常に1人だった幼少期。
幼少期に「虐待」を経験。常に1人だった幼少期。そして目に見えない存在との出会い
16歳の時に、人生で一番衝撃的な事実を聞いた。今までの事が点と点が線となり繋がった。
「母親との血縁関係がないよ」
と言われた瞬間、心のどこかでマリオネットの糸が切れるように「プツン」と音がした。物心ついた時から、叩かれたり髪を引っ張られたり・・・。時に包丁を突き付けられたこともあった。体には傷が残り、一生消えない。心の傷は、時間が解決してくれる・・・と思っていた。
しかし、長年押さえつけられて育った私の感情は外に出すことさえできずに、「信じる事」も「生きる事」も諦めるようになっていた。「愛される」ということは皆無でしかなく、ねじ曲がった性格となっていた。「虐待」は肉体的な事だけではなく「子供らしさ」ということさえも皆無な状況になっていた。保育園には通っていたが、休みの日は常に1人でいた記憶しかない。公園で遊ぶのも1人・・・。家にいても「○○に行きたい!」・「○○が欲しい」といった子供ならではの我儘も言えずに、そんな中でも買ってもらえていた「本」が友達だった。近所の子供と遊んでいても楽しくない・・・どう接していいか分からなくて、ただ一緒にいるだけの状態。笑っているけど心から笑うことが分からなかった。
ただ「本の世界」だけは違った。物語の主人公たちに自分を重ねて
「こんな風に感情を出せたら楽しいだろうな・・・」
といつも思っていた。
だから、幼少期から1人でいる事に苦痛を感じたことがないし
「結局は1人だよ」と自分に言い聞かせてきた。
1人で過ごすことが多かったからか、「ひとり会話」が多かった。
人がいないのに「~だよね?」と自分に言い聞かせるように会話しては「うん。そうだよ!」というように・・・。
のちに気づいたのが「ひとり会話」ではなく、
「視えない存在との出会い」
だったということ。
「ひとり会話」しているときに返ってくる「声」は、様々だった。
大人のような時もあれば同じくらいの年の時もあった。「怖い」という感覚は不思議と感じなく「当たり前」だった。
しかし、成長するにつれて「ひとり会話」をすることを止めてしまった。「変な子」と言われるのが嫌で、周囲の目を気にして自分を押し殺すことを始めたのが小学校入学の時期から。