異世界転生覚書

管理に失敗し、リソース不足に陥った時、神の行動は

およそ2つのパターンに大別される。

なんとかやりくりし(あるいはリセットし)リカバー

する神と、お手軽に他神の所有物を盗む駄目神とである。

大半の神は前者を選択するが、楽に過ごそうと後者に陥る

神もいる。(やり過ぎると堕ちるのだが)

そうして盗むことを考えた駄目神がやらかすのが

トラックによる異世界転生である。

異世界転生というと強力なスキルを得るのが定番であるが、

そもそも世界運営に失敗した駄目神がそんな余剰エネルギーを

持ち合わせているはずもない。

転生者に付与されるのは、転生元にある他神のエネルギーで、

転生者を招くのは、神のエネルギーを運ぶ器としてである。

なもので、他神にばれると非常にまずい。降格待ったなしと

なるからだ。

そのため人死にのどさくさにまぎれエネルギーを盗もうとする。

こうして、目くらましと運び屋確保のために考え出されたのが、

トラックによる強制異世界転生だ。

そして…魔力利用がほとんど無いうえに、管理神が多く目が

届きにくい箇所がある地球は、格好の”狩場”として駄目神達に

認識共有されていた。

あまりの被害に地球神たちも重い腰を上げ、意見を取りまとめて

銀河神組合に提訴した。

銀河神組合からの通達と監視でトラック転生が難しくなり、

駄目神たちは様々な手法を試し始めた。

これが現状である。

…その努力をリソース再考に使えばいいのに。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?