見出し画像

アラサー再受験医学生が医師国家試験までにやったこと

やぎ(@miyagi_log)です。
先日2/6〜7に行われた第115回医師国家試験を受験してまいりました。
自己採点結果を貼ります。

画像1

正直国家試験としてはオーバーキルでした。加齢による認知機能の低下を恐れた結果こうなりました。
今回は自分が医師国家試験までに具体的にやったこと、もっとこうすれば効率が良かったかなという反省点を書きます。
n=1の自己満記事なことは重々承知ではありますが、なにかの足しになれば幸いです。

はじめに

対象者
これから国家試験対策をはじめようと思っている医学生
医学部での晩年の生活に興味のある再受験生

受講した講座、使用した教材のまとめ

画像3

予備校選択について

自分はiPadを用いた学習環境のデジタル化を推進していましたが、当時教材がpdfで配られていたのがmedu4とQAssistだけだったので選択肢は少なかったです。
自分はhzm先生の説明が合いそうだったのでmedu4にしました。
その後すぐに各予備校が教材pdfの配布を行うようになったため、現在はどこを選んでもデジタル化は心配ないですね。たぶん。

どこを選んでもしっかりやれば合格できると思いますので、自分の勉強スタイルと相談して決めていければいいと思います。
自分の場合の決め手は、デジタル化との相性でした。


以下、やってよかったことと反省点です。

やってよかったこと① iPadとApple Pencilでの学習のデジタル化

いまや多くの人がiPadをはじめとしたタブレットでの学習を行っているため、今更何を言うことがあろうかとは思いますが、学習の効率化のためにはデジタル環境に投資する価値は大いにあります。

もしも自分が今からデジタル化を始めるならば、

・iPad(10.2 inch, 128 GB, Wi-Fiモデル, 34,800円)
・Apple pencil(第1世代, 10,800円)

をまず購入します。

現在のスペックであれば、勉強目的の利用であればストレスなく使うことができるでしょう。
またスタイラスペンに関してはジェネリックの安いものであれば3,000円程度で揃えることが可能ですが、できれば純正のApple Pencilを使ったほうがストレスがないと思います。
(ジェネリックのものはiPad本体からの給電ができないため、充電用のケーブルを常に持ち歩く必要がある点で不便です。)

多少お金に余裕がある場合は、

・iPad Air4(256GB, Wi-Fiモデル, 79,800円)
・Apple Pencil(第2世代, 14,500円)

を購入しますね。
いずれにせよストレージ容量は多いほうが容量不足の不安やストレスはありません。64GBだと心許ないですし、少なくとも128GBはあったほうが良いです。
(128GBのAir4があれば完璧なんですけどね…。)

iPad Proの12.9inchモデルは画面の広さゆえに学習に非常に向いていますが、勉強だけで使うならあまりにオーバースペックで値段が高いと思います。
(とはいえ自分は12.9inchユーザーです…。笑)

他にも旧世代iPad Proを整備済品で購入するなど色々な選び方考え方はありますが、これ以上は本筋から逸れすぎるので詳しくは割愛します。
万が一興味のある方がいればTwitterでDMでもいただければと思います。

やってよかったこと② Anki、Goodnotes 5、medilinkアプリの活用

Anki、Goodnotes 5、medilinkアプリの3つで自分の勉強は完結しました。

Ankiに関しては自分の場合フルに活用したわけではありませんでしたが、国試直前期の予想事項を覚える際に非常に重宝しました。

またmedu4のAnki化も手を付けてみましたが、手間が非常にかかるため断念しました。
ただ現在はmedu4も口頭試問をcsvでAnki化しやすいと思いますし、Ankiは非常に良いアプリのため、ぜひ導入されることをおすすめします。
(Zankiをはじめとして共有デッキも非常に有用です。ただ一部著作権的にやばいものも見受けられるのでそういったものの利用はやめた方がいいでしょう。
そもそも自分に必要なものを作って覚えたほうが身につきますし。)

詳しいカスタマイズやおすすめアドオン(拡張機能)などについては、ブログでまとめてくれている方がいるため参考になるかと思います。

AnkiはPCおよびAndroid版は無料ですが、iOSでは3,000円ほどかかります。
個人的にはそのカスタマイズ性だけで値段分の価値はありました。
値段が気になる方やスマホメインの方は類似機能のアプリでも十分だと思います。


