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今だから言える昨夜の「その他の人に会ってみた」撮影当日に起きたしょうもない事件について

昨夜、TBSの「その他の人に会ってみた」という番組に「その他(少数派)のジャンルを描く漫画家」として出演させていただいた。

チラッと出るぐらいの話で聞いていたのだが、実際のオンエアは自分のパートだけでCMを3つもまたぎ、番組の大トリで、エンドトークでも東野さんが取材依頼が来た時のうちの奥さんが嫌がってる様子(予想)について話してくれていた。そして東野さんのうちの妻に対する妄想は当たらずも遠からずだった。

急な依頼だったし、半日以上時間も使ってなかなか大変な撮影だったが、お話をお受けしてとてもよかったと思っている。棺桶の中で見る走馬灯の中に必ず入るであろう、良い思い出チャプターになりました。ディレクターの金子さんとアシスタントのふくださん、ありがとうございました。

…以下、今だから言える撮影日の話。

うちの犬のげんこつはお客さんが来ると狂ったようにワンワン吠えてうるさいので、撮影日当日は事前に近くの動物病院の地下牢(おそらく北斗の拳の邪鬼みたいな鉄仮面を装着させられて)に預けておくことになった。
ただそこが19時までしかやってないので、自宅での撮影をその時間までに切り上げてもらって一旦車で引き取りに行く段取りとなった。

娘はうちの担当C子さんに見ててもらって(あとディレクターの金子さんが子供好きだったのもあって安心して)「すぐ犬連れて戻ります!」と、妻と二人で車に乗り込んだ。
自宅でのインタビューが終わってホッとしたのか、堰を切ったように夫婦で撮影中の話をあーでもないこーでもないと話し始めた。

「時間かかったけどこれで漫画が1冊でも売れればいいよ、ディレクターさん、見た感じより丁寧で良い人っぽいし…」
「私、台本がリビングの机の上に置いてあったからちょっと見ちゃったんだけど、他の漫画家さんよりさっさんの文字数多かったよ、一番目立つんじゃないかな!」…などなど。
人間の本性がまぁまぁ染み出た、雑魚モンスター二匹によるヘドロのお湯割のような会話。

車にエンジンをかけた瞬間、俺は自分の胸元にピンマイクがついたままになっていることに気がついた。妻に耳打ちで伝えると、妻は一気に20歳ほど老け込んだ顔になり、両手を口にあて目をひん剥いた表情のまま固まった。

車は家の真ん前に停めてあるので、カメラが置いてあったリビングとは壁一枚しか隔てていない。恐る恐る震える手でスマホを見ると、我が家のWi-Fiもビンビンだった。…電波の貫通力よ。Wi-Fiの電波状況が参考になるかどうかはわからんが、おそらくヘドロのお湯割トークはディラレクターさんたちが持ってる何らかの装置に拾われていただろう。

急に無口になった我々夫婦は、顔を真っ青にしたまま犬を引き取りに向かい、犬につけられた鉄仮面をマイナスドライバーを使ってはずし、自宅に戻ってすぐに待ってくれていたディレクターさんたちに謝った。

「カメラの電源入ってないので大丈夫っすよー」と、快い返事をしてくださったが、本当に電源が入ってなかったのかどうかは今もわからないままだ。

こんな情熱大陸っぽい映像まで作っていただいたのに、本当すいませんでした…。

(いろんな意味で)おわり


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