書を持って街へ出よ

こんにちは、杏仁豆腐です。

吹奏楽団でトロンボーンを担当しています。
みんな知らないかもしれないけど実は比較文化学類の2年生です。
理系っぽいってよく言われます。数弱です。

今回は比文ってどんなとこ?お前は何をしているんですか?ということを色々書いていきます。

それではどうぞ。


比文生の生態

人文・文化学群 比較文化学類。

まずは謎に包まれた(?)比文生の生態を明らかにしていきたいと思います。

人文・文化学群

人文・文化学群は
人文学類・比較文化学類・日本語・日本文化学類の3つから構成されております。
「苔の人文・華の比文・葦の日日」なんて言ったりします。
なにが苔で葦なのかは知りませんが比文は圧倒的女子率の高さから「華」と呼ばれます。男女3:7くらい。
別に華やかとかキラキラではない。たぶん。

最近は移行生の方がキラキラしてて華っぽいな……と感じます。
移行生の方が真面目できゃーーって感じです。

おとなり、「人文学類とどう違うの?」はよく訊かれます。
「人文はタテ、比文はヨコ」「人文はコース料理、比文はバイキング」
はよく聞くたとえです。
人文の方が、基礎からコツコツ体系的に学べるイメージ。
比文は横断的にいろいろつまみ食いできます。
あと歴史・言語・考古学あたりは人文でしかできなくて、文学は比文でしかできません。

日日のことは……ちょっとよく知らない……(ごめん)

比較文化学類ってこんなとこ

文系の科目割となんでもできるよ~とか言うと人文の人に怒られます。
すいませんでした。

先述の通り、歴史とか言語とか考古学とかはできないです。人文に行ってください。
文学は比文でしかできないので人気があります。
音楽に関する授業が開講されているのも大学内では比文だけです。わーい。

比較的少人数です。 
20人クラス×3+総合からの移行生20=80です。
「顔は見たことある」って人が多いかなくらい。
新歓とかOCとかで働くと知り合いだらけになります。
ただし
・必修が少ない
・専門科目でも他学類や総合生が授業を取ってることが多い
・研究室がない
ので先生との距離はそんなに近くありません。絡みに行ける強者は仲良くなれるかも。
卒論始まると違うのかなぁ……。

英語が3年生まで必修です。
第二外国語も2年春まで必修です。2年春のフランス語を落としました、来年再履です(真面目にやっていれば……)。
留学する人もそこそこいます。比文の研修としてプリンスエドワード島に留学できる制度もあります。
 
あと古典語?の授業も開講してます。ラテン語・ギリシャ語・サンスクリット語ができます。ラテン語取りました。

国語・社会(地歴公民)・英語の教員免許、学芸員、司書教諭の資格が取れます。
中学社会・高校地歴公民を取ろうとしていたんですがしんどくなって2年春でやめました。途中でやめる人多いです。
司書資格(司書教諭とは別物)は学類パンフには取得できるとは書いてません!が、頑張って取る人も割といます。移動が大変です。

コースや主指導教員を決めるのは3年生になるときです。存分に比文迷子できるね()

領野・領域・コース

なんかコースがいっぱいあります。すごいね。

【地域文化領野】
*日本アジア領域
 ・日本文学コース …先生みんな優しくて好き
 ・日本研究コース
 ・中国文学コース …先生は1人
 ・アジア研究コース

*英米・ヨーロッパ領域
 ・英語圏文学・文化コース
 ・フランス語圏文学・文化コース
 ・欧米研究コース
 ・ドイツ圏文学・文化コース …なんと先生がいないので実質消滅しています。なんでパンフレットに載ってるんですか?

*フィールド文化領域
 ・文化人類学コース …わたしはここ
 ・文化地理学コース

【超域文化領野】
*表現文化領域
 ・文化創造論コース
 ・テクスト文化学コース …人気なイメージある。文学は比文でしかできないからかな
 ・ワンプラネット文学・文化関係学コース …ネイティブの先生が1人でやってるコース。周りに希望してる人見たことないけど英語つよつよな人は行くのかな……

*文化科学領域
 ・先端文化学コース
 ・情報文化学コース

*思想文化領域
 ・現代思想コース
 ・比較宗教コース …先生が年々減っていったらしく、今は1人しかいない


こんな感じで分かれております。いろいろあるねー
領野についてはあんまり気にしてる人見たことないかも。
あと同じ領域でもコースによって全然違うことやってます。
選ぶときはコースと先生を見るのが賢明かな…という感じなのですが、最近先生の異動が激しすぎて先が読めません。どうなる比較文化学類。

コースそれぞれの説明とか書こうかなと思ったんですが、概論とかでしか取ったことない分野が多すぎて、あんまり書けませんでした。
ちなみに英米・ヨーロッパ領域の授業は何も取ったことがありません。そんなことある?

