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ガバリと寒い…

鬼才の二句

西東三鬼は、俳句界のパブロ・ピカソである。(冗談です!)

パブロ・ピカソは冗談としても、鬼才は間違いなく、また、スペインの日射し・風景・文物のような、強烈な色味を感じる。(というと、先生ご本人からは痛罵されそうですが。)

水枕 ガバリと寒い海がある

これはやっぱり、シュ―ルリアリスムじゃ…

との感慨はさておき、「ガバリ」に引きずられて、この句を楽しい句と誤読していたことがあり、かつ、「闘病の句」という正しい解説を聞いても腑に落ちない時期が、長くありました。

ここ数年、自分で、慢性的な頭重感を抱えるようになって、やっと納得。

楽しいどころか、相当お辛かったんですね。

内容のつながりはゼロですが、『佐賀の「がばい」ばあちゃん』が話題になった時、音のつながりで、この句を連想しました。「がばい」(佐賀弁) も、個人的に、ニュアンスをつかみ切れない言葉の1つです。

おそるべき君等の乳房 夏来る

どこかで、「原宿駅前の情景を句にしたもの」との、解説を読みました。また、weblio辞書(現代俳句協会) の解説によれば、昭和20~22年作の句のようです。

以上を前提としますが、
・女性の装いが戦時中の地味なものから、洋装(夏場は薄着) に、一転した。
・三鬼先生(世間一般も) は、洋装に目が馴れていない。
・原宿駅前の雑沓を歩いていたら、「・・」が歩いてるような錯覚に陥ってしまった!

が、私の解釈です。

サザンオ―ルスタ―ズの先ぶれのような。
戦後復興・高度経済成長に向かう往時の日本の、勢いを感じる句だと、思います。

年始だから、ではありませんが。
「花衣」が終わったこともあり、杉田久女とがらり趣の異なる句を、二句、拾ってみました。

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