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ノーリミット2-7シングルドローストラテジー(パート3):ドローハンドの組合せ

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原文はこちらからどうぞ。
https://flopturnriver.com/poker-strategy/no-limit-2-7-single-draw-strategy-part-3-draw-combos-21982/

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by
FTR Poker Admin | Dec 21, 2023 | Cash Game Strategies


前回のコラムで、1-4-10-20-35-76(←前回と同様56の間違いかと思われる)の数字の並びがスターティングパットハンドの組み合わせを数える際に極めて重要であるということが分かった。そして、今回のコラムを読んでもらえば分かるが、上記の数列は4枚で構成されるドローのスターティングハンド(スターティング1枚ドローハンド)の組み合わせを考える上でも有用である。しかし、それはドローする際どのカードを切るかによって変わってくる。

■ドロー候補(X)の理解:ドローイングファクター

X7432のような非常に強いハンドでドローする場合を考えてみよう。まずどのカードがXに該当しうるかについて知らなければならない。(Xとして)A、K、Qを切るのはほとんどの状況で明白であるが、状況によってはJもしくはTですら(Xとして)切ることもあるかもしれない。“drawing factor(ドローイングファクター)”とは、Xに該当するカードが正味何通りあるかに基づいて、特定のドローハンドの組合せが実際に何通りあるかを数えるための尺度である。

各カードには各々4つのスートがある。したがって、A、K、Qを切ると言った場合には、それは(カード)ランクに基づいたカード3種類(A・K・Qのみ)のこと、あるいはスートまで考慮したカード12種類(A・K・Q×4スート)のことを指している。しかしながら、これまでのコラムと同様の便宜を図れば、(ランクに基づいた)カード3種類の方を考慮すれば良く、したがってQ以上を切るということは、3通りのカードを切るということを意味する。

しかし、ペアに関しても同じように考慮しなければならない。例えば、上記ハンド(X7432)でXの候補となりうる7、4、3、2は、スート毎に各々3通りずつ(コンボが)ある。この計12コンボという数字はA、K、Qの12コンボと同じであることにお気づきだろう。これはA、K、Qが(7、4、3、2と)ペアにならないハンドであるからにほかならない。

以上のことをまとめると、捨てる(切る)カードの組み合わせ(Xの場合の数)を数える場合、まず定数を3としてペアとなるカードの帳尻を合わせ、そこにA、K、Q、Jなど(ペアにならないハンド)の組合せをその分だけ足し算すれば良いということになる。(※)

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(※)訳者注釈:
この段落は非常に重要であるにもかかわらず、表現が抽象的すぎて難解であるので、前後の文章との辻褄を合わせて、あくまで独自に説明し直してみる。

例えば、X7432の(スターティング)1枚ドローハンドを想定する。
X=A、K、Qの場合、Xの組合せ(スートは考えない)は(当然だが)3通り、Xの(スートを考慮した)総コンボ数が12コンボ(便宜上“通り“とは区別して使っている)である。
同様に、ペアになるXとしてX=7、4、3、2がある。組合せは4通り、スートを含めた総コンボ数が12コンボである。
しかしここで、ペアだとA、K、Qとは違って組合せ1通りあたり3コンボしかないため、組合せ1通りあたり4コンボあるA、K、Qの組合せ(3通り)とこの4通りをそのまま足し算することはできない。
そこで、これらを直接足し算したいがために、ペアの方の組合せを各3/4通りに換算したものと思われる(総コンボ数が互いにちょうど同じになった時にそのような調整ができる)。
ここで、1枚ドローハンドであれば、ペアになるXは常に4種類(通り)なので、4×3/4=3という定数が導き出されたものと思われる。
後はそこにA、Kなら2(通り)、A、K、Qなら3(通り)、A、K、Q、Jなら4(通り)を(直接)足し算すれば、すべてのXの組合せ(場合)の数(=ドローイングファクター)となる。

