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昭和女子大学附属昭和小学校②

小学受験統一模試は2022年度受験生への特別応援企画として、2020年9月、昭和女子大学附属昭和小学校に伺い、校長・柴田芳明先生、副校長・中山光子先生にお会いし、お話をお聞きしました。今回は2項目の記事です。前項が気になる方はこちらをご覧ください。

※お話は柴田先生と中山先生お二人にいただいておりますが、話者を特定せずまとめております。
インタビュアー:富士チャイルドアカデミー 校長 前 宏美先生


>休校中、学習の遅れが生じないようにオンライン授業などで工夫されたことと思います。小学校生活の中で、オンラインでは絶対に補えないもの、取り戻せなかったことがあるとしたら、なんだったでしょうか。

 子供が学校に来る楽しみには、友達とのおしゃべりや、一緒に遊ぶことなどもあるはずです。子供達は、ある意味”密“になるために学校にやって来るのです。ですから、小学生が友達や教師に寄って来たり、じゃれあったりするのは、仕方がないことだと思います。学校とは人と人との協調性を学ぶ場所でもありますので。しかし、今年は学校再開後も例年通りとはいきませんでした。放課後はすぐに下校しなくてはならず、文化祭はオンラインになり、また宿泊行事で同じ釜の飯を…などの経験もなくなりましたので、活動は校内だけになってしまいました。一緒にいる時間も少なかったため、子供同士、教師と子供の信頼関係や心の繋がりを構築するのも遅れています。削ぎ落とされたものの中に大切なものがあり、今後影響が出てくるのではないかと懸念しています。

 オンライン上でもおしゃべりやゲーム、楽器の演奏もできますが、これらは本来の物とは違い臨場感も得られませんから、子供達には100%満足できない物足りなさが残ります。残念ながら、とっても楽しかったと感じるまでには至りません。子供達には、フェイス・トゥ・フェイスで伝わる、温もりのようなものを求める心が絶対にあると思います。

 また、喧嘩をして仲直りをする経験も得にくいです。オンライン上で喧嘩をしてしまったら仲直りのタイミングをつかめず、「もう二度とあの子と会いたくない」と言う気持ちから、スイッチを入れたくなくなり、更に仲直りのきっかけを掴むことができなくなるかも知れません。コミュニケーションにおける回復力の弱さも、オンラインのデメッリットと言えます。ネット上での誹謗中傷と同じように、面と向かわないために歯止めが利かなくなることもありえます。

 今上げたような不安を、オンラインに頼らずに時間をかけて解消していきたいと思います。机に向かっての学習だけをする学校ならば、オンラインのみでも良いのかも知れませんが、本校は、“まごころを尽くす人”を目指して心を育てる学校です。ですから、そこの部分はオンラインに頼らずにやらなければならないと思っています。人としての学びを身に付けさせるためにも、やはり学校に来させて、触れ合わさなくてはならないのです。本校の児童と保護者の方々も学校のそういう思いを理解してくれており、とても嬉しく思います。一方で今年度、保護者の方々には、行事や面談がオンラインになったため、来校して頂く機会が減ってしまい申し訳なく思っています。

 生活サイクルを戻すためにも、できることから行っています。給食は個包装の簡易給食から始め、教師が配膳をするなどの工夫をして徐々に戻していく予定です。また、近くの公園に出かける近隣散歩も、元々は学年ごとに行っていましたが、クラスごとにするなどにして再開しました。このように一挙に0を100にするのではなく、50まで、または30、50、70のステップを踏みながらできる限り元に戻していく努力を現在しているところです。そして、どのようなステップを踏むのかが重要なのだと思います。

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