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コロナ禍の川上から見ている

コロナの感染者の増加傾向が止まらず、東京や大阪を含む7都道府県で緊急事態宣言が出された。

ニュースでは「自粛」によって営業を休止させられる業種の詳細や人がいなくなったビジネス街や夜の街の現状を伝えている。

ツイッターでは、学校休校が要請された2月末ごろから仕事が少なくなったと悲鳴をあげている風俗嬢たちの声が多かったが、休業が決まり、いよいよ「収入ゼロ」に追い込まれた。

風俗、キャバクラ嬢など、夜の世界で生きている女性には大まかに分けて2種類いて、普通の生活は送られるけど、もっと贅沢な生活に憧れてこの職に就く人と、元々貧しくて普通の生活を送るためにやむなく性を売ることを決意した人。

最初は前者だったが、歳を重ねだんだん稼げなくなっても、今さら一般の仕事に転職も結婚もできず、生活のために性を売り続ける後者になってしまった人もいる。

気の毒だとは思うけど、そういう人は一刻も早く生活保護などの各種支援に頼ってほしい。

風俗やキャバクラでがんばって働く労力を各種支援先への陳情に向けていたら、もっと厚い支援体制が整っていたのではないか。

独身時代、ボランティアを通じてDVに悩む女性の支援に関わったことがあった。

私が関わった直後、地元の保護司さんが動いてくれ、シェルターに避難、母子寮を経て一般のアパートに転居するが、ずっと母親が生活保護を受け、産まれたばかりの子供は中学校卒業後専門学校に行き美容師になった。

そんな「最低レベル」の生活はいや、大学に行っておしゃれもしたいと風俗で働きはじめても、苦労や嫌な思いだけが増えて貧しいままという女性たちがどれだけいるのだろうか。

一方、今回のコロナ禍でも、私の周りでは、収入は若干減ったけど生活に困るほどでもない、経済的なことより、予定していた旅行や楽しみにしていたイベントが休止になったことが辛いという人が圧倒的に多い。

あるいは、休校が続くことで子供の学力低下や受験への影響を心配する声だが、家庭学習を有利に進められるだけの財力や環境の整っている人たちが私の周りでは多い。

なかには「戦時下のように貧富の差が縮まる」という声も聞こえるが、それは今恵まれていない人の幻想であって、おそらく格差は広がるばかりではないか。

自粛ですることがないから、家でセックスする人が増え出産率が上がるなんてことを言う人がいるが、現在付き合っているカップルが結婚を決意したり、気になっている人たちが正式に付き合うことはあっても、孤独な人は孤独のまま、一層非婚率は高まるのではないか。

なんだか暗くなる予想ばかりだが、自分は川上にいるという自覚があり、悲壮感はまったく感じない。

デパ地下でお弁当を買って彼と落ち合い、桜を見ながらベンチで食べる略化した「お花見」もした。

少し外出の機会は減らしながら、いつも通りに暮らしている。

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