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昭和女子大学附属昭和小学校④

小学受験統一模試は2022年度受験生への特別応援企画として、2020年9月、昭和女子大学附属昭和小学校に伺い、校長・柴田芳明先生、副校長・中山光子先生にお会いし、お話をお聞きしました。今回が最終4項目の記事です。前項が気になる方は下記よりご覧ください。

昭和女子大学附属昭和小学校①
昭和女子大学附属昭和小学校②
昭和女子大学附属昭和小学校③

※お話は柴田先生と中山先生お二人にいただいておりますが、話者を特定せずまとめております。
インタビュアー:富士チャイルドアカデミー 校長 前 宏美先生

>マルチメディア教室の活用状況はいかがですか

 多機能の設備を備えた何もない部屋というコンセプトで、マルチメディア教室を作りました。これからの学びは一方通行ではなく、教師から子供、子供から教師の双方向の学びであり、また、子供同士の学びもあります。そのためにどんな時も対面のしやすさが求められる事を考えると、PCが固定され同じ方向を向いているのは、非常に不合理で使い勝手が悪いと思いました。タブレットもあるのだから、全て取払おうという気持ちがリニューアルの原点です。使用目的に合わせて、ディスプレイの配置を含めた空間作りができます。机や椅子は必要なら出してくれば良いのです。

 総合学習の打ち合わせ、教科研究の話し合いなどにも使われますが、一番利用しているのは英語科です。英語クラブでは、“ロボットボール”というボールを動かしたり、ドローンも飛ばしました。英語を使いながらICTもできるし、遊びにも使える教室です。

 2021年の4月に向け、教育機会の確保や危機管理対策も踏まえて、ICT機器のタブレットを一人に一台持たせようと準備しています。子供専用のタブレットを自宅にも持って帰ることにより、学習教材の送信や、様々な連絡に活用していきたいと検討しています。子供達に扱い方やモラルを学ばせ、教師のスキルアップを図りながら、来年度からの実現に向け動いています。


>入試のやり方が今年度は変わりましたが、昭和小学校が求める家庭像に変わりはないと思っています。改めまして“求める家庭像”をお聞かせ頂けませんでしょうか。

 “求める家庭像”というより、今後受け入れていくであろう家庭像のお話を致します。
 今、短長期の海外生活の経験がある子が増えてきたことを感じています。その経験で得たものはその子の個性ですから、それを伸ばしてやる必要があると思います。また、日本に住んでいても英語を勉強してきた子、保護者の方々が海外に在住した経験がある子など、国内外を問わず、多様性を持つ子を受け入れることが必要で、その子らと共生することがグローバル化に繋がるのだと思います。

 いろいろな経験を持つお子さんがいるご家庭で、昭和が大切にしている日本の伝統的な教育も受けさせることを望む方々に、プラスになる方向性を考えていきたいです。日本人としてのアイデンティティーを確立すると共に、英語教育、異文化理解教育を充実させることが、これからの時代に生きる子供達を育てるのに必要なことだと考えます。中高部にはグローバル留学コースができていますので、初等部でもその方向に向かうことが、学園のめざす「グローバルに生きる」ことにつながります。

 コロナ禍で思いがけず世界が近くなり、グローバル化が進みました。子供達も、今回の経験を経てIT機器の使い方を含め、様々なことを習得しました。きっと彼らは、今後違った未来を過ごしていくことになるでしょう。創立100周年を迎えた本学は、人づくりのための次のステージへ、不易と流行のバランスをとりながら、前進し続けます。子供達が活躍する舞台は、確実にグローバルな時代です。その様な社会で活躍できる力を身に付けさせることが、学校の責任だと考えます。

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