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本日の猫たち #184

猫がいるとこういうことが起こります、というプチ事件が発生したので、こちらに記録しておきます。今回は猫ではなく、飼い主の私メインの話ですので、飼い主に興味のない方は、どうか猫の写真を眺めていかれてください。

キャットタワーの上の妹猫


本日は私が旧社会主義国に住んでいたときから追っかけているミハイル・プレトニョフのピアノ協奏曲全曲演奏会の第一夜(東京オペラシティ)でした。
8月、9月はこれを楽しみに生きていたといっても過言ではありません。
(今週来週はプレトニョフを追っかけます)


今日は夕方まで仕事が立て込んでいたので、昨夜のうちに準備を全部すませ(気分は遠足前夜)、玄関にチケット、財布、ICカードなどを入れたバッグを置き、あとはスマホを持てばいつでもGOという状態にしていました。
出発予定時刻の10分前にやっと仕事が一段落ついたので、充電中のスマホを見にいくと、猫たちが前足でちょいちょいとスマホをいじっているのです。
前も兄猫にかじられたことがあったので、「だめだよ」と追い払い、スマホと充電器を別の場所に移動。

これがそもそもの失敗でした。


扇風機の番人、先住猫(左)と兄猫(右)
(※先住猫は基本、悪さはしません)


「スマホさわらせろ」「ケーブルかじらせろ」と要求する猫たちの気をそらすため、キャッチボールをすること5分。
「ピンポーン」とインターホンが鳴り、私を駅まで送迎してくれる予定の身内が到着。

「少し早く出られる?」
「準備しているからすぐ出られるよ」
と、私は玄関に用意していたバッグを持ち、靴を履きました。

賢明な皆様はもうおわかりでしょう。

私は人生初、スマホを忘れてしまったのです……。
(思いがけないデジタルデトックスの機会)


駅に着いてすぐ、身内に「ありがとう」のメッセージを送ろうとした瞬間、スマホを忘れたことに気づきました。
バッグをさぐっても出てきません。おそらく充電完了したであろうスマホは猫たちが立ち入れない部屋のコンセントにささったままです。
(あ~猫がスマホをいじらなかったら……)
と猫のせいにしてもはじまりません。猫のせいではなく、完全な自己責任です。
車で送ってくれた身内はもういません。
スマホを家にとりに戻ると、開演時刻には100%間に合いません。

そこで頭を切り替えました。
「(すべてを忘れて)まずは、プレトニョフに行こう!」

現金やICカード、チケットは持っているので、東京オペラシティまでは問題なくたどり着けます。公演予定時間は2時間。誰かが私に連絡をとってきたとしても、4~5時間程度であれば、返信の遅れはゆるしてもらえそうな気がします。また移動中はいつもスマホで読書するのですが、それもあきらめればすむこと。
私は腕にアクセサリーをつけるのが苦手で、時計を持たず、スマホを時計がわりにしているので、スマホがないと現在時刻がわからない……と少し焦りましたが、日本はどこにでも時計表示があるのでなんとかなりました。腹をくくれば意外とどうにでもなるものです。

問題は公演後。帰りです。
「メッセージくれたら駅まで迎えに行ってあげるよ」と提案してくれた心優しい身内に、自分の状況をどう連絡したらいいものか。

駅の公衆電話から電話しようと思ったのですが、そこで気づきました。
そうです。「身内の携帯の番号がわからない」のです。
(スマホの中にすべて登録……)


猫にテレパシーが使えたら…とすごく思いました


携帯電話がなかった時代は、必要な電話番号は暗記していたというのに。
スマホがあるがゆえに、脳で覚えるということをしていなかったのです。

身内のSNSのアカウントとメールアドレスは知っているのですが、スマホがないときは、どうしようもありません。このときは公演前なので、インターネットカフェに行く時間も余裕もありません。

私はない知恵をしぼりました。

あれこれ考えているうちに(プレトニョフの公演前にこんなことで頭を悩ませたくなかった…)、全員の電話番号を覚えていないというわけではなく、電話番号をうっすら覚えている身内(以下身内その2)もいることに気づきました。そこでその身内その2のスマホに公衆電話から連絡し、迎えに来てくれる身内(以下身内その1)の電話番号を教えてもらおうと考えました。

ところがです。

なんということでしょう。
停車する駅のどこにも「公衆電話」が見当たらないのです。
(このときは駅員さんに聞く余裕もありませんでした)

ですが、オペラシティに一台設置されていたのはなんとなく覚えていたので、公演が終わったらその公衆電話から身内その2に連絡しようという結論にいたり、心を落ち着かせてコンサートホールへGO。

(プレトニョフの感想を書きはじめるととまらなくなるので割愛)

生きててよかった…


すさまじい余韻を残して公演が終わり、急いで公衆電話に向かいました。
幸い小銭があったので、身内その2に電話。
トゥルルルルル……という音を聞きながら、「これで大丈夫。身内その1に連絡がつく。問題なし」と自分に言い聞かせました。

しかし、なんということでしょう……。
どれだけコール音が鳴っても、身内2は電話をとってくれないのです。
(公衆電話からiphoneへの電話は「非通知」になるので、不審者からの電話だと思われた)

もうこれは一刻も早く帰宅するしかない! 
と私は覚悟を決め、どこにも寄らず(夜食を仕入れたかった…)、最寄り駅からはタクシーを使って帰宅。(かなり走り回ったのにスマホがないため歩数が記録されないのが悔しい…)
いつもは行列の駅前タクシー乗り場が、奇跡的にすいていたので助かりました。そして帰宅後、車で迎えに行くためアルコールを摂取してくれずに待っていた身内その1に、やっとこさ「ごめん!!!」を伝え、ひとまずめでたしめでたし、とあいなりました。

猫たちのおかげで、短時間で脳と体力を使わせてもらったので、ある意味感謝です。

かつてはスマホがない生活が当たり前だったんですけどね。
スマホが数時間手元にない、というだけで、非日常の世界を味わいました。


今回の公演の座席はプレトニョフのタッチがばっちり見える良席で、開演前に撮影しておきたかったのですが、スマホがなくて写真がないのが本当に心残りです。

先住猫を舐める妹猫
飼い主がいてもいなくてもまったく変化のない猫たち…


最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
9月14日~16日は出張のため、noteをお休みさせていただきます。
戻りましたら、またよろしくお願いいたします。

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