Goodnotes 5は情報の集約化に役立ちました
自分の場合はmedu4の資料に深堀りした病態生理や覚えやすいゴロなどをバンバン追記していき、一箇所で勉強が完結するようにしました。
Goodnotes 5は串刺し検索も出来ますし、また手書き文字でも検索にかかってくれるので、非常に重宝しました。

まぁ正直どんなノートアプリ使っても大差ないとは思いますが、Goodnotes 5は必要十分な機能をもっていたと思います。

medilinkアプリではイヤーノートと病気がみえるの電子版に課金しました。
かつては文章と画像のコピペにも対応しておらず不便さがありましたが、現在は対応し、情報の集約化に非常に便利になりました。
iPadであればsplitviewにてGoodnoteと同時に開くことで学習効率が格段にアップします。

画像7

紙で勉強するスタイルの方は書籍版を購入しても良いですが、可搬性と検索性を考えて自分は電子版を購入しました。
決して安い買い物ではありませんが、学習の電子化と効率化の上では必要な投資だと思っています。

やってよかったこと③ Twitterでの医学生および医師のアカウントのフォロー

Twitterでは○×や4択の問題を出してくれる人をフォローしていました。
休憩時間についついTwitterを開いてしまいますが、そんなときでも様々な角度から問題に触れることで危機感を煽ることができました。笑
自分ひとりでは不要だと判断して捨ててしまいがちな知識も、問題として出されることで触れる機会が増えます。

ただメンタルに余裕のない時に難問に触れてしまうこともあったため、ストレスが溜まってしまう場合は無理に見ないようにもしていました。
自分のメンタルを自分で調整する訓練にもなったということですかね。わからないけど。

特に医師国家試験クイズくん(@Kokkashiken_med)や各種ゴロbot(@IGAKUGOROなど)はタメになったためおすすめです。

またTwitter上の医師クラスタ(通称医クラ)の先生方をフォローすることで、最新の知見や意見、現場の見方に触れることが出来ました。
余裕のある方は、自分の興味のある診療科の先生方をフォローしてみるといいかもしれません。

やってよかったこと④ さっさとQBオンラインを解き終わったこと

自分の場合は解説の充実度からQBを利用していましたが、1周目をパッと終わらせてしまったことは精神衛生上非常によかったです。
マッチング前には全て解き終わっており、過去問の全体像がわかっているということは自信に繋がりました。

解く際に長文問題が挟まると問題演習のテンポが悪くなるなと思ったので、検索機能を使って

各科目の一般問題→終わったら臨床単問と長文

という順番で解き進めました。

進め方は各々のやり方があると思いますが、自分の場合はこの順番で200問/日程度のペースでさっと終わらせて、2周目以降を繰り返して解くのがあっていました。
また解く際に少しでも気になる点や見返したい点があった場合には、△のチェックマークをつけ、反復しやすくしていました。

使用する問題集は何でもかまわないと思うので、さっさと解き終わらせることをおすすめします。

やってよかったこと⑤ medu4穴埋めの反復

medu4の穴埋めの反復の重要性についてはhzm先生も強調しておりましたが、実際にしつこく繰り返すことで一般問題にも強くなれました。

反復方法はいろいろと考えられます。
そのうち、Anki化や色々な赤シート(イルカの暗記シートの前身のアプリや、iPadのカラーフィルタでの赤シート化など)に手を出してみましたが、個人的には合わなかったです。

ただ合う人もいるかと思いますので、一応紹介しておきます。


結局medu4の穴埋めの反復は、白紙の講義資料にひたすら脳内で答えていくという力技で行うこととなりました。これには自分にがっかりでした…。

ただ上記のアプリを上手く使える方なら、もっとスマートに反復できると思います。いろいろやってみてください。

やってよかったこと⑥QA冬期講習および直前assist

medu4をしっかりこなすだけで十分だとは思いますが、直前期にコンパクトに頻出事項や予想事項をインプットできるQA冬期講習は非常に価値がありました

また冬季はメックのサマライズを受けている人も多く、自分だけ置いていかれるのではという不安もありました。
そうした不安を解消することにも役立ちました。

また自分のようなmedu4ユーザーが浮気する場合には、問題の解き方のスタンスの違いを感じることがあると思います。
問題演習は自分でこなすこととして、必要そうな気に入った知識だけ吸収するような意識で受講すると良いかと思われます。

