BigHitのNAVER協業、YG Plus協業についてまとめ
こんにちは。
2021年1月27日に報道された、BigHit(以下BH)のNAVER及びYG ENTERTAINMENT(以下YG)の子会社YG Plus(以下YGP)の2件の協業について、army界隈やK-POP界隈(特にYG所属アーティストのファン)で色々とざわつきが生じているようです。
実はそんなざわつく必要はないのですが、なかなかこれを読み解くのも難しいので解説を作りました。小難しいかもしれませんが、頑張って平易な言葉で書きます。
長いし小難しいので、面倒な方は一番下のまとめだけどうぞ。
注意事項
①今回の内容は全て日本語に翻訳されたニュース(中央日報等複数ソースを一応見ています)から作成しています。そのため、翻訳が間違っていた場合、この内容も間違っている可能性がありますのでご了承ください。(特に買収関係は、方向を間違えるとエライことになるので…)
②本来は登場する企業の財務等に関する分析が必要なのですが、その辺はスピード重視のためすっ飛ばします。また、韓国の会計基準は知らないので、日本及びIFRSを前提に進めます。
③完全に1個人の趣味で書いてます。このnoteで投資判断等されても責任を負いかねます。
1.NAVER、BH子会社のbeNXに出資
NAVERがBH子会社のbeNXに出資した件は、報道によると以下です。
・第三者割当増資でbeNX株式の49%を取得
・買収額は3,548億ウォン/332億円(一部、4100億ウォン/385億円との報道もあり)
・同時にNAVERのV LIVE事業部をbeNXに譲渡(記載ないですが多分無償譲渡)
・beNXの社名変更→WEBERSE COMPANY Inc.へ
・weverseとV LIVEは1年ほどかけて1システムに統合予定
文章で書くと分かりにくいですが、図解すると分かりやすいです。
ポイントとしては、株式の保有比率がBH:51%、NAVER49%とほぼ半々なので、どちらかの会社が実質支配しているというわけではないことです(株主上はBHですが)。なので、「weverseがV LIVEを吸収した」と読むのは間違いで、システム上はどちらがメインとなるかは不明です。インターフェース(外観)はweverseでも実質的なシステムはV LIVEがメインとなることは充分あり得ますし、その逆もあります。
NAVERはこれまでも、2017年にYGに対して1000億ウォンの出資、SMエンターテイメントの関連会社に1000億ウォンの出資をしています。NAVERはコンテンツとして、アイドルに魅力を見出しているのが非常に良く分かります。今回の出資についてもこの流れで、BTSはじめBH所属のアイドルを含め、weverseを利用するアーティスト及びweverse内にあるコンテンツに投資をしたと見るのが良いでしょう。また、YGのアーティストがweverseに参加することで、さらに価値が高まります。
また、weverseにはグッズ・コンテンツ販売を行うweverse shopがあるので、そこからの利益(システム手数料など)も見込まれます。ここも、これからのBHアーティスト、YGアーティストで飛躍的に伸びていくのでしょうし、YGPとの協業でグッズ自体が増えていく可能性があります。
ここからは完全に憶測ですが、BHがなぜweverseの株式を譲渡したかについては、同時配信などディレイが許されないものに対する運営をNAVERに任せたかったのかもしれません。新型コロナの影響で国内公演ならまだしも、海外公演は全く目途がたたない状況ですし、オンラインコンサート等を今後配信していくことを考えて、このタイミングでの協業になったのかと。もしくは、V LIVEとの合併でweverse自体の価値をあげ、競合となるUNIVERSEとの差別化を図る目的なのかもしれません。完全に憶測です。
なお、1週間前くらいに、NAVERとBHが株式交換を行うとの報道があったようですが、1/28現在、この件に関しては具体的な額等が出てきません。今回のbeNX投資により、この話は立ち消えた可能性もあります。不明です。
あ、あと、この買収でBH側にはだいぶ現金が入ってきましたね。BHは経営状態はそこまで悪くないという観測をみましたが、この資金をどう回すのかは気になるところです。日本子会社用とかだったらいいな…。
2021/1/30 22:10追記
Bangtan Lab様より、NAVERが翻訳ソフト「papago」を発売しているので、今回のアプリ統合で翻訳もpapagoベースになる可能性がある?というツイートを拝見しました。
weverseは翻訳が本当にひどい(意味が通じないレベル、結局ツイッター等でボランティアで翻訳して頂いてる状況)ので、個人的にもpapagoへの置換をとても希望しています!
---追記ここまで、Bantang Lab様より記載の了解を得て書いています---
2.BH及びbeNX、YGの子会社YGPに投資
BHがYGの子会社YGPに投資した件は、報道によると以下です。
・BHが300億ウォン、beNXが400億ウォンの計700億ウォンをYGPに投資
・YGP株式の持株割合はBH7.7%、beNX10.2%で計17.9%
・戦略的協業の土台を準備し、プラットフォーム・流通・コンテンツなどの分野で協力していくことに合意
・YGPのアーティスト・グローバル・メンバーシップ関連事業はweverseを通じて展開
・YGPはBHアーティストの音盤・音源流通、MD(マーチャンダイジング)事業を協業
これも投資を図解すると恐ろしく単純です。
投資額は1のNAVER4,000億ウォンと比べて5分の1以下、今回の投資による持株比率も二社合わせて17.9%と20%に満たない(株式による支配力が出てくるのは20%から)ので、今回の投資は単純に協業のための布石と見て良いでしょう。YGがBHに吸収とか、そんな恐ろしいことは今回全くないのでご安心ください。
YGアーティストファン向けのポイントは、YGアーティストが今までどのアプリでファンダムとコミュニケーションを取ってきたか分かりませんが、それがweverseに移行するということです。よって、グッズ販売・コンテンツ販売もweverseに移行すると思われますが、BTSも日本向けグッズは一部JPのFC Official Storeで販売していたりするので、どこまで移行するかは分かりません。個人的には、weverseは翻訳がめちゃくちゃなこと以外はそんなに悪くないですし、1のNAVERとのアプリ合併で改良される可能性も高いので、悪い話ではないと思います。
BHファン向けのポイントは、MD事業の協業でしょうか。グッズをYGPと協業するので、今後色々グッズが増える可能性があります。今でもTinyTanとか紫のクジラとか色々出てますが、もっと増えるのか…。あと、音源流通も協業するので、Mix Tapeがその流れに乗るようになるのかが気になるところです。
まとめ(ファン向け)
NAVERとBHについては、weverseとV LIVEが1年後くらいに統合されることがポイントです。改良かもしれませんし、改悪かもしれません。改良を願うだけです。
BHとYGについては、別にBHはYG乗っ取ろうとしてないから安心してね、が一点。YGアーティストのコミュニケーションアプリがweverseに移行する、グッズやコンテンツ販売がweverse shopに移行するというのが一点です。BH側は、もしかしたらグッズ増えるかもねー、程度です(YGPの事業をちゃんと調べてないので、ぶっちゃけこの辺は良く分かりません)。
結論、みんな、心配しなくても大丈夫!ということだけ言って終わります。
ご質問はtwitter(@miw_jkookpen)までどうぞ。ただし回答できるかは分かりません。事実誤認があったら教えてください。
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