Voyageに学ぶ、VRイベントって何なんだろうなって、私が振り返る話。

初めに

これは「Virtual Fashion Collection "Voyage"2023 Spring/Summer」を配信上で見た、私が感じたことを纏めています。

前回のVoyageも配信閲覧はしているので、
2回目に期待もあり(何ならクレジット載るやつ買うぐらいに楽しみにしていた、お花までは恥ずかしくって買えなかったw)
今回それを遥かに超えてきた感じです。
久々にnoteに書こうと思うぐらいの感情を、叩き出してくださるものがあるとは思いませんでした。
私自身のイベンターとしての忘備録も兼ねて、例の如く、
私の考えや推察が多数飛び交います。
これ見た人は、こいついつも、こんなこと思ってるんかぐらいに、
留めておいてくださいね。日記みたいなものです。ほら拡散するな。
基本、良いことしか書いてないです。逃げないで~!

本題に入る前に

主催であるゆいぴさんについて軽く調べたのみですが、
せっかくなので、VR文化も絡めて触れていこうと思います。
VRファッションブランド「Melty Lily」のオーナーさんで、
3Dモデラーさんです。私が遡った限りでは、2020.12月勢の人です。
この時点で「あっ」とも思ったのですが、この2021年上半期は、
アバター購入文化は既にあり、ある程度、皆が好むアバターも固定化されてきた時期だったなぁと思い出します。
ただ特定アバターに対する「ファッションブランド」があったかと言われると、まだそこまで確立はされていなかったような。
(法人になっちゃったけど「黒猫洋品店」とか、「紅雨の降る蒼」さんは古株さんですかね)

また、彼女はVRCに来た理由について、配信でこう話しています。
(きまぐれリンドの夜探し#195 with【ゆいぴ㌠】 - YouTube)
これも2020年下半期~に多い理由の一つで、コロナの影響もあり、直接的ではないですが、VRChatにも多くの人の参入がありました。
又、Vtuber界隈でも同様のことが起きていましたね。
イラストレータ・3Dモデラーの友人達が「今が稼ぎ時」と言っていたのを思い出します。(風が吹けば桶屋が儲かるのね)

という2点から、勿論、彼女自身の人柄もあるとは思いますし、
モデリング等はVRCに入ってから始めた努力家でもありますが、
非常に今やっていることへの参入「運」が良い人でもあるなと思っています。メタバースファッションも今、内外問わず話題ですし。
(運も実力の内です)

私が彼女を知ったきっかけは、Voyageのワールド制作・演出・ギミック等を担当された、友人の坪倉輝明さんからの繋がりでした。
軽くお話をしたことがありますが、割と私とは真逆…とは言いつつも、メタバース世界への発信の考え方は似ているなと感じます。
ただ真逆と感じるのは、多分伝え方の問題ですね。
彼女とは理由あって、私自身で一距離置いているのですが(共通の知人もいるので、VRChatのSocialにはよく見かけますが、コミュ障なのでjoinはよくためらう)とても素直でまっすぐな方だと思っています。
彼女の才能に関しては、いつでも追えるように見ていますし、
そのぐらい勢いがある方だなぁという感じです。

さて本題。基本的にTwitterやハッシュタグにある「感動~」やら「綺麗~」などの言葉は、既に沢山受け取っていると思います。
何故そう感じるのかを中心に、私の感想として話していこうと思います。
特に伝えたいところは太字にしています。
私はイベント企画の経験や参加・他VRファッションショー等の参加もしていますので、自分のことを語りつつ、主観的にはなりますがお付き合い頂けますと嬉しいです。


メンバー全員が本気に(プロ意識で)取り組んでいた。

人はそれを神々の遊びという。
でも根本的には他のVRCイベントと変わらない運営スタンスをとってます。
(人数の上下はあれど、主催・企画・製作・スタッフ等などの構成ですね。)
他イベントと何が違うのか、気になるツイートを2つ挙げさせて頂きます。

(https://twitter.com/kohack_v/status/1663021433768022018?s=20)
坪倉輝明さんに関してはこのイベントを「案件」と呼んでいるので、
金銭的取引があった(所謂仕事)としてだったのかもしれません。
なーんだお金絡んでるし、プロの人じゃん。そりゃいいもの出来るでしょ…となった人、私が言いたいのではそこではないです。
しかも、お金絡んでても悪いものは、マジで粗悪です。
「仕事としてやってきた人をも圧倒する熱量がそこにはあり、
そして彼の職人魂に火をつけたということ」が大事なのです。
仕事は自分のやるべきことをやれば、終わってもいいんです。
でももっとこうしたほうが良い、どんどん詰めていこうという、
雰囲気にさせたのは、他ならぬメンバー達なのではないでしょうか。