ちなみに、Xは、上記の換算をした後の正味の組合せなので、実際の組合せとは区別するためにドローイングファクターと名付けられているものと思われる。
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具体例を挙げると、A、K、Q、Jを切る場合ドローイングファクターは7である。同様に、A、K、Qのみを切る場合ドローイングファクターは6となる。ドローイングファクターは、ドローハンドの組合せを数える前に計算しなければならないので、ドローイングファクターの計算は常にファーストステップとなる。

■組合せの求め方

特定のハイカードをもつ4枚からなる(1枚)ドローハンドは何通りあるだろうか?例えば、1枚ドローハンドである7xxxは何通りあるだろうか?その答えは、7432・7532・7542・7543・7632・7642・7643・7652・7653・7654の10通りであるが、1-4-10-20-35-76(←56の間違いと思われる)という数字の列(前回検討したトライアングルナンバーの合計)を使えば、あなたはこの問題に答えられるようになる。

□1枚ドローハンド5xxxは何通りか?→1通りのみ。
□6xxxは?→4通り。
□7xxxは?→前述のとおり10通り。
□8xxxxなら20通り、9xxxなら35通り、Txxxなら56通り。

最後に、(1-4-10-20-35-56の数字を使いショートカットして導き出した)1枚ドローハンドの場合の数と前述したドローイングファクターを掛け算してみてほしい、するとその数字が1枚ドローハンドの組合せとなる。これはちょっと難しいので、以下、何個か具体例を見てみよう。

■ドローハンドの組合せの計算例

(例題1)A、K、Q、Jを切る1枚ドローハンドの場合、5xxx、6xxx、7xxx、8xxxの組合せは計何通りあるか?

まず、常にドローイングファクターを数えることから始めよう。切るべきカードがA、K、Q、Jの4通りあるので、それに定数3を足せばドローイングファクターは7となる。

次に、ドローハンドの場合の数を数える必要がある。5xxxなら1通り、6xxxなら4通り、7xxxなら10通り、そして8xxxなら20通りである。これらすべてを足し合わせると、35通りのドローハンドがあることがわかる。

最後に、ドローハンドの場合の数(35)とドローイングファクター(7)を掛け算すれば、スターティング1枚ドローハンドの組合せは(35×7=)245通りとなる。

(例題2)A、K、Qのみを切る1枚ドローハンドの場合、5xxx、6xxx、7xxx、8xxx、9xxxの組合せは計何通りあるか?

ステップ1:ドローイングファクター
A、K、Qの3通りのハイカードを切るので、3+(定数)3=6である。

ステップ2:ドローハンドの場合の数
5xxxから9xxxまで順に足し合わせると、1+4+10+20+35=70となる。

最後に、これらを掛け算すると、(例題のドローハンドの)組合せは6×70=420通りとなる。

■組合せの厳密な定義

今回のコラムにおいて我々が「組合せ」と呼んできたものは、厳密には組合せではなく、それらは単に特定のハンドの種類(の数)にすぎない。実際には、各ハンド毎に1,024通りずつのコンボがある。しかしながら、そのうちスートがすべて同じ4コンボを除けば、それら(残りの1,020コンボ)はすべて本質的に同じ価値を持っているし、その4コンボに関しても、その割合がごく僅かな(0.4%ほど)ため差し当たり無視して良い。

この考え方は、前回のコラムで検討したスターティングパットハンドの組み合わせの考え方と全く同じである。そして、各々具体例をみていけば、ノーリミット2-7シングルドローではパットハンドに比べて1枚ドローの組み合わせの方が圧倒的に多いことにお気づきになるだろう。

次回のコラムでは、これまでにみてきたプリフロップレンジを定量化する方法に必要な計算をすべてフル活用することで、「上位10%のハンドは何か?」というような質問に答えることができるようにしたい。そうするためは、今回と前回の内容を知っている必要があるためちょっと難しいかもしれないが、そこまで心配する必要もない、なぜならそれらの計算に必要な数学はすべてごく僅かだけなのだから。

(第3回 完)



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