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密会【シロクマ文芸部】

布団から足がはみ出していないかドキドキしていた。

当時私は実家の離れを自分の部屋とし、週の半分程度はそこで暮らしていた。その日もしこたま酒を飲んだ挙句、夜明け間近に帰宅したのだった。

ベッドに横にはなっていたが、そろそろ寝ようかという時、部屋をノックする音が聞こえた。
「ハイ」と返事をすると扉が開かれ親父が顔を出した。
とっさに布団を引き上げた。

親父の用件は今から父母と妹は親戚の家に行くからというものだった。
「分かった」と返事をしたが掛け布団から足がはみ出していないか心配だった。そのまま扉を閉め、親父は遠ざかったのだが、私の横には女性が眠っていたのだった。そう、いわゆるお持ち帰りというやつだ。

こういう場合普段は女性の部屋へ行くことが多いのだが、今夜の彼女は男子禁制のマンション住まい。どこかのホテルとも思ったが私はそういう場所をあまり好まない。仕方なく実家に連れ帰ったのだが、普段私の部屋になど訪れることのない親父がわざわざ来たのは、離れとはいえバレバレだったのか、それとも虫の知らせだったのか。特に何も言われなかったが気になるところだ。まぁ、お持ち帰りはこれが初めてではなかったけどね。

彼女とは半年ほど付き合っただろうか。二度目からは男子禁制のマンションへ忍んでいったことは内緒だ。

シロクマ文芸部さんに参加させていただきます。
小牧幸助さま お手数をお掛けしますがよろしくお願いいたします。


#シロクマ文芸部 #布団から #お持ち帰り #男子禁制 #内緒

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