見出し画像

ノーリミット2-7シングルドローストラテジー(パート5):ポストドロー

■□■□■□■□■□

原文はこちらからどうぞ。
https://flopturnriver.com/poker-strategy/no-limit-2-7-single-draw-strategy-part-5-post-draw-draws-22209/

■□■□■□■□■□







by FTR Poker Admin | Jan 4, 2024 | Cash Game Strategies


ポストドローでのプレイを取り扱う連載第一回目では、ドローのタイプによってアウツがどう変化するかを見ていこうと思う。全体としてとりわけ難しいトピックというわけではないが、一部は直感的に理解しにくいところがあるため、これらの分布(アウツの内訳)にはどういった意味合いがあるのかに対する正確な感性を持てるようになるまで、少しだけ勉強が必要かもしれない。

■ドローvsスタンドパット

あなたの相手が、あなたがチェンジラウンドでスタンドパットではなく1枚ドローしたことを確認した場合、それによってあなたのレンジ分布は大きく変わる。そういうわけで、チェンジラウンドであなたが得た情報はとりわけ大切であり、理由としてはその情報によってポストドローでのプレイ全体が変わってくるからだということを肝に銘じて理解しておかなければならない。今後しばらくは、特にこのゲームにおいて1枚チェンジした場合何が起こるかについて見ていくことにしよう。

■様々なハンドへのドロー

(1枚ドロー)ハンドA7432での1枚チェンジ(Aを切る)を考えてみよう。一般的にデッキの中には47枚のカードが残されていると考えて良いことに注意してほしい(後である仮説にチャレンジしよう)。(※)下図は、最も強いアウツから最も弱いアウツまで順番に並べた上でアウツがどのようになるかについて簡潔に羅列したものである。この表を見ていくと、各頻度がどういう意味合いを示すのか気になると思うので、それらを随時検討していこう。

----------
(※)訳者注釈:
2-7シングルドロー においては、デッキ(52枚)のうち自分の手元にある5枚は既にその詳細が判明しているので、その5枚を除外して考えることができる。ここでさらに、(大雑把に考えると)実際にはデッキから自分以外のテーブル人数×5枚のカードが抜かれているのだが、そのカードの詳細が分からない以上は、それらがまだ抜かれていないものと考えても、確率を考える上で一般性を失わないという趣旨の記述かと思われる。また、この後の部分と次回以降のコラムで、カードリムーバル(カード除外。ブロッカーや、カードバンチングまで想定しているかもしれない)について触れるので、そこらへんの内容について、ある仮説(想定)を立てて考えてみようと筆者は言っていると思われる。
----------

一般化すると、ストレートやフラッシュになってしまうようなアウツがない上記(A7432)のようなドローにおいては3通りのまとめ方ができる。つまり、8より良いカードをヒットする確率が約25%、9より良いカードをヒットする確率が約33%、Jより良いカードをヒットする確率が約50%である。(※)

----------
(※)訳者注釈:
例えば、ハンド(K)7632ならどうか?
4→8.5%
5→17.0%
8→25.5%
9→34.0%
T→42.5%
J→51.0%
8以上が約25%、9以上が約33%、J以上が約50%なので、(A)7432の場合と同じである。
----------

■ドローハンドが弱い場合は?


ドローハンドが7432よりも弱い場合でも同様な配分になるが、それらの配分はリードカード(8lowのリードカードは8、7lowなら7)で単に一括りになるだけである。上記の例(A7432)では7lowのアウツは8アウツ、8lowのアウツは4アウツ、9lowは4アウツ、Tlowは4アウツ、最後にJlowは4アウツある。では、(A)7432の代わりに(A)8432も持っている場合はどうなるか考えてみよう。(A)7432で7lowのアウツになっていたものがすべて8lowのアウツになるので、つまり8lowのアウツが12アウツになり、9lowは4アウツ、Tlowは4アウツ、以下同様である。このように考えると、グッドハンドに昇格する確率を理解するのはそれほど難しいことではないのである。

■良いドローの平均は?

ストレートにならないTlow以上の4カードからなる1枚ドローハンドでオールインしたら、平均して弱いJ-9あたりもしくは強いJ-Tあたりのハンドが完成することとなるだろう。個々のハンド次第という面が若干ありはするものの、どんなハンドを持っていようがこの大勢に影響はないと言ってしまってほぼほぼ差し支えはない。

■レンジにおけるワーストハンドは?