要は履修の自由度が高いです。他学類の授業もけっこう単位に含められる。
自分の興味関心について色々取れる一方で、かなり本人に委ねられているので履修失敗談を割と聞きます。
「あの授業取らなきゃいけなかったの!??」
「1年のうちにあれを取っておくべきだった……」は多発しています(私の周りだけか?)。

「文系の学問色々できます」な比較文化学類がどんなところか、
お分かりいただけただろうか……

メリット
・色々なことに興味があって色々やってみたい!決められない!人にはおすすめ
・色々な関心を持っている知り合いができる
・副指導教員は別のコースの人、とかもできるので横断的研究をしやすい

デメリット
・自分の関心以外の授業もある程度取らないといけない
・履修組むの難しい
・仲間見つけづらい

良くも悪くも「広く浅く」な学類かな、と思います。
自分の専攻をどれだけ深められるかは自分次第……?私は今後にかかっているので頑張ります……。

比文って自由だな、と思います。自由って難しいんですけどね……。

比文生あるある

ここからは比文生あるあるを挙げて比文生の生態を探っていきたいと思います。

・1限と水曜日スカスカがち
 1限と水曜日に開講されている授業が少ないので、スカスカになっている人多数。教職取るとまた違いそう。

・2食&粉クリコッペによく出没する
 比文の生息地は2学。特に2B棟使いがち。
 お昼ごはんはたいてい2食か粉クリコッペを利用するのでそのあたりにいれば大体誰かに会える。逆に誰にも会いたくなければ1学とか3学に行けば比文生はあんまりいない。

・授業がほとんど被らない同期もいる
 必修が少ないので興味分野が全然違う人には授業で遭遇しない。
 むしろ同じ分野の人文の人とかの方が遭遇する気がする。
 そのため少人数の割に顔知らない人がけっこういたりする。

・テスト嫌い
 文章書くのが好きな人が多いからかレポートの方が得意な人が多そう。
 比文あどかれの埋まり具合からも文章好きの多さが伺える。

・先生ラブの人が一定数いる
 主査をお願いしたい先生をずっと心に決めている、先生ラブの人に時々出会う。人文でできる学問でも、先生が大好きだから比文最高!!と思っているっぽい。

・こだわりファッションの人多め
 流行を追ったおしゃれというよりは、自分の好きなファッションを追求している人を多く観測する気がする。髪色派手erもよくいる。

・AC6……回収……(死亡)
 AC6とは科目番号です。
 これを42単位回収しないと卒業できません。がんばろう。
 できるだけ楽単で回収したいが演習も一定数取らねばならないのがつらいところ。

・マジで興味の対象が色々すぎる
 本当に色々できる学類すぎて人によってやっていることが違いすぎる。
 徒然草、浮世絵、仏教、ロシア文学、妖怪、農業、BL漫画、ジブリ映画、音楽、ジェンダー批評、建築、死生観……なんかすごい色んな人がいます。
 はじめましての比文生にどういうことやってるの?って聞くと割と面白いかも。しかしそれを聞いただけで「比文ってそういう学類なんだ~」というのは早合点すぎるのです。

3,4年次のことは何も知りません。私の知ってる比文はこんな感じです。

お前はどういうことをしているんですか?

ここまで比文ってどういうとこ?という話をしてきたんですが、ここからはお前はどういうことをしているんですか?ということが気になる物好きの皆様のために私の話をさせていただきたいと思います。

ここまで読んでなんとなく比文のこと分かったからもういいや、お前には興味ありません、という方はさようなら。ありがとうございました。

さらに比文のことを知りたい場合は受験生向けの広報誌「比較文化学類への招待」を読むか、任意の比文生と仲良くなってみてください。
比文生に興味のあることについて訊いたら、きっと嬉々としてたくさんお話してくれると思います。
人見知りのあなたは2学付近を散歩してみましょう。野生の比文とエンカウントできることでしょう。

比文に来たわけ

高校生の豆腐ちゃんが志望校を筑波に決め、比較文化学類に合格するまでの話からしちゃおうかな~うふふ。

まぁ合格体験談みたいなのは今までにめっちゃ書いたので、ざっくりいきます。

杏仁豆腐(15)が入学した高校はいわゆる自称進ってやつでして、高1のうちにオーキャンとか行っておいてね!とか言われるタイプの学校でした。
ほんとは実家から東京まで通うつもりだったんですが、オーキャンに行ってみたところ激長電車通学無理!!となりまして、一人暮らしを検討し始めました。

