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五輪旗

ネパールの国旗は世界で唯一「方形」ではない。二つの三角形を組み合わせたものである。そして、他の国旗はすべて「方形」であり、五輪旗も方形である。
ところが、方形の縦と横の比は様々である。それで、国連本部やオリンピック競技場では「2対3」に統一して掲揚している。
 
もともと「2対3」の国は日本をはじめ、中国、ロシア、エジプト、ギリシャ、イタリア、フランス、トルコ、韓国、インドなど多数である。 
しかし、「1対2」を採用している国もたくさんある。イギリス、カナダ、マレーシア、北朝鮮、オマーンなど多数あり、アメリカは「1対2」に近い「10:19」だという。
「3対5」はドイツ、バングラデシュ、ブルガリア、・・・、「4対3」はネパール、「4対7」はイラン・・・、「5対8」はスエーデン、ポーランドなど・・・多様である。
 
この縦横の比の違いは、それぞれの国の歴史的な経緯が反映していると考えられる。その一つに「黄金比(1:1,61803・・・)」を発見し尊重した国々の数学や美意識も影響しているものと想像される。「2対3」は黄金比に近く、エジプトやギリシャなど古代数学が隆盛した地域を彷彿させるからである。
 
さて、旗の縦横の比が明らかになったとしても、その中の図柄を正確に表すことはそれほど容易ではない。
シンプルな絵柄の日本国旗でさえ、日の丸の大きさや位置についての規定を知る人は多くない。

<日本国旗の割合>

まして、他の国の国旗についてはなおさらである。(トルコの国旗を作製しようとして苦労したことがある。)

他の国の国旗ではなく五輪旗を「正確に」描くことができるだろうか?輪の大きさや幅、その配置や組み合わせ、色の順などについて規定があるのだろうか?
 
1914年6月14日(大正3)に、パリで開催されたオリンピック委員会で、クーベルタンが発案した五輪旗が制定される。五つの輪は五大陸を表し、「青、黄、黒、緑、赤」の順に五色が用いられることになる。他の細かい規定はないようである。
 
それで、五輪旗を実際に描くことにする。
まず、縦の長さを5等分する。そして、図のように補助となる五つの輪を接するように描く。この時、中心点を結ぶ線は直交していることが分かる。

あとは、補助となる輪の内側に、実際の輪を描くのである。(実際の輪の大きさは、輪と輪の重なる様子を見て決めればよい。)

 五つの輪の中心点を結ぶ線が直交していることが重要な事である。
そのことを踏まえれば、五輪旗の描き方はたくさんある。希望する輪の大きさや輪の幅に応じて、最も簡単な方法を見つけていただければ幸いである。

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