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発酵茶の香気成分 緑の香りについて①

主成分:(Z)-3-ヘキセノール(青葉アルコール) (Z)-3-ヘキセナール(青葉アルデヒド)

虫の食害に対する植物の防御物質として作用する生きている植物の葉を触ったり、切ったりしない限りは生成されず、物理的接触や食害に対し迅速に生成される。ミカンの皮を向いた時の香りやサンショウの葉の香気の生成は貯蔵型で別の仕組みである。烏龍茶製造時において、萎凋工程で揺青を行うと青っぽい香りが強く生じるのも同様の現象が起きている為である。特にアルデヒド類であるヘキセナールは反応性が高く、抗菌物質となる

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紅茶製造における緑の香り

 緑の香り成分の生成は萎凋や揉捻の工程で行われ、乾燥工程で著しく揮散すると思われる。乾燥工程終了時の荒茶には、生葉に含まれていた緑の香り成分は揮散し、リナロールやゲラニオールなど、より沸点の高い花様香気成分が残る為、紅茶らしい香気が形成されると推定される。

緑の香り成分の生合成

出発物質は主に葉緑体のチラコイド膜を構成する成分(ガラクト糖脂質)である。2つの生成経路が存在し、ガラクト糖脂質(糖脂質)そのものがリポキシゲナーゼ等の酵素の作用によって生じる経路。もう1つは、ガラクト糖脂質が一度加水分解されて生じた分解物である遊離脂肪酸(リノレン酸など)がリポキシゲナーゼ等の酵素の作用によって生じる経路(図2左経路)。更に発酵茶に含まれるリナロールやゲラニオールなどβープリメベロシド等の配糖体を経由する物がある。

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