マガジンのカバー画像

キャタピラスープの1000日 - 喪失から再生への旅路

32
30代で夫と死別した「零」の日記。「わたし」を構成していた価値観やアイデンティティといったものは、どろどろに溶けてしまった。自分に深く潜り込み、いつの日か、自分の「コクーン(繭)…
運営しているクリエイター

#幸せ

自己紹介:「キャタピラスープの1000日」

「忘れないで。わたしを忘れないで、置いていかないで。」 その声は、たしかに聞こえたのだ。 はじめは、午前中の明るい日差しのなかで。 つぎは、その夜。温かなお風呂のお湯のなかで。 それは、「あの頃のわたし」の声だった。 悲嘆の日々を記すこと 2018年の夏。最愛の夫が、あちらの世界に旅立った。 出会いからずっと一緒だった10年の「私たち」の日々は突然終わりを迎えて、真っ暗闇の、いわゆる「悲嘆の日々」が始まった。 「死」は遠かった。なのに突然目の前に降ってきて、そこら中

2018/09/26 「幸せ」

8:14 良く眠った。この感じ、一体いつぶりだろう。鍼、いや、先生すごい。 10:15 「幸せ」ってなんだろう。 阪急京都線で淡路駅を通過する。二〇一五年に行った淡路島へのキャンプを思い出す。 シルバーウィーク中に誕生日を迎えるようになってから、時期をずらしてお祝いをするようになった。「混雑するならやめとこう」レベルに混雑耐性が低い。その年も、十月に入ってから誕生日旅行に出かけた。淡路島は洲本にあるビーチ沿いのキャンプ場、First class Backpacker