楽しさとは3。【ひねくれ育児日記】
楽しさを提供する道は険しい。
子どもが起きているとき、どれくらい構って、どれくらい置いておいていいのかわからない。発達を促すために刺激が必要では、いろいろしなきゃという気になるが、何をやっていいのかよくわからない。
何かのおもちゃを見せたときに、揺れているものが好きそうだった。メリーを置いたら喜ぶかなと思ったが、そこそこのお値段がする。できれば買う前に実際に見せて反応を確かめたいが、こんな時期なので店は休業中だ。
調べているうちにモビールというものもあると気がついた。これなら作れるかも。作り方のページを見ていると針金とかテグスとかたこ糸とかいろいろ材料が書いてあるが、どれも家にないし、割り箸とボタン付け糸でいいんじゃ、というわけで試作。
一応、ネットで見た「気球」の形だが、色画用紙も折り紙もなかったので空き箱の厚紙を使用。大変ちゃちな作りなのだが、子どもに見せると興奮して飽きずにパンチしている。
ただ、子どもが手を伸ばせるちょうどいい位置にセットするのが難しく、ずっと私が手で持っている。
そうこうしているうちに日は経ち、寝ているときに使うだけのメリーより、長く使えるベビージムや変形できるメリーの方がいいのではという気がしてきた。しかしこれもお高い。
私が動かさなくても、吊り下げられたものに興味を示すのか。確かめようとまた自作。
またも大変ちゃちな図だが、これにも食いついた。ある程度の時間、手を伸ばして一人で遊んでいるので、私にも少し余裕ができる。遊び疲れて寝てくれることもある。
それならベビージムを買っても楽しんでくれるかなと思うが、やはりなかなかのお値段なので吟味中だ。メルカリだと結構安く買えるが、おもちゃは口に入れるものなので、知らない人のお古でいいのか迷うところだ。
次のブーム。
とはいえ、おもちゃも数が限られているので、ネタ切れを覚える。おもちゃの遊びだけでいいのか、と思い始めたりもする。ネットで「生後2か月 遊び」と検索すると「ふれあい遊び」というジャンルが出てくる。赤ちゃんと親がスキンシップを取りながら遊ぶものだ。
昔聴いたり歌ったりした歌を歌いながらやるものもあれば、知らない歌もある。動画もいろいろあるので、時間のあるときに見て仕込んでみる。
ここに一つのハードルがある。子ども向けの歌は一聴して大人が楽しいと思えるものばかりではない。しかし子どもはそれが好きなのだ。それを一緒にやる、子どもの目線と気持ちに合わせる、というハードル。きっと何年も子どもと一緒にいると感じなくなるのだろうが、最初のうちはやはりそれは存在する。それを感じられる貴重な期間だと思うことにする。
で、抵抗を覚えつつやってみても、子どもが喜ぶものは5つに1つとかだ。へっ、と薄ら笑いをされて終わりだったりもするし、足を2回くらい触るともう嫌がったりもする。子どもっぽいのが嫌なのか、こちらが抵抗を覚えているのを察知するのか。たまに喜んでくれるので、それをまたやってみる。
せっかくやったのに、と心折れてくるので、自分も楽しめるように遊びを勝手にアレンジしてみる。音楽は私の好きなものにいろいろ変えてみた。aikoとスカパラはあまり好きそうではなかったが、Phil Woodsは受けがいい。サックス一管のわかりやすい感じがいいのだろうか。
その後The Beatlesだの、Micheal Camiloだのと聞かせながら私がガラガラでリズムを取っていると、ある日子どもが猛然と手を振りはじめた。振るとリストラトルが鳴るということに気付いたのだ。それまで自然と手を動かしたときに鳴っていたのだが、自分の意思で動かして鳴らせると理解したらしい。
それ以来、目の前で吊り下げられたものよりも、音楽に合わせて振る方にブームが移ったようだ。
きっとこのブームも長く続くわけではないだろう。次はどんな楽しさを提供したらいいのか。厳しい道は続く。