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2 真奈美が死んだという連絡を受けて、香津子はとてもショックを受けていた。 僕は何もしなかった。 僕は何もしないことで、真奈美を殺してしまったのかもしれない。
3 ベッドの中で、僕は背中から香津子を抱きしめた。 パジャマの裾から手を入れて、胸を触った。 そしてその手を滑らせて下の方へと移動すると、香津子の手がそれを止めた。 「生理だから」 と彼女は言った。
「他の女と寝ているんでしょう?」 と香津子が僕に尋ねた。 「寝てない」 僕がそう答えると、香津子は「嘘つき」、とつぶやいた。
香津子が出ていって、僕は一人になった。 寂しさが、僕を襲ってきた。 僕はそれが、すぐに慣れるだろうと思っていた。 だけども僕は、思っていたよりもずっと傷ついていた。
6 僕は人事異動で、開発部門から生産部門ヘと異動になった。 異動先は、海外生産のサポートをする部門だった。 仕事の環境が変わることで、僕は香津子のことを忘れることができそうだと思った。