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フォロー・ミー

「あなたさあ、私のことが好きなんだよね? 私のことが好きだから私のことをフォローしたんだよね? なのにどうして私がフォロー外したらフォロー外すのよ?」
 と彼女は僕に言った。

「だって君に嫌われたと思ったからだよ。フォローを外すっていうことは、君が僕のことを好きじゃなくなったっていうことだよね? 僕のことが好きじゃない君を思い続けるのはつらすぎるよ。そう思わないか? 君に嫌われているのにフォローし続けるなんて、あまりにも惨めでキモくないか? アイドルとかだったらさあ、お金のためだからキモいファンがいても金づるだと思えるかもしれないけど、君はアイドルじゃないし、僕はヲタクじゃないから。別にヲタクをバカにしているわけじゃないけどさ、そこまで君を好きになれないよ。友達としてお互いに仲良くできるんだったらいいけど、一方通行は無理だね。それにさ、フォローできる人数には制限があるんだよ。無限じゃない。君よりも僕のことをフォローしてくれる人のほうが優先されるのは当然のことだろ? 君はフォロワーが少ないくせにそんな態度を取っていたら嫌われるよ。フォロワーを大切にしない人はフォローもされない。そういうことだよ」
「何でそんなことを言うのよ?」
 彼女は涙目になって僕を見ていた。
 言い過ぎた。
 僕はそう思った。

「ごめん。もう一度フォローするから許してよ」
「うん、許す」
「じゃあ君も僕をフォローしてくれるよね」
「それは無理」


 何で?


おわり。

※トップ画像は「フォロー」と「フロ」をかけました。
う~ん、ちょっと厳しかったか、、、。

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