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Where is me?

自分がどこにあるのかわかりますか。
そう問われて、僕はうまく答えられなかった。
こうやって言葉を発する口も。
必死にペンを走らせる手も。
どこかへ連れて行ってくれる足も。
何か考え事をしている頭も。
確かに自分の一部であるけれど、それが本当に自分なのかはわからない。
こういう思考を作り出すのは脳であるし、感情を生み出すのは心なんだろう。
けれど、僕はそれを自分だと断定できる根拠を持ち合わせていない。
やっぱり、《もの》よりも《なまえ》が先なんだと、どこかの本の言葉を思い出した。
「自分がどこにあるのかという問いの答えにはなりませんが、
 確かに自分がここにいることは事実です」
僕が出した結論に、その人は微笑んだ。
「あなたのようなひとを、さがしていたんです」