るのはわずかな時間です。
ん?さっき足跡が消えたところから何かが浮かび上がってきている?
はっきりと何か文字が浮かび上がってきました。
なんて書いてあるんでしょう。
読みにくいけど税金ドロボーと書いてあります。
どういうことだ?
こちらは純粋な悪口です。
少し古めの煽り文も。
???
上から見ると悪口しかない『Angel Beats!』の次回予告みたいになっています。
どうしてこんな不思議なことが起きたのか。
まさか私が地図の足跡を残したことで本当の住民が住むようになった?
にわかには信じがたいですが、何はともあれ、このままにしておくと更に悪口が増えていきそうです。
こうなったら
水をかけて黙らせましょう。
水をかけて文字は消えたのによく見ると真ん中の部分だけ円状に乾いてる。
なんかシミみたいのも出てきました。
まさか、また悪口が?
いや、でも文字ではなさそう。
なんか人影のようなものが浮かんできました。
これ、何か見覚えがあるような。
・・・もしかしてあれ?
私は急いで家に帰り、ある言葉を検索しました。
出てきた動画を再生して答え合わせをします。
やっぱり、オープニングでスポットライトの中に落ちてくるミスタービーンだ。
でも、どうして?
私はその理由を求め夢中になってミスタービーンの動画を見ました。
そして、いくつもの動画を通して世界的なコメディアンである彼の姿に私はある答えを見つけました。
足跡は今の行動の積み重ねで残すもの、という事を。
そのことに気づいた時、部屋に置いていた珪藻土バスマットには、こちらに優しく微笑むミスタービーンの跡が残されていました。
・・・記事のオチってこんな無理矢理してまで必要ですかね?
まとめ
皆さんも足元を観察すると今まで気づかなかったことを発見できるかも知れません。
しかし、下ばかり向いて歩くと目の前の人や物に気づかず私のように怪我をするかもしれないのでお気をつけてください。
それでは。
このくらいのオチがちょうどいい。