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4-6歳児の歩行開始時における準備的な調節(Preparatory adjustments during gait initiation)

Malouin, Francine, and Carol L. Richards. "Preparatory adjustments during gait initiation in 4–6-year-old children." Gait & posture 11.3 (2000): 239-253.

【要旨】

歩行開始に関連した準備的な調節を6名の子ども(4-6歳)と6名の成人(50-61歳)で比較した.対象者が歩行を開始するときに2つのフットプレートのいずれか立位を支える側の筋活動,床反力そして身体運動力学を記録した.成人と同様に子どもは一貫した予測的活動を重心偏移に伴い前脛骨筋(TA)に見せたが,関連するCOPの後方偏移の大きさと付随するTAの活動開始は子どもの方が少なかった.後者の知見は子どもにおける前方への少ない推進,そして後方偏移とその後の前方への速度との明確な共分散(covariance)の欠如と関連していた.対照的に,内外側方向(M:L)方向の準備的な調節は子どもでは優位に見られた.子どもではより大きなM:Lのピーク力の割合が早期の立脚側への体重移動と関連していた.さらに,子どもはより幅広のBOSから歩行を開始していてCOPは成人のように後方ではなく側方の軌跡をたどっていた.準備的な調節が一貫して見られるということは歩行開始に関する運動プログラムがこの年齢で機能しているということを示唆している.前後方向での応答量が減少し,かつ左右方向の準備的調節が優位であることは歩行開始の予測的な振舞いはまず前額面で発達し,成人のような歩行開始のプロセスに十分到達するにはより多くの歩行経験とより良い姿勢の安定性が求められるということを示唆している.

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