見出し画像

たけ箒

なが咄(はなし)する客来る。亭主うるさく思ひ、でつちに、はうき立てよと云付る。てつちうなつき、かつ手へ行、箒立んとするに、客の草履取か見て居る故、立る所なし。詮方なくて脊戸へで見れは、竹箒有。これ幸と、さかさに立、内へ入ハ、「客 今ばんハ何も用事もこさらぬ。ゆるりと御咄うけ給りませふ。まづ家来をば帰しませふ。

『再成餅』

一つ前の記事といい、急に文学に目覚めた奴がいやがる。これはなんぞ、とまあそんな堅いこと言いなさんな。

誰かに読んで欲しいというよりは、自分が知って面白いとおもった知識を忘れないように、こうして分かりやすいところに書き残しているだけなので、悪しからず。


これはまあ、江戸時代頃、長居する客に早く帰って欲しい時に箒を逆さに立てると良いというおまじない(言い伝え)があったときに、それを基に書かれたものである、と考えられる。(専門ではないので断定できないですすみません)

上に引用したものを訳してみると、大体「長話をうっとうしく思った亭主が召使いに箒を立ててきてくれと指示する。召使いは頷き、勝手口へ行って箒を立てようとしたが、客の家来がそこに居て立てることができない(失礼にあたるから)。しかたなく裏口へ出てみれば竹箒があった。これはよかったと逆さに立てて、家の中に戻ると、客が「今晩は何の用事も無い。ゆっくりと話そうじゃないか、まず家来を帰しましょう。と言う」といったものだろうか。(めちゃめちゃ自分が読みやすいように解釈していますすみません)

この物語のポイントは、言い伝えられている箒ではなく竹箒を逆さにしたことで、家来だけが帰るという、少しの違いにより効果が半分しかでなかったというところだろうか。


同じような、言い伝えを基にした作品は他にもある。

帰つたを 見れば箒も 恐ろしい

『柳多留」

これは川柳である。実際に箒を逆さにして客が帰ったのを見て、効果を実感して詠んだものではないだろうか。また、

竹箒 立てると御供 ばか帰り

『柳多留」

こちらも川柳。一番最初のものと同じように、竹箒を立てるとお供のほうだけ帰ったということを詠んでいる。



こうしてみると、箒と人がリンクしている様を文学で表現されている。あくまで言い伝えのものを基とし、こうしていくつもの作品が生み出されているのはおもしろい。


そして現代。


もちろんつなげます、つなげてこそ面白いのです。
今回は何でしょう?
国民全員が知っていると言っても過言では無い、ジブリの、あの有名作品です。



ジブリ


有名



そうきたら分かるでしょう?そう、『魔女の宅急便』です。

この作品の中で、キキがトンボを助けるシーンがありますよね。

あの時、キキは自前の箒を折ってしまっています。そのタイミングでトンボが飛行船に宙づりになるのです。
ドキドキハラハラのシーン!!!!!!!


ここでキキはどうするでしょう?
...道路掃除のおじさんにデッキブラシを借りてトンボを助けに行こうとするのです。


あわあわあわあわ...

ここで視聴者は一気に心配になります。
なにせ慣れてないデッキブラシで飛んでいる姿ったら危なっかしいこと!!


魔法が使えるようになったけどいつもの箒じゃないから本領発揮できないキキ、みなさん、わたしの言いたいことはわかりますか?

そうです。ありましたよね先ほど。本来の箒じゃないから効果が半分しかでなかった竹箒の話!!!!!!!!!!!!!!!!!!!


はい!つながった~~~~~~~~~~~!!!!!!!!



おいおいこじつけじゃねーかと思った人?
うるさいな。
竹箒とデッキブラシは違うぞと思った人?
うるさいな。


いいでしょ、想像力を働かせて楽しむのは自由です。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?