(https://twitter.com/kawasaki_silvia/status/1662618507543199744?s=20)
Kawasaki Silviaさん。練習に書けた期間はなんと3ヶ月。
約1時間のショーですから、実質リアル演劇1つの稽古をつけているのと同義です。アクターグループさんが自主練までかけて、どうしてここまで頑張れるのか。しかもほぼ無償だと思います。これも上記のように、主催や他メンバーからの、本気度が伝わってきたからでしょう。

本配信を見て(勿論どれも素晴らしかった中)私が、感嘆の声を漏らした場面がありました。水着衣装の際のトラブルを、味方に変えたところです。
今回はsummerということもあり、水着衣装も何着か出ていたのですが、
ローテーションの際に、1人の動きがぴたっと止まってしまいました。
配信で「あっ」とは思ったんですが、他のアクターさん(クラゲドレスの人)がピタッと止まっているアバターのポーズに合わせて、別のポーズを一緒にとっている場面があり、正直「はーー」となりましたね。
その場の状況を瞬時に理解ができるのってすごいなぁと。
正にプロ意識ってやつです。

勿論、今現状のVRイベントでは、基本的に緩くやりましょうというものが多く(逆に、きっちり会議などをイベント前に挟む、週定期イベントもあったりします。一部苦しそうですけどね。)
殆どが有志の人でやっている兼ね合い、テキトーにとりあえずの人も、
沢山いらっしゃいます。

その中で、これだけの統一感がとれたイベントを達成できたのは、
このメンバーだったからというのがあるのではと考えています。


80人というキャパシティ

80人というキャパシティにて行うというのを知ったのは、リーチャ隊長の漫画でした。内心私も、そんなことできるの?と憤りを感じていました。
私もイベントで自作ワールドを作り、40人を収容して配信をしたことはありますが、凄く「重い」んですよね。
そして「重い」は基本、多少なりに「ストレス」になります。
パソコンのスペックが様々違う参加者にも、
最適化を施さないといけないワールド製作者・配信者にも、
そんな「ストレス」をかけることをするのかと。
日付を2~3回なりに分ける判断はできなかったのかと。
(多分、メンバー達のスケジュール的に無理?)
ただ何故今ここに良い面として書き込んでいるか。https://twitter.com/yuipxq/status/1662811535645999106?s=20 
主催のこの書き込みを見たからです。本人達も当然わかっていたことでした。でも、これでやらないといけない理由があるためです。きっと。
私がイベントの相談を他の人にされた時に、リクインによる40人以上を一緒の会場に入れたい要望はよくあります。
私はよく「やめておいたほうがいい」か「分割」を提案します。
その人が「責任」が取れないからです。
私だけの責任なら別ですが、ここで言う責任はスタッフ全員のです。

そも、VRChatは最大40人が公式のデフォルトであり、80人というのは「非公式」の方法になるんですね。みんないいように使ってるけれど。
VRChat上で何かトラブルがあった時、VRC運営に報告したい時、
非公式なやり方をしていたと、ちゃんと伝えられるでしょうか。
寧ろそれが原因なんじゃないのと、後ろ指刺され指摘される結果になります。
多分ですが、このキャパシティでのGOサインを出したのは、主催者でしょう。ゆいぴさんは「責任」とか「皆に起きるストレス」とかを、一切承知で受けていたんだと思います。
「責任」「ストレス」よりも、イベントの「感動」に変えられると信じていた。並大抵のことじゃないです。

どの層に伝えたかったのかは、意外と明白で。

ターゲットはどこに絞られていたのか。イベントをやるにあたって、
どの層に伝えるのかというのは、結構大事です。それが目標にもなります。
多分ですが、正直Voyageは「このVRSNS界隈」だけということではない、
ということは確実です。そう思う根拠が3つあります。

1つ目はイベントの時間です。土曜日22:00というのは、どの界隈にも言えるのですが、ゴールデンタイムです
深夜、配信が終わった後、皆とこの感動を共有したく、色んなVRグループに話をかけに行ったのですが、
「存在を知らなかった」「名前は聞いたことあるかな」「他の集会あるし」「調べたら身内イベント(自分が参加できない)ぽいから見なかった」等
勿論、その為にアーカイブが存在しますが、皆さん見る前に忘れてしまうのではないでしょうか。自分だけ魔法を見ていた気ですね。

