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本日の猫たち #004

本日、ついに先住猫が動きました。

(と言われてもなんのことやら、の方もいらっしゃると思いますので、軽く説明させてください)

プチ反抗期の兄猫(10カ月)の話です。
我が家は先月あたりから兄猫の破壊活動に悩まされていました。
兄猫は好奇心旺盛で、後先考えずに勢い任せでつっこんでしまう癖があります。ターゲットを見つけたら、まっしぐら。その過程にあるものはなにも目に入らず、狂戦士(バーサーカー)のように破壊していきます。

細かいことにこだわらない性格の兄猫。普段はとてもフレンドリーな良い子です


例えば「外で鳥が鳴いている!」と気づいた瞬間に、窓際にGO。
最短ルートをまっしぐらに走り、障害物をすべてなぎたおします。猫たちが誤飲したり、怪我したりしないよう、部屋には必要最低限のものしか出していないのですが、その最低限のもの(コップ、ペン等)すら、ことごとく落下させます。

「猫あるある」なこととはいえ、これ以上家電を壊されたくないですし(兄猫に損害賠償を請求できない…)、うちの猫たちに何かがあってからではおそいので、対策を考えていました。

ただよくよく観察していると、兄猫の破壊工作は、目先のことしか見えない「うぇーい」な性格のせいというより、日々大きくなっている自分の体についていけていない(自分が妹猫より巨体であることに気づいていない)せい? のような気がしてきました。

例えば、猫たちによる追いかけっこの最中、妹猫が家具の隙間に入ったときのことです。兄猫も自分も行ける!と後を追って入ろうとして失敗。
(※体格差。現在、妹猫は2.8kgですが、兄猫は4kgあります)
今まではできたことが、急にできなくなる現象に、兄猫自身が戸惑っているようなのです。
半分は私の憶測ですが、
「なんで? なんで? ちょっと前までは入れたのに。なんで妹猫は入れて、自分は入れないの?」
「いや、がんばればいけるはず。前はできたんだし」
などと、再挑戦したり、じたばたしたりしているうちに、結果的に家具やまわりのものを破壊してしまうのではないかと。
(ただ壊したときに楽しくなってしまうのは問題)

大きくなった今でも、兄猫は小さいとき(1~2kgのとき)と同様、先住猫に甘えにいきます。「わーい! 舐めてー!」と寝ている先住猫の体にジャンピングダイブするのですが、それが本当に危なっかしい。先住猫が怪我をするのではないかとひやひやします。
(起こされた先住猫は「!(重っ)」と、一瞬いやな顔をすることもありますが、それでもちゃんと愛情こめて兄猫を舐めてやります)

そういう日が二週間ほど続きました。
「兄猫は重い」「ほかの猫たちにやさしく接してほしい」「これ以上家のものを壊すのはやめてほしい」ということをわかってもらうべく、人間側が兄猫に話をしました。が、上手に伝わらなかったようで、兄猫の破壊工作は日々エスカレート。
(ものを落としたり、壊すのがとにかく楽しくてたまらない…)
猫をコントロールするのは基本、不可能だとわかっていますし、1歳半頃になれば衝動的な行動が落ち着くのもわかっているのですが、このままでは先住猫、妹猫が、ひいては兄猫自身が怪我をしてしまう可能性があります。それだけは避けたい。

どうしたものかと頭を抱えていた本日、ついに先住猫が(ふがいない飼い主に見かねて)動きました。

夕方、ボール遊びをしているときでした。
キャットタワーで待機している猫たちに向かって、私は(猫たちを走らせるべく)上に、下にとボールを投げていました。
兄猫は運動嫌いではないのですが、俊敏な妹猫が全部ボールをとってしまうので、とにかくボール遊びがおもしろくない。
「なにかおもしろいことはないかなー」「別の遊びがしたいなー」とまわりを見渡していたとき、「!」と思いつき、兄猫は行動に出ました。
キャットタワーの最上段にいた先住猫がボールをキャッチした瞬間、下の段から先住猫に飛びついたのです。
兄猫はそのときの気分で動くので、「うえーい」「楽しい」「レスリングしようよ」というじゃれあいのつもりだった(と思う)のですが、集中しているときに邪魔が入るのをなにより嫌う先住猫。しかも兄猫はずっしりと重い。

非暴力主義の先住猫がついに、拳をふりあげました。

「えーかげんにしーや!」

先住猫、兄猫を瞬殺


兄猫、一瞬で倒され、なにが起きたか理解できず。

先住猫は視線で兄猫を威圧すると、ふいっと踵を返し、キャットタワーから下り、そのままボール遊びから離脱。兄猫はしばらくぼーっとしていましたが、「待って-」と先住猫を追いかけていきました。
(それでも兄猫は先住猫が好き…)

ボール遊びが終わった直後、先住猫が私の足元にやってきました。

「姐さん、もう心配いりやせん。あいつしめておきましたんで、もう大丈夫ですぜ」

というようなことは、先住猫の口からは出てこないと思いますが、「兄猫はちゃんと理解した」というようなことを言っていたような気がします。(私の妄想かもしれないのですが)

ほうれんそうのできる先住猫


先住猫と兄猫、二匹の間でどんなやりとりがあったかわかりませんが、その日の兄猫は、普段とうってかわって、静かに過ごしていました。

その日の夜。兄猫も妹猫も先住猫が大好き


兄猫の静かな状態が何日続くかわからないのですが、しばらく様子を見守りたいと思います。

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