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落語朗読「夫婦の会話」

「いたい!何でけとばすのさぁ」
「なんでって、亭主が仕事に行くのにデカイ口を開けていつまでねてるんだぃ。さっさと起きて飯をつくれぇ。
日が上って登ってきてるんだ」
「何を言ってんるだい。今は、日が昇るんじゃなくて、沈んでいるんだよ」
「えっ」
「あんた昨日、ぐでんぐでんに酔っ払って帰ってきて、そのまま寝ちゃったんじゃないか!」
「えっ!オレは一日ねてたのか?そうか。
あっ!箱は?」
「箱って、なんの箱だよ」
「箱は箱だよ。俺の道具を入れている箱」
「あんた昨日は酔っ払って何も持っていなかったよ。
どこへ置いて来たんだい」
「どこって……。仕事が終わってから修繕したお金をもらって、そのお金で1杯飲んで、それから……覚えてない」
「覚えてないって、あんたこれからどうやって稼ぐのさ。道具箱がなければ明日、いや、今日からご飯を食べられないよ。」
「そんなことを言われも」
と言って亭主が頭を頭を抱えてしまった時、女房はそーっと道具箱を差し出す。
「お前〜。俺を驚かせやがって」
「何を言っているんだい!昨日道具箱を何処へ置いたのと聞いても全然分からないのでどれだけ探したことか。商売道具をやっと見つけて、あんたを懲らしめるために隠したのよ。」
「う〜済まないかんにんしてくれ。
でも、これで安心だ」
「何が安心なんだい?」
「だってよ。今度はいくら酔っ払って道具箱を忘れても、お前がこれからはちゃんと探してくれるじゃないか」

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