守るべきもの

ロッキンに続いて、京都大作戦の2週目の中止(延期)が発表されました。また、その他のフェスでも緊急事態宣言区域からの来場自粛を呼びかけるなど、フェス文化も少しずつ曇ってきてしまっている状況になりつつあります。

ただ誰かを責めるのも違います。自分たちが正解というわけでもありません。もちろん不正解でもない。非常に難しい、ぶつけようのない悔しさもあります。

今回のnoteは前回のロッキン中止に合わせて投稿したものの続きです。少し批判的な言葉を使ってしまっている部分もありますが、極力は冷静に書いているつもりです。ただライブやフェスにに参加している自分だからこそ、あえて逆寄りの立場で考えつつ発言しています。「いち音楽ファンの考え方」として読んでいただければと思います。

↓前回のnoteです。



色んな考え方がある

例えば参加者である自分としては、当然ながら「行きたい」「開催されてほしい」という思いはあります。しかしながら、医療関係者などの立場からすれば「出来るなら今はやめてほしい」と思うのは当然です。

とはいえ、全て中止になれば経済的な影響は大きいのは間違いありません。そして「補償による中止」というものも、個人的には長期的な視点から見て必ずしもプラスではないと考えています(これは「現地で音に触れる」「体験する」という意味で、配信でも代用は難しいのではと考えています)。

そしてフェスとなると、そこに「地域住民」という存在も関わってきます。特にフェスはこの方々に納得していただける、「場所を、地域を貸してあげてもよい」と許可をいただけることが大前提になってきます。

JAPAN JAMやVIVA LA ROCKの場合、元々からその会場でイベントが常時行われています。この先のフェスで言えばTalking Rock!FES.やNUMBER SHOT(今年度はドーム開催)がこれに当てはまります。こういった会場は地域の環境も含め、比較的フェスやライブというものが受け入れられる場所かと思います。

しかしながら、その他のフェスは大半が「普段ライブをしない場所」になってきます。公園を借用するなどといったこともありますから、地域住民への理解は絶対に必要になります。

このご時世ですから、出来れば来てもらいたくない人もいます。一方で経済効果があることも事実です。その中でどれだけの人を納得できるか、となると参加者のモラル、主催者の適切な発信と連携に関わってきます。

もちろん大多数の方がルールなどを遵守していますが、コロナ以前からも問題視されていた行動がありました。そういったことを踏まえると、やはり不安に思われるのも仕方ないのではないかと思ってしまいます。

今回のフェスの期間中は言わずもがな、今後アフターコロナに移行した際、どのような形式のフェスになったとしても「ルールは破るものではない」ことは強く意識しなければならないと思います。場合によっては2度とその会場を貸していただけなく可能性もあります。

あくまで自分たちは「地域を、会場をお借りしている」立場であることを絶対に忘れてほしくないと強く思います。


「自分たちが正しい」わけではない

これは以前お話ししたロッキンの話に関して。Twitterなどを見る限りは「医師会ふざけんな」という声でしたが、(医師の間でクラスターが起きたことはさておいて)自分は「これは主催者も見通しが甘かったのではないか」と思いました。

もちろんロッキンの主催者は普段から信頼をしています。しかし今回はそうではなかったことも事実です。医師会としては地域医療を守ることが仕事です。形はどうあれ、こういった要請を出すこと自体はむしろ当たり前に近いものなのかもしれません。

確かに自分も「もう少し早ければ」と書きましたが、もっと言えば「主催者のロッキングオンは医師会との連携をそれ以前から取っていたのか」という疑問もあります。この過程をすっ飛ばして「いきなり」となっても、それは主催者の見通しの甘さもあったのではないかと思ってしまいます。

参加者側も主催者のアナウンスを鵜呑みにしているようにも思いました(そりゃそうとも言えるんだけどね)。ただ、冷静に考えれば果たして医師会は悪なの?主催者はやること全てやったの?という疑問も残ってしまうのが事実です。


アーティストの発信

ロッキンや京都大作戦の中止をきっかけに、多くのアーティストが発信をしています。

しかし個人的な話をすれば、自分はその意見にはあまり賛同していません。「ライブをやる人たち、参加する人たちの立場しか考えていない」ツイートも数多くあったと思います。ましてや、オリンピックに関してはロッキンの中止とは全く関係のない話です(言ってしまえば、その会場だけで見ればロッキンの方がリスクは遥かに高かったのも事実です)。

一方で「矛先を人に向けるな」「敵は人ではなくコロナ」といったアーティストもいました。他にも、「中止になったからファンを楽しませる企画をやろう」という転換をしたアーティストもいました。個人的には、ただ不平不満を言うよりもこちらの意見の方が音楽業界にはプラスのように思います。

中にはサカナクションの山口一郎さんのようなツイートもありました。不平不満ではなく、「正確に理解し合う事が大事」という比較的中立な立場から述べたツイートもありました。

こういった相互の立場を理解し合い、妥協点を見出すことは双方にとってメリットがあることです。しかし音楽的な立場から不平不満を言うことは自己満足で終わってしまいます。これは以前のnoteに書いた「エコーチェンバー」にも通じるものです。

声を上げることは大事です。ただそれはあくまで八つ当たりではなく、ポジティブな転換に通じるものであってほしいと思います。

(ただ川谷絵音さんの「音楽を作るしかない」といった旨のツイートに対して、声を上げることを強要するかのような引用をしたものはもはや論外とすら思います。自分の主張を正当化するために、または増幅するために他人を利用するなと心から思います)


おわりに〜今まで以上に引き締めて

明日からはTalking Rock!Fes.が開催されます。おそらく予定通り開催は出来るでしょう。

一方でフェスなどが厳しい状況に立たされていることも確かです。マスクや食事や移動など、まだまだフェスやライブの継続を確実にするために自分たちがやれることはあります。

「クラスターをここまで起こしていないからいい」ではなく、「もっと確実に起こさないためには」ということを自分も含めて考えていかなければならないフェーズのように感じます。

何はともあれ、明日以降もフェスやライブは続きます。このようなことは意識しつつも、ライブは全力で心から楽しんでいきましょう!!



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