自分の場合は、冬期講習と直前assistのpdfからAnkiに文章をコピーして、穴埋め問題を作成して繰り返すことに集中しました。

やってよかったこと⑦ QB付属のTO NEXTをAnkiに入れて覚えたこと

上記のQA冬期講習のAnki化に加えて、QBオンラインの「出題予想 TO NEXT」のページに載っている事項をすべてAnkiに入れて覚えました

画像7

直前期の予想事項には振り回されてしまいがちですが、このページに載っている事項とその関連事項を整理することで自信に繋がりました。
また実際に115A1の強皮症腎でみられるのはTMAといった知識はドンピシャで記載されていました。

medu4の知識でこうした問題は十分解けるため資料を丸々覚えてしまえば十分ではありますが、全文を暗記することも困難なため、直前期に別の切り口から暗記するのも有用だと思います。


反省点 Ankiのカード作成の効率化が上手くできなかった

これは自分の整理下手なせいだとは思いますが、Ankiのカード作成が軌道に乗りはじめたのがかなり直前期になってからでした。

medu4のAnki化は特に作業時間がかかってしまったため、途中で諦めてしまいました。
ここをもっと効率化してこなすことができれば、反復回数も忘却曲線に則って効果的に増やすことができただろうなと思います。

これからやる方はAnkiを効率的に使用している方の話を聞いて上手く取り入れてみてほしいと思います。
(自分も教わりたいです…。笑)

もしも自分が今からやり直すのならば、
・medu4の口頭試問をcsvを用いてAnki化
あるいは
・QAssistを受講し、サブプリントの穴埋めをAnki化
すると思います。

コストパフォーマンス的には今のQAssistはかなりいいので、それ1本で行くかもしれないです。



以下におまけとして具体的経過を成績を含めて示します。興味のある方はお読みください。身バレこわいですけど。
(以下順位などはスクショ撮影時のものであり、確定時のものではありません。)

CBT

CBT対策としてはQBオンラインを試験2ヶ月ほど前からずっと解いていました。
それまでの基礎医学や臨床医学の講義では、過去問を解く以外に標準生理学など出来るだけ成書に目を通していたため動画講座は受講していませんでした。
(当時はCBT対策講座も存在しなかったです。)
CBTの成績は93%、IRTスコアは733でした。
QBオンラインは暇つぶしとして、出先で時間があればポチポチと解いていました。
とにかくさっさと1周目を終わらせ、反復することを意識していました。

画像3

5年生

medu4を受講し始めました。
また学年のQB国試とyear noteの共同購入に参加し、病院実習の合間にはQBオンラインをスマホで解き進めました。
またこの時に病期がみえるのアプリ版にも課金しました。
出費やばかったです。

medu4は推奨スケジュールに合わせてゆるく進めていきました。


動画講座は早いうちに始めるに越したことはないと思いますが、6年からでも十分間に合うと思います。
自分は再受験生なこともあり、加齢による認知機能の低下がこわかったので早めに始めました。

この時はコンスタントに1日1〜2コマ受講し、medu4の1科目すべて受講し終えたら空き時間にQBの1周目問題を解くというスタイルでした。

medu4はこの時は進めることに手一杯で、穴埋めの反復は正直あまり出来ていませんでした。

またyear noteはアプリ版を主に使用していましたが、当時は文章のコピペにも対応していなかったのでmedu4とうまく連携させることは難しかったです。
この時は実習で調べたところにマーカーを引く程度でした。

また年明けの1月に発売した究極マップ2020年版を5年生の時点で購入し、これまでの総まとめ資料として活用しました。

2020年2月の時点で
・medu4内科外科、マイナー、産小老、救中麻公の1周目受講
・medu4穴埋めそれぞれ2回
・究極マップ2020を3周視聴
・QBオンラインのQB掲載問題全問
が完了していました。

この時点で受けた5年メック模試の成績がこちらです。

画像8

6年生前半(春〜夏のマッチング)

新型コロナウイルスの流行に伴い、実習も多くが中止となったため自宅での勉強を進める時間はかなりありました。

自粛期間中の春先は、
・medu4 114回update
・medu4穴埋め全科目
・QBオンライン 100回以降の回数別全部
・公衆衛生パルス(medu4穴埋め→QB公衆衛生全問)
をやりました。