1枚ドロー後にどのハンドでブラフすべきか理解しようとしているプレイヤーであれば、1枚ドロー後のワーストハンドが何になるのかを知りたいと思っていることであろう。もし仮にそれについて大局的な視点をもっていないとしたら、7432のようなハンドを持っていた場合、(1枚ドロー後の)ワーストハンドは77432、次点で74432と考えるかもしれない。

これが間違っているところは、レンジ全体について考えていないということである。例えば、9842のようなハンドを含むレンジで1枚ドローする場合、ポストドローのレンジには9や8のペアのレンジがたくさんあるであろう。レンジをバランス良く調整されたものにしたいのであれば、(7や4のような)ローペアでブラフする以前にこれらの(8や9の)ペアハンドでブラフする必要がある。さらに言えば、同様にストレートやフラッシュになり得るハンドでドローし、それらのストレートやフラッシュが完成したら、ペアハンドでブラフする以前に(それらのストレートやフラッシュで)ブラフをしなければならない。(※)

----------
(※)訳者注釈:
非常に強いハンド(ほぼ勝っているハンド)と非常に弱いハンド(ほぼ負けているハンド)はベットし、それ以外の中途半端なハンドはチェック/コールするのが一般的にバランスの取れたプレイラインかと思われる。そう考えた場合、1枚ドロー後のレンジの内訳は、最も弱い方から並べるとストレートフラッシュ、フラッシュ、ストレート、JかTあたりのワンペア、9のワンペア、8のワンペア、7のワンペア……が考えられるので、本文の77432や74432でブラフベットするにはマージナルすぎるということを言っていると思われる。ちなみに、通常の1枚ドローハンドのオープンレンジからは、クワッズ、フルハウス、スリーカード、ツーペアはできないと考えて良い。
----------

■ポストドローレンジの全分布

これまで上記の表において1枚ドローハンドのアウツを見てきたにすぎないが、ドロー後のレンジを考慮するには、可能性のある全ドローハンドを考えた上でそれらの加重平均を累計する必要があることを覚えておかなければならない。

これは何を言いたいのかというと、7lowや8low、または強い9lowなどの強いメイドハンド(の内訳)は、TlowやJlowなどのメイドハンドと比較した際、思っているほど多くはないということである。これら頻度の包括的な内訳は今回の一連のコラムの対象外であるが、スプレッドシートでアルゴリズムを組んで計算をする際に必要な情報はすべて今までに提供済みのはずだ。(※)

----------
(※)訳者注釈:
この部分はかなり発展的な内容と思われるので、ここで簡潔に説明するのは非常に難しい。よって、簡単なイメージだけ示してみる。
ドロー後に考えられうるすべてのメイドハンドとその組合せを強い順から並べると、
7low…4通り
8low…14通り
9low…34通り
Tlow…69通り
Jlow…125通り
Qlow…209通り
Klow…329通り
Alow…494通り


(ペアハンド、ストレート等)




で、これだけみてもハンドが強くなるにしたがって完成確率は小さくなっていくように見える。つまり、各ハンドの完成確率がそれぞれ異なるので、内訳も加重平均で計算しないと本当の答えは出てこないという趣旨の記述になっているのだと思われる。
----------

■カード除外

ここで、考えなくてはならない非常に重要なことがあるのだが、それはこれらのアウツの分布が、もしあなたに配られる前に相手のカードとして配られていた場合、相手の持ちうるカード次第で変わってくるということである。これに関しては、ホールデムのようなゲームと比較した際2-7シングルドローの方がずっと重要なファクターとなるため、通常よりもっと深く考えるべきである。

■「次回」その他のポストドローのシチュエーション

次回のコラムでは、パットハンドはドロー後どのようにプレイしたら良いのかについて検討したいと思う。これに関しては非常に興味深いトピックである。なぜならどのようなハンドでスタンドパット→ブラフ(パットブラフ)するべきなのかといったような内容について触れるからだ。お分かりのように、その答えには、何にも増してカード除外が非常に大きく関与してくることになるであろう。

(第5回 完)












この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?