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三石の女傑〜フェアダンス〜

昨年大穴を開けた幸英明とアカイイト

ついにGIを手にした坂井瑠星とスタニングローズ

三冠馬の意地を見せたい松山弘平とデアリングタクト


今週末はエリザベス女王杯ですね。


先日エリザベス女王が亡くなり、その名前に重みを感じながら過ごす今日この頃。


更に、ウマ娘のチャンミも八大競走を差し置いてエリザベス女王杯。そして最後の阪神開催と、今年は例年にない不思議な雰囲気で迎えるこのレース。


Twitterでも思い出のエリザベス女王杯出走馬を語るキャンペーンがおこなわれていました。


今回記事にするのは、そんなエリザベス女王杯に縁がある名牝フェアダンス


いきなりGI取ってない馬を記事にするあたり、逆張りオタクの悪い所が出てますね。


 

フェアダンス

父:フェアジャッジメント

母:ミスオーガスタ(母父:トウショウボーイ)

生涯戦績29戦6勝

獲得賞金256,549,000

馬主は三石ファームの経営者でもあった故・原口輝昭氏(生産は三石ファームではなく、その友人の藤本氏)。


黒い馬体に桜色の六文銭を背負って。年明けのデビューとなったフェアダンス。

新馬戦は10着に敗れますが、このレース、後にナリタブライアンと一方的にライバルになるマヤノトップガンや、最期はターフに散った悲運の桜花賞馬ワンダーパヒュームも参戦していてかなり豪華。


脂が乗っていた武豊を背に、今は香港が中華に取り返されたためロイヤルの名を剥奪されたロイヤル香港ジョッキークラブトロフィーに駒を進め、かつて先着を許した、この当時はファンからもまだあんまり相手にされてないマヤノトップガン(この1レース前から鞍上は武豊→田原成貴に変更)を打ち破ります。


その後、サファイヤステークス2着の後、当時はまだ旧4歳牝馬限定戦だったエリザベス女王杯に出陣。


春のクラシックを好走した岡部のプライムステージに1番人気を譲るも、単勝倍率0.2倍差の2番人気。桜花賞馬なのに天才の称号も人気も武豊に取られたワンダーパヒュームと田原の心境や如何に。ちなみにオークス馬のダンスパートナーは、「うちって女より男と走ってる方が気が楽なんだ〜」と菊花賞で走ってました。

レースが始まり、マヤノトップガンの雪辱を晴らしたい田原成貴に注目していると、気付いたらレースは終わります。先頭でゴールしたのは……


10番人気サクラキャンドル!

……どこから飛んできたお前。

そのすぐ後ろにはまだポツンせずにブイブイ言わせてた横山典が手網を握るブライトサンディー。そこから大きく引き離されて3着にフェアダンス。2馬身半も離されては、もはや惜敗ですらない。


その後、武豊を振り落として何人もの男と浮気したフェアダンスはいくつかのオープン特別を拾いながら翌春シーズンを終え、府中牝馬ステークスで2着。ちなみに1着はエリ女以来1年ぶりに勝利した、これが引退レースの憎きサクラキャンドル。またお前か。


昨年の無念を晴らさんと、主戦藤田伸二を背に古馬にも開放されたエリザベス女王杯に挑みます。


昨年舐めプかまして菊花賞に行ってたオークス馬ダンスパートナーが満を持してフェアダンスの前に立ちはだかります。彼女が直近で先着を許した相手は


マーベラスサンデー!

シルクジャスティス!

バブルガムフェロー!


……名前を聞いただけで目眩がしそうな怪物たちであり、当然のように1番人気。(ちなみに弟はこの年の菊花賞馬ダンスインザダーク)


さらに2年前にエリザベス女王杯を制し、牝馬でありながら全盛期のナリタブライアンと殴りあった、ピークこそ過ぎていたものの恐ろしい末脚は健在の女傑ヒシアマゾン。なぜか地方巡業に精を出していた3年前のエリザベス女王杯馬ホクトベガも参戦。


ちなみに武豊が乗るのは、フェアダンスの藤田伸二から「俺の女やるよww」と寄越された薔薇一族のロゼカラー。


錚々たるメンバーでの一戦となりました。



スローペースで流れるレースは最終直線で激流に変わります。外から追い込んでくるフェアダンスヒシアマゾン。先行していたダンスパートナーも粘るが……


結局アマゾンもフェアダンスも僅かに交わしきれず、弟に続きダンスパートナーがGI制覇。今をときめくサンデーの血に泣かされることになりました。


しかし、エリザベス女王杯でのフェアダンスの差し脚は強烈なものでした。2着だろうがドベだろうが負けは負けですし、競馬に惜敗などはありませんが、フェアダンスの直線での追い込みに多くの人が夢を見たのではないでしょうか。


今年は久しぶりに薔薇一族のスタニングローズが参戦します。フェアダンスの時はいいとこ無しだったロゼカラーですが、坂井くんは夢を見せてくれるのか。楽しみな一戦ですね。


それではみなさん、ホースと共にあらんことを……



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