2つ目は「ファッションブランド」に興味がない・知らない。
皆さんはBOOTHを見るときに、この人の作品だから!で買うことはありますでしょうか。いやあるとは思うんですがね。同人誌とか。それと一緒です。VRにファッションがあるということを知らない層だったり、
そもリアルのファッションに興味がない人は、そもそもブランドなんて興味なく、機能性・汎用性等を見るんじゃないでしょうか。
私も配信者の端くれなので、画面にのることが出来るかどうかを重視して購入する時があります。楽しくお話していたあの人が実は、BOOTHでファッションブランドを持っていたなんてこと、後で知ったこともよくありましたし。VRファッションブランドというのは、意外とニッチな世界なんですよね。

3つ目が最大の理由且つ、私が今回noteを書こうと思った理由です。
今回の主催者さんの挨拶と、https://metacul-frontier.com/?p=3616 
これを思い出したからです。
1回目も2回目も本質が変わっていなかった点が伝わりました。
VRSNSはその特性上、2D/3Dクリエイターさんやエンジニアさんが多いような気がします。
その中、イベントはVRSNSで活動・生活している人たちだけでなく、モデラーさんだけではなく、外部のクリエイターさんが多く感想を投稿していたように思いました。
私も外部に向けたメタバースイベントをしていますが、本質は一緒です。
「このメタバースの世界にいる人を見てほしい・来てほしい」
「この世界で頑張っている人・頑張る人がいるというのを知って欲しい」

そして私も自分自身を創るクリエイターなので、共感できるところが大きいのです。
(さっきも書きましたが、ゆいぴさんと自分のメタバースへの発信の考え方が似ているのがそこで、単純に伝え方が違うだけという話につながります。
というより、自分で発信されているメタバース民のほとんどはそのような考え方でしょう。宣伝等の私的目的な人も勿論いますが。)

実際に配信は400人強、VRSNS上で閲覧していた方を入れて、500人前後が見ていたと推察しますが、多分配信で見ていたVRChatterは2割がいいところだと思っています。あとは、アクターやVsinger、ブランド様のファン等が3割。残り5割はクリエイターだと思っています。
自分たちの衣装を買って、VRで生活をしている人たちが、注目して見ていないのはなんだか皮肉めいたものはありますが、にしても「何か」をがんばる人に向けられていたものを見たのは久しぶりだったかも。

最先端を行き過ぎた結果

行き過ぎた先には、置いてくものもある。
今までVRファッションショーをしてきた人たちです。
私は、主要なVRファッションショーは軒並み参加・拝見しましたが、
どれも個性があって素敵なものです。
「メタバース発?私達が最初だけど?」「あまりにも人気アバターありきじゃない?(虎の威を借りる狐ですね)」「こんなのがでてきたら次、自分達のが見てもらえるのかわからない」等ですかね、観測できた範囲ですが。
本質がそこじゃないのは、前の文章で沢山説明した通りですが、
それはさておきこれは、全てのVRイベントに言えることだと思います。
2020年頃には既に言われていた「とりあえず、何かやれば初めての時代はとっくに終わっている」と思っています。
そしてそこからはどうしても「共闘」か「協力」か「競争」になってしまうのです。私も勿論経験したことがありますし、同じような目的のグループが2つあった!なんてことも外から見ているので、イベントをやる人はまず詮索を入れてください。そして自分がどの立場をとりたいかをしっかり考えましょう。

イベントの在り方ってなんだろう。

そして最初に戻ってきたわけです。
今からイベントを始めようとしている皆さんは、そこまで気負いすることもなければ、このクオリティを目指さないといけないのかと後ろ腰にならなくて大丈夫です。
イベントにおいて何が一番大事かっていうと、貴方のその好きという「熱量」だと思っています。「熱量」がなければ、全てが惰性に終わってしまう。それが強ければ強いほど、周りに大きな影響を与えます。
今回はファッションイベントってだけで、ゆいぴさんの「熱量」が別のベクトルに行けば、もしかして別のイベントを開催するかもしれませんよ。

今後はどうなるか私にもわかりません。
資金が足りなくて頓挫するか、どこかから調達してまた行えるのか。
(多分今まではポケットマネーでしょう)
今後似たようなイベントが「企業」から出てくるかもしれないし、それにより吸収されて解散してしまうかもしれない。
(別枠、VRのイベントが凡そ無償で出来ているのは、皆さんの「熱量」だと思っています。)

Voyageは様々な観点からVRChatでせざるを得なかっただけで、かと言って交流に重きを置いた集会でもなく、れっきとした

「VRライブイベント」だと思っています。

普段のイベントなら私もそうここまで書かないのですが、「主催者の熱量」とそれを支える人たちの思いが強かった為、今日(こんにち)のVRイベントと絡めて文章としてみました。

個人的には、ワールドと演出が神がかっているので、一度本番じゃなくていいので、間近で見てみたいですね。お客様が降りて一息ついているVoyage停船中に、船の観覧ができるチケットとか売ってくれないかな~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~。


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