【日記】江ノ島で生しらす丼を食べるイベント(親愛度上昇なし)

・生しらす、めっちゃ好き。

・幼少期に祖父に連れられて漁港みたいなところに行ったとき、めっちゃ美味かった記憶がある。多分それがファーストインプレッションなので、かなり好印象から生しらすとの付き合いが始まっている。

・とはいえ普段なかなか食べられるもんじゃないのでたまに冷凍のを食べて美味しラスねぇとか思っていたが、やっぱりちゃんとしたの食べたいという欲が大きくなってしまった。

・かくして江ノ島に来たのであった。

・初めて来たな。湘南のデートスポットという印象が強いから縁のない場所だと思ってた。まあ今日に限っては俺と生しらすのデートなんですけどね(笑)

・人が多いと嫌なので平日に行ったのだが、そもそも湘南のカップルたちに平日ちゃんと働くなんて概念があるはずもなく、全身真っ黒の男女が犇めき合っていた。あと普通に学生もいたな、学校行けよ。

・なんか海とか神社?とか色々あるらしいけど一切興味ないので食事処を探した。というか探さなくても至る所にあるのでびっくり。やはり観光地なのでほとんどの店に生しらすの幟が立っており、それ以外にも魚や牡蠣といった海産物が目白押しだった。

・写真撮っとけばよかった。

・ただこうなるとどの店に入ったらいいのか分からない。パッと見て回ったけど20件から30件くらいある。どうやってこの中から「正解」の店を見つけようか。

・少し考えたけど、大通り沿いにある普通の店に入った。なぜなら暑かったから。こういう観光地ではメインストリートにあるいかにも観光客向けの店より、ちょっと奥にある地元の人向けの店の方がリーズナブルかつ美味しいという自論があるのだけど、めちゃくちゃ観光客のいるところに入った。なぜなら暑かったから。

・冒頭の写真からわかるとと思うがこの日の天気は快晴。大勢の熱気も相まってかなりバテていた。もう店選びのノウハウとかどうでもいい。エアコンの効いた店舗で冷えた水道水が飲みたい。

・というわけで入店した。表で「今朝水揚げされたしらすあります!」と歌っていた生しらす丼を注文。1200円くらいだったかな。

・で、来たのがこれ。

・うまそう!

・実際美味かった。しらす自体は僕が知ってるものより一回り大きく、食べ応えがあった。普段食べてる冷凍のやつだと少なからずじゃりっとした小骨の食感があったりして「ああ魚を丸ごと食ってるなぁ」と思うのだけど、そういうのが一切ない。めちゃくちゃ柔らかい。新鮮ってこういうことか〜

・あと意外だったのは温度。冷凍のやつって解凍して食べるからかなり冷たくて、さっきまで凍ってたことが容易に想像できてしまう。でもこれは今朝取れたやつだからそんなに冷たくない。ぬるい…とまではいかないけど、ちょっと驚くような生っぽさがあった。

・とはいえいい点だけじゃなくて残念な点もあった。単純に量が少ない。産地に来たんだからひゃあ山盛りでもう食べられないペポ〜となりたかった気持ちが少なからずあって、普通にさっと食べたら終わっちゃったのが残念。あと周りにかさ増しで乗ってる海藻とかにんじんは全然美味しくなかったので撤去してほしい。いらん。バーター出演すな。

・あとお味噌汁もマジで適当だった。牛丼チェーンと大差ない。

・衝撃だったのはこれ。なんかおまけでついてきた塩辛みたいなやつ。

・うっっっっま!!!なにこれ?!?!しらすの旨味をぎゅっと煮詰めたみたいな味。メニューをみると「生しらすの沖漬け」と書いてあった。

・沖漬けというだけあって、海の上で取れたしらすを速攻で醤油だれに漬け込むらしい。普通の生しらすより保存が効くし、何よりめちゃくちゃうまい。全然知らなかった〜と思ったら割と近年始めた名産品らしいので是非応援したいな。でも全然その辺のお土産屋さんでは売ってなかった。買いたかったのに。


・てな感じで生しらす自体はめっちゃ美味かったし新たな食べ方も知れたのだけど、メニューとしての満足度は70点くらいだった。生しらすと米以外全部蛇足。不完全燃焼。退店。



・ちょっと高台の方に登ってみた。江ノ島の土地としての面白さは自然の詰まり具合にある。海がよく見えるな〜と思ってちょっと振り返ったら

・めっちゃ山。面白い。マイクラの地形みたいだ。

・いかんせん不完全燃焼なんで(押韻)、無意識に他の店舗を見てしまう。こっちの店の方がよかったかな…とか思いつつ山を歩いてると、なんかもう一杯行けそうな気がしてきた。

・試しに大通りを離れ、裏の方にある地元向けの店を探すと、いかにもいい雰囲気の店を見つけた。

・ごてごてしていない外装に、こぢんまりとした看板。しかも、外のメニューには「おにぎり」もあった。このパターンは米に自信あることが多い。品数は多過ぎず、ひっそりと生しらす丼の名前を見つけた。

・これは入るしかないじゃない…

・中は思った以上に狭く、なんとテーブル席が2つしかなかった。駅のホームの待合室の方が広いぞ。ぼんやりとしたオレンジの照明、厨房というよりキッチンというような調理場。そして店には誰もおらず、老夫婦が2人で切り盛りしているようだった。

・すごい、ここまで「隠れたアタリの店」の条件満たしてることある??

・早速生しらす丼を注文。

・すごい…さっきとは打って変わって余計なものが一切ない。ご飯と生しらすと薬味、そして味噌汁。よほど自信があるに違いない。

・丁寧に盆を運んできたおじいさんが食べ方の説明をしてくれる。おすすめは三杯酢をかけるらしい。なにそれなにそれ、また新しい扉開いちゃうの!?

・いややっぱり1店舗だけで帰らなくて正解だった!こりゃ〜リピ確定の店見つけちゃいましたわ!!!まったく自分の才能が怖いっつーのwwwそんじゃ頂きまーす!!!!





・つめたっ






・え?

・すげー冷たい。あとなんか、じゃりってする。







・そんなことある?

・ここまで雰囲気で上げといて落差が凄すぎる。もう内装も老夫婦も何の意味もない、ここは江ノ島なのに冷凍の生しらすを出す施設でしかない。三杯酢の香りも一切感じない。

・え〜〜〜全然美味しくない…なんなら普段食ってる冷凍と比べてもまあまあ劣るぞ…


・というわけで、かなりパンパンに膨れた胃と沖漬けに対する知見と若干の憤りを持って、江ノ島を後にしたのでした。


・適当に選んだ相手が意外と魅力的だったり、逆にめちゃくちゃタイプと思ったら中身は全然予想と違ったり、生しらす丼ってまるで恋愛と同じですね。

・love is over…


・帰りのコンビニでめちゃくちゃガチのゴスロリガールがぬいぐるみを抱きながらお酒を買っていた。この日1番良かった瞬間。

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