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「あの子のむかし話」エピローグ(こうちゃさん著)

 こうちゃさんからいただいた小説連載、いよいよ最終回となります。これまでのお話はすべてこちらからどうぞ。



 エピローグ

「エレナさんは、お姉さんは、いるのですか〜?」
「えっ?ううん、弟はいるけどネー」
「どんな子ですか〜?」
「もう、ヤンチャだヨ!ワタシ、この前ミサキに髪を編んでもらった時に、すぐにママンに写真送ったんだ。するとネ、弟が、帰ってきたら『普通だよ』って!」
「むふふ〜。それはきっと、照れ隠しですな〜」
「え〜、なんでカナ?」
「わたしもきっと、お姉ちゃんがいたら、そうすると思うからです〜。あの頃の栞さんは、わたしからすると、なんだかわたしのお姉ちゃんみたいでー……」
「みたいで?」
「な、なんでもありません~」
「え~?」
 美也はその写真を、アルバムのセロファンに戻す。引っかからないように丁寧に入れると、次のページを開いた。外を見ると、あの時と似たような木漏れ日が、彼女を照らしていた。

(終わり)



 次回からは、先日Twitterスペースにて行ったれぽてんと育Pのぱにろくさんの対談の模様をお送りいたします。「企画主催」として楽しかったことや大変だったことなどを、本音を交えながら語り合わせていただきました。

 更新は近日中を予定しておりますので、どうぞお楽しみに。

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