あと、数学苦手で文系に進むことは決めていたんですが、何がやりたいかが決まらなくて。
「というかやってみないとわからないのでは?入ってみてなんか違うってなったらやだなー」ということでなんか色々選べる学科のある学校を探して、見つかったのが筑波の比文だったわけです。

「総合の方がよかったんじゃない?」と言われればそれはそうなんですが、行きたい学類に行けなかったら泣いちゃうので。
あとこの時点で興味があったのが民俗学と文学と宗教だったのでそれができればいいかなーと。

そんなこんなで高1の秋には筑波の比文志望でした。今思うと割と早めだったね。

はい!勉強がんばりました!比文に受かりました!おめでとう!
(詳細は割愛、またいつか書くかも)

比文に来たはいいけれど

比文に来たはいいけれど、その大学生活はちょっと思ってたのと違いました。
対面の授業はほとんどなくて、学類の同期とはあまり交流が深められなくて……。そのかわりツイッターめっちゃやってた。こうしてツイ廃が誕生したのであった。

比文の形式がいいなと思って来たものの、私、授業一個一個が独立していてその後や他の講義と関連しないのがあんまり好きじゃないっぽくて。勉強の楽しいところは得た知識をその後とか他で活かせて、それが目に見えるところだったんだな、って思いました。
時々、「あ、これ他の授業と関連しているな!」ってことがあると楽しいです。ちゃんと授業聞こう……。

でも結局は全部言い訳なので真面目にやりましょうね私!
やだなーって思うことはいっぱいあるけど比文に来たことは後悔してません。他に選択肢はなかったと思うしそれなりに楽しくやっているので。がんばって卒業します。

専攻どうするの?

大学、あんまり好きじゃないかも……と気づいてしまった豆腐(18)。
専攻、どうするんですか?

・宗教:合わないかも。高校倫理までで十分かなぁ……。
候補から消えました。

・文学:
レポート書くのは楽しい。理論も面白い。
ただ一個一個の作品を卒論まで深められる自信がない。
単位回収が危うい。(1年生の間は社会の教員免許を取ろうとしていたため、文学系が……)
というわけで色々悩んだんですが、

・民俗学:先生やさしい!講義おもしろい!もともとけっこう興味があるし知識もある!いいんじゃない?

というわけで1年生の終わりには暫定民俗学、となりました。
割と最初から民俗学に傾いてたもんね。

ところが2年の春、どんでん返しが起きます。

豆腐(19)、「民俗学をやるからにはフィールドに出なくてはならないのでは?」と気づいてしまいました。
知らない土地で知らない人に話しかける……無理!と思ったのですが、もう後には引けません(たぶんまだ引き返せるのだが、こういうとき思い込みが激しい節がある)。
そこでとりあえず春学期開講の文化人類学実習を取ってみることにしました。

なんかたのしくなってしまいました。

まず受講者が少なかったのがよかった。10人前後だったのかなぁ。話し合いとかも活発だったし、先生ともお話しできてとても嬉しかったのです。
先生の話も面白くて、毎回ふんふん……って一生懸命聞いてメモしてました。

私はこういう大学生活がしたかったのでした。

そこで文化人類学をやってみたくなっちゃった豆腐ちゃん、いったいどうなっちゃうの~~??

実習に行ってみて

文化人類学実習では先生のフィールドである岩手県大船渡市に連れていかれました。
震災で津波の被害にあったまちです。
そこで、何をやろうかな、どうせならそこでしかできないようなことがいいなーと思いまして、ちょっとしんどいだろうな、と覚悟をしつつ、震災のことをテーマにしようと決めました。

それで、はじめは「震災の経験を伝承していくこと」についてやろうかと考えていたんですが、実習初日の朝に方向転換しました。

朝ご飯を漁港近くの食堂で食べたんですが、そこで働いている方にお話を伺ったときに、「震災を伝承する取り組みについて調べたくて……」と言ったら反応が悪く、これはだめだ!と思って咄嗟にまちづくりのことを聞いてみることにしたのでした。我ながらやるやん。

なんでまちづくり?と言いますと、「防潮堤」を見てすごく気になってしまったからです。
海沿いにずーっと高い壁が建っていて、要塞みたいになってるんです。海なんて見えません。
この辺に暮らしてる人たちはこれをどう思ってるんだろう?というところから色々調査してみたんですが、難しかったです……。

突然方向転換したため下調べが足りてなかったのもそうなんですが、そもそも「ハード面」というか、建築とかの部分をやろうとしていることが難しい。文化人類学ならコミュニティ、とか「ソフト面」(ソフト麺ではない)のまちづくりに焦点を当てた方がやりやすかったかもなぁ……。

というわけで、ソフト面のまちづくりに興味を持ってみることにしました。

「まちづくり」って何だろう?

