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奈良クラブ【外野の観戦記(vs鈴鹿ポイントゲッターズ)R3.10.17】

はじめに

 鈴鹿ポイントゲッターズは、ミラ監督というスペインから来られた監督が作り上げたチームで、今年で3年目だ。奈良クラブも、フリアン監督がスペインの方で、今年1年目で指揮をとる。なんとなくそういうところでチームを作り上げていくという視点から今回の試合は結果よりも内容に興味があった。ミラ監督は今季途中で監督を退任されて、現在は三浦監督が引き継いでいるが、サッカーそのものが急に変わることはないと思う。鈴鹿ポイントゲッターズは昨年は後半から調子が上がってきていて、昨年は5位だった。今年も現在6位につけている(奈良クラブ試合後の順位)。
 そういった積み上げられたきたチームとの対戦で、奈良クラブがどのような戦い方をするのか?。前回の試合はミラ監督の退任時期もあり少し鈴鹿ポイントゲッターズらしからぬ試合展開となってしまったが、今回はおそらく良い状態の鈴鹿ポイントゲッターズとの対戦となるだろう。

鈴鹿ポイントゲッターズの得点

(1点目)
 今回の得点は見事であったなと思う。まずはスペースに走り出した選手に対してワンタッチで正確なパスが出た。
    選手同士の一瞬の判断と、その正確性は、今後奈良クラブが、後ろからしっかり組立てて、スペースを狙って得点を取るという「奈良クラブらしさで勝つ」には必ず必要な判断力技術だと思った。
 次に、そのパスが出ている時に他の選手の動き。早かった。たまたまその選手にボールが出て得点に至ったが、あの瞬間ゴール前にフリーの選手が何人もいた。鈴鹿はゴールまで、イメージを持って走れている。今現在奈良クラブの課題となっていると思っているのが、この3人目・4人目の判断と動きと、ボールから遠いところにいる選手の読みと動きだと思っている。
 この得点を防ぐことはなかなか出来ないだろうし、今後奈良クラブが、瞬時の判断でテンポ良くスペースに出た選手にボールを繋げ、そこから次の3人目・次の次の4人目の選手がゴール前で得点出来るスペースを確保するようになれば、奈良クラブの試合はかなり面白くなる。

    なんとなく奈良クラブはそういう攻撃を目指しているのではないかな?と思いながら応援している。

(2点目)
 中盤の選手が回転してボールが良いところに出たのは狙ったのか偶然なのかは分からない。素晴らしいスペースにボールが出てシュートまでもっていかれた。今回はゴールバーに救われたが、やはり3人目・4人目の選手がゴール前につめていて、最後フリーでシュートを打たれた。
 実は奈良クラブの得点もこういった形になることが多い。サイドのスペースを突破して、反対サイドから蹴り込んでゴールを奪ったり、ダイビングヘッドで得点したりと、奈良クラブの得点パターンの1つになっていると思う。

奈良クラブの得点

(前半44分のチャンス)
 奈良クラブにも前半44分に素晴らしいチャンスが巡ってきた。右サイドから、左サイドの寺島選手に長いボールが出たものを、ダイレクトで浜田選手に繋がり、浜田選手がヘディングシュートをした。
 寺島選手のあの正確なダイレクトのセンタリングは素晴らしかったし、浜田選手は相変わらず、ゴールを狙うための位置にいる。
 他にも、スペースを抜け出してチャンスになりかけたものがいくつかあったが、一瞬のタイミングにおける判断と正確性がスペースを抜け出すに至らなかった。そこは得点にいたった鈴鹿ポイントゲッターズがやはり素晴らしかったと言わざるを得ない。

(前半アディショナルタイムのピンチ)
 前半アディショナルタイムに、同じように鈴鹿の選手がスペースを狙い、同じようにそこに正確なパスが出たが、今度は加藤選手がスライディングで止めてくれた。加藤選手の意地のスライディングだ。そういうプレーは個人的に好き。「うぉ~っ!」となる(笑)

(1点目)
 コーナーキックから金子雄祐選手がゴールを奪ってくれた。自分の中で金子雄祐選手が好きなプレーは、その後誰よりも早く、自陣の定位置についたことだと思う。これで、「もう1点取るぞ!」の意思疎通がチームでとれたと思う。
 そこから奈良クラブはしばらく勢いがあった。なんとなくいけるんじゃないか?という雰囲気にもなった。
 
 今回、鈴鹿の2得点はすばらしかったし、止めようのない得点であったと思う。それでも「負けない」という気持ちで、最後まで試合をあきらめることなく臨めたのは良かった。

    きっと次の生駒ダービーに良いイメージで繋がるはず。ここが2-0で、そのままズルズルといってしまえば、次の試合の入り方が難しくなると思うので、あの金子選手の得点後の行動は、奈良クラブの姿勢として素晴らしかったなと振り返る。

おわりに

 今回は、試合を組み立てながらの攻撃について書いてみた。一瞬の判断でスペースに走った選手に正確なパスでボールを通し、その後すぐさま前線に選手が走りゴールを狙う。仮に点が入らなくても、そのまま速いプレスで第2波、第3波をしかけ、相手ボールになってもすぐさまボールを奪い、また攻撃に転ずるのが奈良クラブらしい攻撃の仕方ではないかと思う。
 
 ワンタッチでボールを出すことが得意な山本宗太朗選手が時に光るパスを出して得点に繋げている。浜田選手は相手スペースをうまく突いてゴールを奪っている。桑島選手は相手スペースでゴールに向かえば何か期待を持たせてくれる。森俊介選手は得意の突破力でサイドを突破してくれる。寺島選手は正確なキックでチャンスを作ってくれる。都並選手は必ず逆サイドでシュートチャンスを伺っている。選手の良いプレーを思い出せばきりがない。
 
 たぶん、チームの戦術の理解が深まるにつれ、個々の選手が個性を発揮し、個々の局面で勝ってくれていることが、チームの勝利に繋がっていくのではないか? 鈴鹿ポイントゲッターズはFWのリンタロウ選手の得点力が素晴らしいが、その選手だのみのチームではないことが今日の試合で証明された。誰が出ても戦術の中でその役割をこなし、自分の長所を活かしているので、チームとしての強さにブレがない。

 ミラ監督が積み上げたチームはここまで完成したんだなと思った。

 フリアン監督が今後積み上げていく奈良クラブがどうなるのか、きっとそんな簡単なものじゃないと思うし、一つ一つ課題を地味に乗り越えていかなければならないだろう。しかし、今季だけでも、その姿勢は試合を重ねるごとに感じているし、結果にも繋がりつつある。続けていくうちに、良いことが必ず待っていると期待している。

次節「生駒山ダービー」

 
 次の「生駒山ダービー」は、今季の集大成になるような良いゲームをして欲しいと思っている。

 この試合は私も観に行こうと思っている。
 ホームゲームはもう少し結果にこだわる戦い方をしてくれると信じているので、激しい試合になるだろう。とても楽しみにしています。
 
 次は必ず勝つ! でりゃ~っ!!(タロウちゃん風)

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