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「日本」で日々暮らす我々が直面する毒を解くには、

「弱いものにやさしく」

★日毒
「八重洋一郎氏の詩集『日毒』には、不条理な支配や抑圧に抗う言葉が鋭く重く重ねられている。
その中心となる言葉が、日毒、つまり日本のもらしている毒だ。
大東亜戦争 太平洋戦争
三百万の日本人を死に追いやり
二千万のアジア人をなぶり殺し それを
みな忘れるという意志 意識的記憶喪失…

日毒ここに極まれり
(その腹中はどんなに他人を犠牲にしても 自分だけは生き残る)
(血の色の大輪を咲かせ己だけは生き残る)
日毒ここに極まれり」
引用:『日毒』ori 2017/12/27
https://ameblo.jp/housingcooperative/entry-12340061054.html

★琉毒
「日毒もあるが琉毒もあるのことばは印象的で、断言できない人間の歴史であり諸相といえばそうで、白黒、グレー、多色に生きているわたしたち!
何が毒をもたらさないか、どうしたら解毒できるか、考え実行するのが知恵なのだと感じているが、不完全で不器用で、ゆれている思考の中に生きている。一本の線で貫かれているのは、先日那覇市場の75歳の女性が話していたことば、『弱いものにやさしくしたら福がやってくるのよ』に答えがあるように思える。
徒党を組んで、あるいは一族の利害のために動く力のある者たちが、社会を切り回すその動きには声をあげたい。
その力のある者たちが、身近にいる善良に見える識者の中にもいるので、人の世の魑魅魍魎はここかしこに出没しているのは確からしい。
『はじめからいいところ取りの人々もいるよ』とは若者の弁である。
思い当たる人々の顔が浮かぶが、猫が好きで野良猫をやしなっている女性は、かつて『今帰仁天底節(なきじんあみすくぶし)』の生活を凌いできた様子だった。
ここかしこにつらい人生を凌いできた人々の声が聞こえる。日毒や琉毒と言い切れない(断言できない)ものがありそうだ。混合する渦のような世界に、静けさも漂う。」

『「日毒」に対して「琉毒」もあるのだよ、と離島出身の詩人が語りました!』
2018-07-17 17:38:55 |
https://blog.goo.ne.jp/nasaki78/e/fd8be0d3f00ee15d90bf8b0e63fa4e97

▲今帰仁天底節
なきじんあみすくぶし nakijiN 'amisuku bushi

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我生まり島や枯木山原の今帰仁の天底 仲本の産子
○私の生まれ故郷は枯木(さみしい)山原の今帰仁は天底の仲本家の子供

七ちなる年に二とくるの親や我身一人残ちこの世間に参らん
○七つになる年にお二人の親は私を一人残してこの世間に居られない

十八なるまでやをばま一人頼て暮らち居る内に行ち欲さや大阪
○十八になるまでは叔母一人を頼って暮らしているうちに行きたくなった大阪に

情あるをばま云言葉んしむち大阪北恩加島(きたおかじま)街頼て来やしがかかるかたねらん しがるかたねらん
○情けある叔母の言葉にも背き大阪北恩加島街を頼ってきたが頼る人はいない すがる人はいない

我部の新垣の嫁に我なやい一年二年や梅と鴬の如に暮らち居る内に産子一人できて
○我部の新垣の嫁になり一、二年は梅と鴬のように(仲良く)暮らしているうちに子供が一人できて

産子引ち連れて里が島来やれば里が母親にあくむくゆさりて罪無らん我身に朝夕ぶちかきて
○子供引き連れて故郷にきてみたら彼の母親に悪い報いをされて 罪のない私に朝夕鞭を打ち

噂むち明かち我ねすそーんしみて哀り泣く泣くに出さりて
○噂を持ち出して私を粗末にさせて哀れ泣く泣くうちに家を出されて

我身や落て花の島行ちゅる身の苦りさ 胸内ややきて色に表さん 知らぬ客びれや尾類小の勤め
○胸中は焼けて(も)表には出さない 見知らぬ客との付き合いは女郎のつとめ

(コメント)
今帰仁の天底を舞台にした薄幸の女性が自分の人生を語る。
事実に基づいた唄。1930年くらいの作品。
しかし、実際は、天底が生地ではないということは「島うた紀行」に詳しい。
この歌詞は「大城美佐子」の「片思い」というCDから採譜したものだが、この本には本歌が載っている。
13の琉歌からなっている。

大阪に行ったあと、このような表現が本歌にある。

春の花とむて行んじゃる我んやしが 秋の紅葉ばに落てぃる身になやい
(春の花と思って行った私だが、秋の紅葉の時に落ちる身になってしまった)
主人公が自分のことを歌ったのではなく、その主人公を知る(実際にはその子どもの世話をしたり、お金を貸してあげたりした)人が作者で実名が明らかにされていない。主人公の夫が同じ村にいて、この歌を歌うこともはばかれたという。その後この歌は一人歩きし、題名も後につけられたという。
作者はここまで歌が広がるとは思わなかったのではないだろうか。

出所:『たるーの島唄 まじめな研究』2006/06/04
https://taru.ti-da.net/e742296.html

上の画像:https://utaten.com/movie/qk18064035

タイトル画像:https://teddyangel.com/2536


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