興味を持ってみよう!と思ったもののこれが案外難しくて……。
「ハード面」のまちづくりは目に見えますよね。じゃあ目に見えない「ソフト面」のまちづくりって何だろう?文系の私でも関われるようなまちづくりって何だろう?というところから始まりました。

しかし、「まちづくり」というワードで本を探すとどうしても都市計画系になってしまって、理系~~……となるので困りました。
探してたら次に行きついたのが「地方自治」の棚でびっくりしました。なんかこう自分のやりたいことが「行政」とか「政治」と結びつくイメージがなかったので……。

ただ「地方自治」の本を読んでみようと思ってもあまり興味が持てなくて。
読んだだけじゃわからないし、フィールドに出てみたい!と思いました。
でもそれってどうしたらいいんだ……と考えた結果……

サークルに入りました。

社工の3年生(現4年生)を中心に去年できた、地域の人と関われるようなまちづくりの活動をしているサークルです。そこで自分も実際にやってみたいな、と思ったので入会させていただくことにしました(あんまり行けてなくて申し訳ないけれど)。

ここで「まちづくり」とは何か、実際に見てみて、今後に活かせたらいいな~などと供述しております。

次のフィールドワーク

次の実習は1月の民俗学実習です。
長野県小布施町にお邪魔することになっております。

実は、前回の実習で行ってみてからテーマを変えたことを反省しまして、今回は事前に下見に行ってみることにしました。
11月に比文同期に車に乗せてもらい、日帰りで長野まで行ってきました(マジ感謝)。

そこでもやっぱりまちの景観が気になってしまって、今回もそういうことを扱えたらと思っています。
前よりはうまくやりたい……。

書を持って街へ出よ

ここまで、私が文化人類学に、それからまちづくりに興味を持つまでの話をしてきたわけですが、別にあてもなくふらふらさまよってたわけじゃありません!とここで弁解しておきたいと思います。

文化人類学実習を受講し始めた時点では、完全に民俗学を専攻しようと思ってたのです。
そこでやっぱり文化人類学面白そう~となったわけですが、何にも考えずに転向したわけじゃないです。かなり悩みました。

民俗学にはずっと興味があって、高校の時から専門書とかもそれなりに読んできたし、知識の蓄積がけっこうあったんです。
同じフィールドワークの学問とはいえ、そこから文化人類学に変えるのはちょっと勇気がいりました。
なので春から夏にかけては文化人類学の本を読み漁りました。

それに、実習に出るにあたって、「知らない土地で知らない人に声をかける」というのは私にとってすごくハードルが高くて、失敗したくなくて、フィールドワークの手法の本もたくさん読みました。

読めば読むほど、やっぱり面白い、やってみたい、という気持ちになったので、文化人類学を専攻することに決めました。
でも時々やっぱり民俗学……という気持ちになってます。はっきりしろ!


杏仁豆腐の母はかつて、「書を捨てて町へ出よ」とよく言いました。
私は引きこもって本を読んでばかりいる子どもだったので、外へ出て色々なことを経験しろというわけです。
「なんで書を捨てなきゃいかんのだ!」と思いました。

何かの引用なのは知っていたんですが、今調べたら寺山修司の作品「書を捨てよ町へ出よう」でした。知らなかった。
母の方は命令形なのがウケますね。

文化人類学の本を読み漁っていた中に、「フィールドワーク 書を持って街へ出よう」という本がありました(タイトル回収!)。

「書、持ってていいんだ……」と思いました。

なんだかその副題にちょっとだけ感動して、そしてちょっとだけ運命を感じてしまい、こうして文化人類学を専攻しようとしております。ふふふ。


以上、比較文化学類ってどんなとこ?というのと、引きこもり人間が文化人類学を志すまでの話をしてまいりました。

比較文化学類が最高!とまでは言いません。やだなーって思うところもたくさんあります。でも私は比文に来たことで予期しなかった学問との出会いがあって、こういうところが比文のいいところかなーと思いますョ。

ではでは。

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