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自分の怒りを人に代弁してもらおうとすることと、それに対する鮮やかな回答

鈴木涼美さんの「ask fm」 で、北条かやさんをどう思っているか問われた回答がすごく丁寧で、誰かのことを論じるのなら、これぐらいの繊細さを持って書かなければと参考になった。

北条かやさんが「文化資本がものすごく低い地域にいたが故に、自分はものすごく文化資本が高いと勘違いさせられた」のが彼女の不運だと解き、デビュー作の『キャバクラ嬢の社会学』が「誰にでも書けそうなもの」であり、それでやっかみを受けているいるのだとしたら、人を黙らせるにほど実力を感じされるものを書くべきだとエールを送る。

ところで、どうしてこの質問者は鈴木涼美さんに、北条かやさんのことを聞くのか、気になって調べてみたら、鈴木涼美さんの『AV女優の社会学』は2013年6月発行で、北条かやさんの『キャバクラ嬢の社会学』は2014年2月発行だった。

北条かやさんの本のタイトルが他の作家さんの考え出した言葉を勝手に使ったものだと訴えた人がいるので、もしかしたら、同じように鈴木涼美さんにも北条かやさんを叩いて欲しかったのだろうか?

自分が北条かやさんが嫌いなら、自分が叩けばいいのに、別の人を使おうとするなんてすごくずるいと思うが、それに対して、こんなに鮮やかに返した、鈴木涼美さんの洞察力や文章力は本当にすごいと感じた。

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