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言語学のイベントに参加した話


昨日、こちらのイベントに参加してきました。
名古屋外大で行われた「なんで言語学やるの?」シンポジウム。
おそらく言語学の研究者の方や言語学を専攻する大学生向けのイベントだったのですが、一般参加も可能だったので、思い切って申し込んでしまいました。

1年ほど前からゆる言語学ラジオを通して、言語学が気になり関連書籍を読むことも増えてきたところ。
研究者のお話が直接聞けるなんて、滅多にないチャンス!と、場違い覚悟で参加してきました。
せっかくなので、備忘録もかねて感想など。

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当日は、開催時間の少し前に水野さんが会場に入られ、わーー本物の水野さんだ〜!噂どおり背が高いなぁ〜なんて遠くから推し活も楽しみつつ、いざシンポジウムが始まると、大学生時代に戻って講義を受けているような懐かしさがありました。(私は言語学専攻ではありませんでしたが。)

最初にお話しされたのは会場にもなっている名古屋外国語大学の川原先生。理論言語学がご専門とのこと。
「日本の大学における言語学とは?」
「チョムスキー以前・以後」(←面白かった!)
など、言語学の歴史の概観のお話もあり、こんな感じで大学では授業が行われているのかな〜なんて想像しながら楽しく聴きました。

次にお話しされたのは、ゆる言語学ラジオにも出演されていた黒島先生。
先生の出演されている回は、呼吸困難になる程笑いが止まらなかったので、直接お話が聞けて最高に嬉しかったです。水野さんとの息もピッタリで楽しい掛け合いでした。先生の授業を受けられる大学生は幸せだな〜。
笑いも取りつつ、言語に対する愛やリスペクトなどが隠しきれずにチラッと見えていて素敵でした。

最後にお話しされたのは、社会言語学がご専門の谷口ジョイ先生。
私...谷口先生のお話にめちゃめちゃグッときました。
社会言語学とは、言語を社会との関わりから考える学問らしく、先生は危機方言の記録をされているとのことでした。
地理的に孤立した場所で、p音や否定の古い形が残っているお話も驚きでしたが、「誰でも母語・母方言で話す権利があり、それを認めることが1番身近な多様性」というお話に引き込まれました。
黒川先生もおっしゃっていましたが、危機言語・危機方言を記録したりビデオに残したところで、その言語が残ることにはならない。言語の内省も翻訳も、話者がいなくてはできないとのこと。

「言語は文化であり世界観」という表現が、今まで自分もそう理解していたつもりだったけれど、なんだか強い実感を伴って理解することができました。

社会言語学のアプローチは今までゆる言語学ラジオではあまり出てこなかったので、とても新鮮に感じました。

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元々のテーマは「なんで言語学やるの?」なので、言語学がどう役に立つかというのがメインで、そのようなお話も沢山あったのですが、完全に外部の一般人にとってはこのような内容が心に残りました。


研究でお忙しいはずの先生方が、アウトリーチ活動をしてくださることに感謝しつつ、言語学の業界が益々盛り上がっていきますように。

私もこっそり応援を続けていきたいと思います!

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