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本日の猫たち #009

本日(もう昨日になったのですが)は妹猫(10カ月)の避妊手術日でした。
前日から入院で、翌日が手術。無事成功したとの報告を受け、胸を撫で下ろしました。

病院に預ける前の妹猫。ちょっと不安そう

妹猫は元虚弱体質なので大事をとり、現在経過観察で入院中です。
無事に手術できたこと、また妹猫が無事だったことが奇跡のようで、うれしくてたまりません。
病院側から「いつでも連絡がとれる状態にしておいてください」と言われていたので、深夜もずっとスマホのそばで待機していました。その疲れもあいまって、今は喜びにうちふるえつつも、意識朦朧です。

たかだか避妊手術くらいで大げさな、と思われるかもしれませんが、実は妹猫の避妊手術はこれまで諸事情から何度も見送ることになり(病院側の判断、検査の結果)、今回がいわばラストチャンスだったのです。

妹猫の避妊手術に慎重になった理由の一つが、昨年秋に行った兄猫の去勢手術です。
兄猫はうちに来た当初(生後1カ月)こそ、猫風邪の諸症状に悩まされましたが、それ以外は問題なく、よく食べ、よく遊び、健康優良児扱いでした。
そこで生後半年を迎える頃、事前の検査でも問題なかったので、ごくごく普通の流れで、去勢手術をすることになりました。
雄猫の去勢手術は雌猫の避妊手術と比べ、麻酔の時間も短く、体にかかる負担も少ないです。なので、安心していたのですが、手術後に帰宅してから兄猫の容態が急変。
これまで吐いたことがなかった子が何度も吐くので、大至急病院に連れて行ったところ、「急性腎不全」と診断されました。

猫を飼っていない方には、どんな病気かイメージしにくいかと思いますが、「猫がチューリップなどのユリ科の植物をかじったら『急性腎不全』になって、翌日亡くなっていた」……というあれです。

ちなみに健康診断でも、術前検査でも兄猫の腎臓の数値はまったく悪くなかったですし、比較的水を飲む子だったので、まさに青天の霹靂でした。
(※セカンドオピニオンで別の獣医さんにも聞いたのですが、実際、稀にあるケースだそうです。健康が良好な猫でも麻酔で0.1%、1000匹に1匹の割合で死亡するとか)

「全力を尽くしますが、覚悟してください」と病院の先生に言われ、兄猫はそのまま入院。まったくの健康体だった子が、一夜にして死にかけているという状況が受け入れられず、病院からの連絡を待つ間、生きた心地がしませんでした。
今もまだ思い出すのがつらいので詳細は省略します。
幸い、早期発見と病院側の懸命な治療・介護のおかげで、兄猫は無事回復し、一週間後に退院できました。
(その際は多くの方々から精神的なサポートをいただき、心から感謝しています)

ただどんな健康な猫であろうとも手術に「絶対」はなく、「運」も含まれているということ。
私自身、これまでお世話してきた猫たちの去勢避妊手術は(現先住猫を含め)、術前の検査結果で問題がなければ無事に終わっていたので楽観視していたのですが、兄猫の一件でその考えをあらためました。

入院中の兄猫のお見舞い。先住猫と妹猫は片時も離れず、グルーミング

そういうことがあり、妹猫の避妊手術(全身麻酔)には慎重にならざるをえませんでした。妹猫(元虚弱体質)の発育が遅れがちで、手術するには体重が軽すぎるという問題もありましたが、どうやら兄猫も妹猫も遺伝的に麻酔が合わない体質であることが、わかってきたからです。

避妊手術のメリットのひとつは、卵巣と子宮をとることで、死亡率の高い婦人系の病気を予防できることです。
なので妹猫が健康で長生きできる猫生を送るためには、避妊手術が必須と思っていましたが、その手術のせいで短命になるのでは本末転倒です。
(ですが避妊手術をさせなかったことで、早世した例もあるのです…)

避妊手術に限らず、「治療する・しない」「手術する・しない」を選択する機会は猫と長年暮らしていく間に、必ず起こります。どちらを選ぶかは(病院側はあくまで提案で)すべて飼い主が決定することになります。

動物を飼うということは、その動物の命の責任を負うということでもあります。命にかかわる選択になるからこそ、愛猫のことを思うと迷います。(選択した後も、果たしてこれでよかったのだろうか、とつい考えてしまったりします)

私は今いる猫たちと最低20年は一緒に暮らすつもりでいるのですが、妹猫がそれを望んでいるかはわかりません。
(長生き=幸せというのは、人間の一方的なエゴではないかと思うこともあります)
ただこれまで強制給餌や投薬を多く経験してきた妹猫にとって、生きることが「つらい」ことばかりであってほしくないのです。

どうしたら妹猫(+ほかの猫たち+人間)が幸せに暮らせるのか。
それを一番に考えて過ごすことにし、ひとまず避妊手術の決定は2月まで保留にしました。

病院に行く妹猫を舐める兄猫


2月の検査で問題があったら避妊手術は諦めるつもりでいました。
ところが、ありがたいことに、先住猫の深い愛情や、兄猫のサポートのおかげで、年明けから妹猫はどんどん回復していきました。よく食べるようになり、体重も増えていきました。
そして2月中旬の検査で、はじめて「異常なし(腎臓の数値も)」という結果になり、手術に踏み切ることになりました。
(うちの兄妹猫には兄弟がいるのですが、そのうちの一匹、幸宮チノ先生のところで生活している姉猫が無事に避妊手術ができた、ということにも背中を押してもらいました)

兄猫(健康体)の手術のときを思うと、絶対的に大丈夫とはいえなかったのですが、兄猫のことがあったからこそ、病院側も事前に対策を講じてくれ、万全の状態で手術を終えることができました。

ただただ皆様に感謝です。

病院に行く日、「がんばれ」と妹猫を舐める兄猫と先住猫
兄猫と先住猫、妹猫を両サイドから応援


こういうことがあると、あらためて当たり前の日常がいかに特別であり、「奇跡」であることを、思い知らされます。

猫と一緒に暮らすことで大変なこともあります。
ですが、自分にとって当たり前だった世界をまったく別方向から、考えられるようになったこと。
今そこにある「命」に感謝できるようになったこと。

私に子育ての経験はありませんが(甥と姪はいます)、母親であったり、父親であったり、子供を育てる人たちというのは、愛情を込めて、日々大切な「命」をつなぐ作業をしているのだなと。

大変なことというのは、ただ大変なことではない。
数え切れない大切な経験をさせてもらっていると思っています。

えらそうなことをつらつらと書きましたが、妹猫が無事で本当にうれしい。

最後まで読んでいただき、ありがとうございます☺
世界中の人たち、猫たち、皆々様が健やかで、幸せでありますように。

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