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軍師の祈り

軍師として進言させてもらいます。
今こそ、城を攻め落とすべきです。
……大切な者を亡くした傷は、まだ癒えないでしょう。
しかし、そのような私情に惑わされれば、もっと多くの命がなくなることとなります。
あの5年前の戦いで、わたくしがそうであったように……。
何度も後悔しました。
いっそ戦争に足を踏み入れなければ、一番大事なものを失わずに済んだのではないか、とも思いました。
もう二度と、あのような思いはしたくない。そして、誰にもさせたくないのです。
わたくしたちは、歩き始めてしまっているのです。時は誰にも戻せません。
そこにとどまる者が出てきても、わたくしたちは決して、立ち止まることはできない。
……時は来ました。
ご決断を、お願いします。