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「嫌がる人のリアクションを楽しむ」のはエロコンテンツだけでなく、バラエティー番組でもあふれていること

VR体験会で披露された「仮想現実のリゾート地で水着姿の女の子を間近で眺めたり、身体のやわらかい部分に触れたりできる技術デモ」の内容が海外から非難されているそうだ。


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この記事によると、エロいことよりも「嫌がる女の子のリアクションを楽しむコンテンツの意図そのものが、国外から批判を浴びている」のだそうが、それはなにも男性が無垢な女性相手に妄想を膨らませるエロコンテンツに限ってのことではなく、「嫌がったり、辛い目にあっている人のリアクションを見て喜ぶ」という風潮が、現代日本にあることがこのようなエロコンテンツを許容している一因でもあると私は思う。

たとえば、バラエティー番組では、クイズを間違ったり、何かの課題をこなせなかった罰として、いや、特に理由もなく、叩かれたり、電気ショックを与えられたり、熱湯風呂や冷水に入れられたり、辛子など激辛なものを食べさせられたりして、出演者が苦しむシーンがよく登場する。

私はそんなものを見ても不快感しかないが、それを見て大喜びする人もいるようだ。

多くの出演者は自分が苦しめられるシーンがあることを承知で出演しており、「いじられること」が「テレビで注目を浴びる」ことになり、「おいしい」と思っているタレントもいるらしいが、本当は痛くないのに、大げさに苦しがっているのではなく、本当に叩かれたり熱湯風呂に入ったり苦しい思いをしている。

「苦しがっている演技を楽しむ」のではなく(それもどうかと思うが)本当に人が苦しんでいるのを見て楽しむことが、日本のバラエティーにおいて、ひとつの笑いのジャンルとなっている。

そういった文化に慣れ親しんだ子供たちが、他人の痛みに敏感になれるとはどうしても思えない。

大学生による集団レイプ事件では、嫌がる女性の姿を動画撮影し、ネットで仲間に送っていたそうだが、彼らにはその映像が「バラエティー番組で罰ゲームを受けている芸人を笑うコンテンツ」と同種類のものに思えているのだろう。

私自身はそんなバラエティーを見ないし、子供にも見せてはいないが、「人が苦しんでいるのを楽しむ」コンテンツが、なくなればいいのにと思っている。

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