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2023/08/21 barca vs cadiz

相手を動かすという事


ALINEACIO

バルセロナは開幕戦、ヘタフェの地に乗り込み0-0のドロー。両者レッドカードを出し、さらにシャビ監督まで退席処分を食らう波乱の開幕戦でした。
今節のスタメンは、前節中盤だったデ・ヨングを最終ラインに入れ、ギュンドアンを中盤に。左にガビ、右にヤマルを配置しました。

バルサの狙い

前半早々から支配率78:22とバルサペースの展開に。
前節同様ボール保持時は3-2-5と可変したバルサは、5-3-2(5-3-1-1)と可変したカディスの2列目、3人の横をまずは狙いました。
カディスの1列目はクンデ、クリステンセン、デ・ヨングで難なくクリア。
デ・ヨングの運ぶドリブルからの縦パスを警戒し、カディスの2列目の間を塞ぐように3列目が立ちます。
かといってカディスも積極的にプレスに行くわけでもなく、引き込んでからのロングカウンターを目指していたので、バルサから見れば、敵にとられる条件は自分たちのミスによるものだけでした。
フィールドの横の長さを3人で守るのにはほぼ不可能なので、必ず空くのはカディス中盤3人の脇。
バルサはこのスペースをレヴァンドフスキやIHが降りて顔を出してボールを引き出しました。

その動きはデ・ヨングがいるからということもあり、特にサイドで見られました。
デ・ヨングの運ぶドリブルから、ペドリやレヴァンドフスキが降りてくる。これに伴ってカディスの選手も引き寄せられました。特に引き寄せられたのは中盤の3枚で、これにより逆サイドの3枚の脇のスペースがさらに顕著に空きました。
そこをしっかり狙ってパスを出せたのはギュンドアンでした。カディスの2トップ、ロジェールとイグレシアスの間で見事にボールコントロールしクンデへ開放。そこからさらに高さを取って待っている16歳ヤマルへ。
一気にペナルティエリアに侵入し、チャンスを作り出しました。

また、バルサお得意のショートパスで密集地帯を打開する場面もありました。
最初の狙い通り、カディス中盤の脇でボールを受けたギュンドアンは、素早くカディスのCBを背負っているペドリへ、その後、最終ラインと中盤の間にポジションを取ったレヴァンドフスキへ落とす。
落としのパスを受けたレヴァンドフスキは前向きの状態になるので、シュートや大外のヤマルへのパスなど、選択肢を複数持つことが出来ました。

実際、28:26のヤマルによる決定機は似たようなシーンでした。
デ・ヨングの持ち上がりからギュンドアン、ペドリとショートパスで、中盤を制圧し、レヴァンドフスキのターン。潰されかけましたが、ディフレクションあってヤマルにボールが渡り、シュート。相手GKのファインセーブに阻まれましたが、狙い通りであったと思います。

交代で停滞した右サイドを改変

前半は支配率70:30ぐらいで進め、チャンスも多く作りましたがカディスのGKが大当たりの日すぎて得点には至りませんでした。
後半は同メンバーでスタートし、68分にバルデとガビを下げ、ファティとアブデを投入。79分にクリステンセンとロメウを下げ、エリック・ガルシアとセルジ・ロベルトを投入。
特に右SBとして投入されたセルジ・ロベルトが試合を動かしました。
前半の右サイドは、SBからWGへパスをし、WGの1vs1で勝負をかけていましたが、さすがにプランが一辺倒すぎるので、セルジ・ロベルトの投入により、WGの勝負だけでなく、SBが裏を取ったりと右サイドが活性化させました。
1点目はセルジ・ロベルトが裏に走り抜けたことによりカディスの中盤の人数が二人に。ペドリ、ギュンドアンの横パスでカディスのラインをずらし、斜めにランしたペドリへ、狭いコースをパス。ギュンドアンならではのプレーで1点目を取りました。

たった2本のパスで

その後86分、カディスは3枚替えで点を取りに来ましたが、その勢いを壊すようにバルサのとどめの2点目が90分+4に。
バルサのビルドアップの場面。テアがボールを持っており、カディスの前線はうまい具合にはめることができ、テアに『蹴らせる』というところまでは良かったのですが、そのボールがレヴァンドフスキへ渡り、さらにバックヘッドでボールはカディスの最終ラインの裏に。そこを詰めていたフェラントーレスが1vs1をしっかり決め切りました。
プレミアリーグのマンチェスターシティも、最終ラインから繋ごうとするチームですが、時に、FWのハーランドへエデルソンからの一本のパスで盤面をひっくり返します。
得意のビルドアップを封じても1、2本のパスで決定機まで繋がってしまうのは正直強すぎます。

最後に

今シーズン初勝利を飾りましたが、バルサ特有のカウンターを食らってシュートまでいかれることが何回もあり、ぜんぜん失点してもおかしくない内容でした。それでも新戦力が結果を残したり、16歳の少年が積極的にシュートを打ったりと、まだまだこれから成長する兆しを見せられたのも事実。いろいろな意味で良い試合でした。

La Liga Jornada2
FC Barcelona vs Cadiz CF
   2    -    0
PEDRI  82
FERRAN 90+4

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