この時期に「医師国家試験の取扱説明書」を購入し、通読しました。
問題を通して臨床力アップにつなげる意識や、30秒サマリーで問題の反復回数を増やすことなど、問題演習の質向上に大いに役立ちました。
国家試験の勉強をするにあたり大切なことが詳らかにされていますので、まだ読んでいない人はぜひご一読を


またこの期間に春メック模試を自宅受験しました。

画像8

一時的にとはいえ全国1位となったことから、浮かれてスクショを撮ってTwitterにアップしたことを覚えています。笑
調子に乗ってすいません…。


その後病院実習の再開とマッチング対策もあり、国家試験の勉強は下火となってしまいました。
マッチング試験のある8月までにやったことは
・medu4 穴埋め
・テストゼミ基礎編
でした。

テストゼミ基礎編発売後にすぐ購入し、穴埋めを1科目終了→テストゼミ基礎編といったスタイルで実施しました。
夏メックの成績はこちらです。

夏メック


6年生後半(秋〜冬)

秋は卒業試験対策として卒試の過去問を主に解いていました。
日々ルーティンとして
・medu4穴埋め
・QBオンラインのミニテスト(ランダム50問)
は続けていました。

余裕のある週末には
・medu4特講シリーズ
・テストゼミ標準編、融合編

を進めました。

QBの過去問を100回以降の分はこなしていたためテストゼミに関しては不要かと思いましたが、実際に受講することで紙面上でアウトプットする良い練習になりました。自分のように演習がオンラインメインの人は是非受講したほうがいいと思います。

11月中旬以降には、
・テストゼミ予想編(2020、2019)
・間違った問題の関連知識をyear noteや病みえからmedu4の資料へ追記
・回数別5年分
が主でした。


テストゼミ予想編は歯ごたえのある問題が多く、年明け前の精神的余裕のある時期に向き合っておいて良かったと思います。
直前期は気持ちの焦りもあったので、心が乱れる可能性があったと思います。

また冬メックとMM模試も同様に歯ごたえのある問題が多く、これらの模試の復習にも時間を割きました。
冬メックとMM模試の結果を示します。

冬メック
MM模試

両者とも難しかったですが、今思えば国試本番のレベルと似ていたなと思います。
少なくとも、冬の模試は受けたほうが国家試験本番で面食らわずに済むかと思います。

直前期(12月末〜本番)

直前期はメンタルが結構やられました。
周囲がメックのサマライズなどを受けている中で、言いようのないぼんやりとした不安を抱いていました。
不安の原因は講座受講といった勉強のペースメーカーが自分にないことも一因だと考え、コンパクトでやりきれそうなQA冬期講習、およびそのまとめとしての直前Assistを受講しました。
冬期講習は1科目2コマ程度と非常にサクサク頻出事項の確認が進むこと、程よく予想事項が散りばめられていて刺激もあることから、とても進めやすかったです。

自分のように何か新しいことをやらないとメンタルが安定しなくなった場合にはおすすめします。
ただ直前期に新しいことを始めることは消化不良のリスクを伴いますので、その点は注意が必要ですね。
自分はメンタル安定化のために受講しました。

直前期にやったことをまとめると、
・QA冬期講習
・直前Assist
・模試の復習(メック模試の穴埋め問題集、MM模試解き直し)
・スコアリングの確認
・Ankiの反復
・QBオンラインの△, ☓チェック問題の確認
・QBのTO NEXT
・Quickcheck過去10年分

でした。

最後に

冗長な文になってしまいましたが、アラサー再受験生が医師国家試験を受けるまでにやったことを書いてみました。
加齢を恐れるあまりちょっとやりすぎた感があります。
一番大変だったのはメンタル管理でした。
お世話になったmedu4、Medic Mediaには感謝してもしきれません。
読まれた方のなにかの足しになれば幸いです。
(補足や訂正あれば追記、修正します。)

おまけ

問題演習を通して日経メディカルのポイントがもらえることはご存知でしたでしょうか?

医師国家試験と薬剤師国家試験の問題を解くだけで1日2ポイントになります。
(間違ってても可)

コツコツやれば文庫本買えるくらいにはなるかもしれません。
自分は続きませんでしたが…。笑

医師目指して日々奮闘する学生。再受験しました。 勉強とか、いろいろなことの備忘録を兼ねて。