![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/6309873/rectangle_large_df0d637b8bad2bd8a82823d7be4fc2bc.jpg?width=800)
藍におちる
もしも僕が寒くて身体を震わせていたら
そのコートを肩にかけてくれるだろうか
だけど何度震えてもあなたには届かない
あなたが気づいていることを知ってるけど
もしも僕がもう少しできる子なら
頭を優しく撫でてくれるだろうか
だけどいくら器用だろうとあなたには届かない
引かれた線を切ることはできないでしょう
もしも僕が一人泣いていたら
物陰でそっと抱きしめてくれるだろうか
だけどどんなに心をこぼしてもあなたには届かない
ただ虚空に消え去るだけ
もし僕がもう少し大人だったら
つま先立ちをしてキスをするのに
それさえも許してくれない
鎖で縛られた世界はどうしても醜いのに
それでもあなたがいるなら
無様に落ちるさまを笑われたって
それでもあなたがいるなら
思わず出たため息は白く濁っている
それでもあなたを想っているから
どんなにつらくてもくるしくても
あなたがいるなら
それだけでもうあふれてくるんだよ